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November 17, 24
スライド概要
VRコミュニケーションを支えるエンジニアをやっています
外出先でPCVRが 可能なインフラ構築 とうとう
自己紹介 ● とうとう ○ ● X:__tou__tou VR空間のコミュニケーションが好きです
PCVRとは ● ● ● VR用のグラフィック処理をPCで行いその結果を映像としてHMDに流す仕 組み(と、ここでは定義します) Quest単体と比べてリッチなVR体験ができるのが特徴 VRChatだとPC専用のワールドがある & 表現力の高いアバターが使える https://medium.com/vrchat/welcome-to-your-new-home-and-hub-139e06e0dea8
リモートPCVRが実現できると何が嬉しいか ● 外出中にPCVRができる ○ 年末年始に実家に帰省してもVRChatの年越しイベントに参加できる ● VR用のPCが壊れた際の一時的な代用となる ● VR布教が捗る! ○ ○ VR用PCを買うかどうか悩んでる人にPCVRを体験してもらえる ちなみに数人のPCVR体験会として貸会議室はおすすめ ■ 意外と安い(名古屋駅周辺だと1000円/h) ■ 備品プロジェクターでVR画面の共有 ■ 光回線ならクラウドVRや自宅PCへのVPNでPCVRもできる
方法1 クラウドにPCVR環境を構築
必要なもの ● VirtualDesktop ○ ● ● Quest(1|2|3) 回線 ○ ○ ● 2200 円くらい 80Mbps くらいあると嬉しい スマホデザリングは条件によってはいける ■ 10Mbps 以下は厳しい ■ スマホデザリングの場合はWi-Fiルータなしで大丈夫 5 GHz AC or AXのWi-Fiルーター ○ 2.4 GHzでもできなことはないが体験が落ちる
方法の概要 ● GoogleCloudPlatform(GCP)の Compute Engine で仮想マシンを作成 ○ ○ ○ ○ ○ ● Windows Server に色々インストール ○ ○ ○ ● マシンタイプ:n1-standard-8 (8 vCPU, 30GB メモリ) GPU:NVIDIA Tesla T4 リージョン:asia-northeast1(東京) OS : Window Server 2022 DataCenter ストレージ:バランス永続ディスク 50GB NVIDIAドライバ Quest PC アプリ(旧 Oculus PCアプリ) Steam, SteamVR, VRChatなどのVRアプリ, PC用VirtualDesktop QuestのVirtualDesktopでGCP上の仮想マシンに接続
方法の詳細 GCPにクラウドゲーミングPCを用意してQuest2 + VirtualDesktopでVRゲームを遊 ぶ https://toutounode.hatenablog.com/entry/2022/01/17/002033
結果
費用 1時間250円くらい!(2024/3) GCPを初めて使う場合は90日間で300$(約4.4万 ,2024/3)もらえるので実 質無料!
方法2-1 自宅のVR用PCへVPN接続 (自宅でVPNサーバーが公開できる場合)
必要なもの ● ● 接続先のVR用PC VirtualDesktop ○ ● ● Quest(1|2|3) 回線 ○ ○ ● 2200 円くらい 80Mbps くらいあると嬉しい スマホデザリングは条件によってはいける ■ 10Mbps は厳しかった ■ スマホデザリングの場合はWi-Fiルータなしで大丈夫 5 GHz AC or AXのWi-Fiルーター ○ 2.4 GHzでもできなことはないが体験が落ちる
方法の概要 ● 自宅のネットワークにSoftEtherVPN Serverを立てる ○ ○ ● 自宅ネットワーク内のVPN Serverをインターネットに公開する ○ ● ポート開放やファイアウォールの設定が必要 QuestにOpenVPNクライアントの準備 ○ ○ ○ ● SoftEtherVPNはデフォルトではパスワード認証しか使えない(ちょっと不安) ソースコードをちょっといじってビルドすれば固有証明書認証が使える(安全) OpenVPN用の設定ファイルを用意してOpenVPNクライアントに読み込ませる 設定ファイルには証明書や秘密鍵(またはパスワード)や接続方法が記述される 秘密鍵などの認証情報をもつクライアントのみ、自宅のVPN Serverに接続できる QuestのVirtualDesktopでPCに接続 ○ OpenVPNクライアントとVirtualDesktopを同時起動
方法の詳細 VPN を使って実家から PCVR で遊びたい! https://zenn.dev/toutou/articles/327787f52f81d8
結果 ● パフォーマンス 愛知県の実家と東京の自宅間で Latency 約 80 ms , Bitrate 約 80Mbps ○ ● 費用 ○ ゼロ!
ポート開放や ファイアウォール の設定ができない 場合 方法2-2 自宅のVR用PCへVPN接続 (自宅でVPNサーバーが公開できない場合)
必要なもの ● ● 接続先のVR用PC VirtualDesktop ○ ● ● Quest(1|2|3) 回線 ○ ○ ● 2200 円くらい 100Mbps くらいあると嬉しい スマホデザリングは条件によってはいける ■ 10Mbps は厳しかった ■ スマホデザリングの場合はWi-Fiルータなしで大丈夫 5 GHz AC or AXのWi-Fiルーター ○ 2.4 GHzでもできなことはないが体験が落ちる
方法の概要 ● GoogleCloudPlatform(GCP)の Compute Engine で仮想マシンを作成 ○ ○ ○ ○ ● SoftEtherVPN Server をGCPの仮想マシン上で動かす ○ ○ ● ソースコードをちょっといじってビルドして固有証明書認証が使えるようにする 仮想DHCP機能をON QuestでOpenVPNクライアントの準備 ○ ○ ● マシンタイプ:e2-medium-2 (2 vCPU, 4GB メモリ) リージョン:asia-northeast1(東京) OS : Ubuntu 22.04 ストレージ:バランス永続ディスク 10GB OpenVPN用の設定ファイルを用意してOpenVPNクライアントに読み込ませる 設定ファイルには証明書や秘密鍵(またはパスワード)や接続方法が記述される QuestのVirtualDesktopでPCに接続
結果 ● パフォーマンス 自宅(東京)<->GCP(東京) <-> 自宅(東京)間で Latency 約 70 ms, Bitrate 約 90Mbps 参考:LAN内のLatencyは約 40ms ○ ○ ● 費用 ○ 1 時間 約30 円!(2024/3) ■ $0.0207/hour
方法の比較
比較 前提条件 金額 環境構築難易度 セキュリティ クラウドVR なし 200-300 yen /hour or GCP無料クレジット 大変 自宅のPCに接続しな い分安心だが、 VPN 接続もできる嬉しい VPN VR (自宅) ファイアウオールや ポート開放の設定 ができるネットワー クが必要 0 パスワード認証は 簡単 証明書認証はソー スコードをビルドす る必要がある 自宅ネットワークをイ ンターネットに晒すリ スクがある パスワード認証はちょ い心配 証明書認証なら安心 30 yen / hour or GCP無料クレジット ↑に追加してGCP 上でVPN Server を立てる分ちょっと 大変 VPN Server がGCP にある分上より安全 VR用PC VPN VR (クラウド経由) VR用PC
どれを選べばよいか ● VR用PCがない場合 ○ ○ ● ポート開放やファイアウォールの設定ができない環境の場合 ○ ○ ● クラウドVR(方法1) 知り合いのVR用PCを一時的にVPN経由で借りる(方法2-1,2-2) クラウドVR(方法1) クラウド経由のVPN VR(方法2-1) おすすめ順 ○ VPN VR (方法2-1) > クラウド経由VPN VR (方法2-2) > クラウドVR (方法1)
まとめ
リモートPCVRインフラ構築の嬉しさ ● 外出先でHMDひとつでPCVRができる! ● VR布教が捗る! ● クラウドやVPNなどインフラ知識が身につく!
どれを選べばよいか ● VR用PCがない場合 ○ ● ポート開放やファイアウォールの設定ができない環境の場合 ○ ● VPN VR (方法2-1) ≒ クラウドVR(方法1) > クラウド経由のVPN VR (方法2-2) セキュリティの良い順 ○ ● クラウドVR(方法1)、クラウド経由のVPN VR(方法2-1) PCVR体験が良い順 ○ ● クラウドVR(方法1)、知り合いのVR用PCを一時的にVPN経由で借りる(方法2-1,2-2) クラウドVR & VPN (方法1 & 方法2-1) > クラウドVR(方法1) > クラウド経由VPN VR(方 法2-1, 証明書認証) > VPN VR (方法2-2, 証明書認証) > クラウド経由VPN VR(方法2-1, パスワード認証) > VPN VR (方法2-2, パスワード認証) コスパが良い順 ○ VPN VR (方法2-1) > クラウド経由VPN VR (方法2-2) > クラウドVR (方法1)