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September 02, 17
スライド概要
九州日本語教育連絡協議会の研修会(2017.09.02)での角南北斗の発表スライドでのです。
教育系ウェブデザイナー
ル イ タ 習ス 学 × ト ネッ ば れ あ ? が い IT な ら い は 室 教 mi Hokuto Suna 2017.09.02 九日連研修会:日本語教育×IT
Sunami Hokuto Blog: withcomputer.jp Portfolio: sunamihokuto.com Twitter: @shokuto
普段していること 肩書きは フリーランスのウェブデザイナー 教育系サイトや教材の設計・開発してます ✓ 元々日本語教育研究者なのでそれ関係が多いです 教師として授業してます ✓ 情報教育・デザイン・プレゼン・マネジメントなど
普段していること 肩書きは フリーランスのウェブデザイナー 教育系サイトや教材の設計・開発してます ✓ 元々日本語教育研究者なのでそれ関係が多いです 教師として授業してます ✓ 情報教育・デザイン・プレゼン・マネジメントなど
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日本語の教材に関わる背景 大阪大学大学院で日本語教育学を専攻 ✓ 博士前期課程修了までの6年間(青木直子ゼミ) 日本語教育機関で非常勤 ✓ 日本語学校:講師3年(M1から) ✓ 国際交流基金:教材開発10年(B4から) 2005年より教師から制作へ軸足をシフト ✓ 教育現場の問題解決をITとデザインで支援
仕事を依頼される経緯 制作したら学会や研究会で発表する ✓ 依頼側(日本語教師)と共同で発表・論文執筆 ✓ 同分野の専門家とネットワークができる ✓ 毎年続けているとそれだけで目立つ 発表を契機に次の依頼が来る ✓ 研究費の申請書をいっしょに書いて、とかも ✓ 先の経験を活かせるのでスムーズに取り組める
普段していること 肩書きは フリーランスのウェブデザイナー 教育系サイトや教材の設計・開発してます ✓ 元々日本語教育研究者なのでそれ関係が多いです 教師として授業してます ✓ 情報教育・デザイン・プレゼン・マネジメントなど
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仕事を依頼される経緯 実践事例を情報系の学会で発表する ✓ 事業開始から毎年必ず発表中 ✓ あんまりアカデミックでなくても気にしない 観点やアプローチに共感してもらって ✓ 教育観が合うから、という理由での依頼が多い ✓ 教科書があまりない系の授業依頼も多い(得意)
このセッションについて 日本語教育のど真ん中の話を 少し外からの視点でお話します。 発表者自身がこれまでどうしてきたか、 どう見てきたかを例に説明していきます。 スライド等は終了後シェアします ✓ 参加者宛のメールにURLなどを記載の予定
今日 みなさんに 考えてもらいたいこと
あなたの仕事が輝く場所、 輝くやり方は何ですか?
では本題へ
学 × ト ネッ ル イ タ 習ス ば れ あ ? が い IT な ら い は 室 教
学 × ト ネッ ル イ タ 習ス ば れ あ ? が い IT な ら い は 室 教
ITがあれば 教室は不要になる?
人による
ITがあれば 教師も不要になる?
人による!
そんなの 教師は お先真っ暗やんか!
に 人 ! ! ! る よ
人(=学習者)による
学習者いろいろ 学習者にはいろいろなタイプがある ✓ 学習のきっかけ、目的、学びたい内容、要望 ✓ 学習方法に対する知見、好み、性格、学習環境 ✓ ITに対する姿勢、知識、扱いのうまさ 学習者を一括りにして考えるのは 教室運営の効率は良いが、実態と合わない。
人(=教師)による
教師もいろいろ 教師にもいろいろなタイプがある ✓ 教える内容、教える相手、教える環境 ✓ ITに対する姿勢、知識、扱いのうまさ ✓ 職場環境、勤務条件、満足度、今後の展望 教師を一括りにするのも実態に合わないし、 今の時代のふるまいかたを考えるのにも 向かないところがある。
今の時代?
社会 × IT
なぜITを学ぶべきなのか? 自分でプログラムが書けるようになるとか、 授業でITが活用できるようになるとか、は ITを学ぶべき最大の理由ではない。 ✓ それらがどのくらい重要なのかは「人による」 ITが社会や人の生き方を左右する時代に、 ITを知らずして社会や人の生き方を語るの? ✓ だって教育は社会や人と密接に関わるものでしょ
社会と教育に対するITの影響 1. 教室の優位性が小さくなった 2. 言葉を学ぶ意義なんてあるの? 3. 声に出して読まない日本語
1. 教室の優位性が小さくなった
学 × ト ネッ ル イ タ 習ス ば れ あ ? が い IT な ら い は 室 教
これまでの学習 教室に通うか、それとも独学か、の二択 ✓ しっかり学べる選択肢としての教室(学校)と それが難しい場合の独学(本を読む)。 ✓ 独学はハンデが大きいとされてきた 教室は一斉講義形式が基本 ✓ 効率的な教育(教室運営)を考えると 学習者を一括りに扱わざるをえないという事情。
ITが活用できる時代の独学 独学でも本以外の教材が豊富 ✓ 文字・音声・映像・ゲームなどのメディア ✓ YouTuber から教えてもらう 独学は独りじゃない ✓ SNSを利用したコミュニティで質問・相談できる ✓ Skypeなどによるプライベートレッスンも手軽に ✓ MOOCsのようなオンラインコースも
ITが活用できる時代の独学 独学でも本以外の教材が豊富 ✓ 文字・音声・映像・ゲームなどのメディア ✓ YouTuber から教えてもらう 独学は独りじゃない ✓ SNSを利用したコミュニティで質問・相談できる ✓ Skypeなどによるプライベートレッスンも手軽に ✓ MOOCsのようなオンラインコースも
学びの枠組みの変化 独学は「単なる妥協案」ではなくなった ✓ 時間や場所や費用を考えて前向きに選ぶもの ✓ 教室の優位性は小さくなっている 教師視点だけの学びの枠組み(=教室)を 学習者に押し付けても通じなくなる時代。 ✓ 教室で待っていても勝手に人は集まらない ✓ 学習者事情を意識し、選ばれる選択肢でないとダメ
集団から個へのベースのシフト 学習者が教師の都合に合わせるのではなく、 教師が学習者のニーズに合わせる必要性。 ✓ コンテンツ・学習スタイル・教材の媒体など ✓ 日本語を学ぶこと、が目標でない場合も多々ある 教室外学習を考えよう、ではなく 学習過程の中に教室をどう位置づけるか。 ✓ 学習は個別がベース、と考えている学習者を コストを抑えながら支援するツールがITである。
2. 言葉を学ぶ意義なんてあるの?
アプリ版 Google翻訳
翻訳機としてのスマホ スマホに文字情報を渡せば翻訳してくれる ✓ 機械翻訳の精度もどんどん上がってきている 文字情報は、絵でも声でも手書きでも渡せる 文字情報は、声として再生もできる ✓ 合成音声もだんだんと自然に聞こえるように
スマホがあれば外国語も怖くない!
完璧じゃないことは問題か? リアルタイムの会話は難しい? ✓ 音声チャット:Skypeが同時翻訳を提供開始 ✓ 文字チャット:自動翻訳投稿機能の開発例もある 足りない部分は人間が適当に補う ウェアラブル端末でスマホも不要に ✓ イヤホンとマイクとメガネとか ✓ おしゃれなアイテムが生まれたら普及はすぐ
シーマン(1999)
完璧じゃないことは問題か? リアルタイムの会話は難しい? ✓ 音声チャット:Skypeが同時翻訳を提供開始 ✓ 文字チャット:自動翻訳投稿機能の開発例もある 足りない部分は人間が適当に補う ウェアラブル端末でスマホも不要に ✓ イヤホンとマイクとメガネとか ✓ おしゃれなアイテムが生まれたら普及はすぐ
苦労して言葉を学ばなくても 特に困らない時代になるんじゃない?
あなたはどう答えますか? 教師に仕事の都合や言い分はあっても、 世界は学習者が便利な方向に変わっていく。 言語学習は必要ないのでは?という問いに それぞれの教師が回答を持っておくべき。 ✓ その回答が、その教師の仕事のありかたを決める
3. 声に出して読まない日本語
来月のネコ缶食べ放題イベント、 ちょっと行きたさある。 あー、この人の言ってること ほんまわかりみが深い。
それってネットスラングでしょ?
ワロタ ワロス wwww (笑) 草 大草原 大草原不可避
http://do-ra.org/2015/10/16/19151/
ワロタ
スマホ普及率 83% 73% 20代 30代 *2015年 61% 40代 49% 50代 出典:ヤフーマーケティングソリューション http://yahoojp-marketing.tumblr.com/smartphone?year=2015&id=0
高校生のスマホ率 98.5% 出典:デジタルアーツ http://www.daj.jp/company/release/2017/0301̲01/
女子高校生のスマホ利用時間 12時間以上 10.7% 平均6.1時間 出典:デジタルアーツ http://www.daj.jp/company/release/2017/0301̲01/
使用アプリ 96% LINE 84% Twitter *女子高生対象 80% YouTube 51% Instagram 出典:ヤフーマーケティングソリューション http://yahoojp-marketing.tumblr.com/smartphone?year=2015&id=0
文字での会話がメインの時代 声に出して読まない日本語 が日常 ✓ 文字会話は口頭会話よりも頻度が高い? ✓ Twitter → LINE → 声 という流れで新語誕生? ✓ どこまでバーチャルで、どこからがリアル? 日本語の最前線はどこにある? ✓ 生きた日本語はどこ?生教材って何? ✓ むしろ教師が特殊な言語世界で生きていませんか
社会と教育に対するITの影響 1. 教室の優位性が小さくなった 2. 言葉を学ぶ意義なんてあるの? 3. 声に出して読まない日本語
それでさ、 先生はどうするの?
あなたの仕事が輝く場所、 輝くやり方は何ですか?
教室が不要になった、のではない 教室を必要とする学習者「も」いる。 重要なのは「誰もが」ではないということ。 ✓ 教室を必要とする学習者と向きあうのか、 必要としない学習者と向き合うのか。 ✓ 教室の必要数減 = 教師のイス取りゲームは激化
教室で輝くために必要なこと 近い将来も潰れずに残る学校を選ぶ ✓ 学校というビジネスモデルに将来性はある? ✓ その学校が注目しているニーズは今後どうなる? 学校から契約を希望され続ける教師になる ✓ 自身の価値は学習者と学校にマッチしているか? マッチしていると自分で示すことができるのか?
マネジメントスキルの重要性 その事業のビジネスモデルの将来性や、 ビジネス上の自身の価値はどう判断する? ✓ 学校の中の基準と、学校の外の基準を知る ✓ 経営(マネジメント)的な基礎知識も必要 自分が何にこだわるのかを明確にすることが 働く場所や働き方を定義することになる。 ✓ 私は日本語教師です、では定義がざっくりすぎる
こだわりが違えば働き方も違う 場所にこだわらない ✓ Skypeでレッスン ✓ 企業でマネージャー / 研修の出張講師 自身が教えることにこだわらない ✓ マネージメントや教育事業のデザイン 直接教えることにこだわらない ✓ メディア・教材・サービスでビジネスをする
いにしえ 古のいわゆる善く戦う者は、 勝ち易きに勝つ者なり 孫子「形篇」
たいした努力を しなくても勝てる場所で、 努力をしなさい 林 修「いつやるか?今でしょ!」
活躍できる場所を探そう 自分が勝てそうな場所を探すには、 まず冷静に周囲を見渡す必要がある。 ✓ 林先生の場合:数学 → 現代文 好きや得意を生かせるよう自分を定義する いま冷静に周囲を見渡せているか? 見渡すのに必要な知見を持っているか?
日本語教育にこだわらない
専門日本語教育における IT活用の可能性
イベントのお題として、いまさらITを 「活用の可能性」を考えるものとして 捉えていること自体が、もうめっちゃ アレだと思うのですよ。
10年 20年
紙よりITが優れてるっていう 著名な先生の研究結果を 今すぐ挙げてもらえるかね?
パソコンはテキストと違って 水に濡れたらアウトだよねぇ?
授業は紙で全然OK。 問題なくやれてるよ? 君、何が言いたいの?
やらない言い訳を 考えるのはやめよう
教師がITを避けてこられたワケ ITなんて私の仕事には影響のないこと、と どこかで思ってはいませんか? ✓ マネジメントの話も教師の反応が大きく分かれる 無視を貫ける環境が手遅れにつながる ✓ 教室の中では変わらず王様でいられても その教室に学習者が集まらなくなれば・・? ✓ まずは窓を開けて外の世界を知る必要がある
社会はどうなっていくの? 社会の変化の話は特別なことじゃない ✓ ITの専門家以外も普通に知っているようなこと ✓ ゼロから考えず、それ系の話題の本を読めばいい 基本は「学習者にとって良いこと」を考える ✓ 教育は学習者のニーズあっての仕事 ✓ 全体として「人の望む方向」に社会は変わる ✓ その世界で仕事を見つけられるかは自分次第
学びの3つのコツ
1. 仕事を減らす
学びは時間を作るところから 何を学ぶにしても時間は絶対に必要 ✓ あらかじめ意識して時間を作らないと、 時間ができたら…では、ずっと始められない。 ✓ 何かを始めるために何かをやめる覚悟を 心の余裕もセットで必要な場合も ✓ 隙間時間で学ぶには、頭の切り替えと要領が必要 ✓ 余裕がないと「成果の見える」作業に走りがち
仕事を減らすとか無理!? 短期的には収入減、中長期的には? ✓ 心理的に追いつめられない程度に ✓ 学びを新しい仕事に変えられるかは自分次第 既存の仕事を効率化することで時間を捻出 ✓ 担当科目や時間配分をシンプルにして使い回す ✓ 費用対効果の薄い自己満アップデートをやめる
2. 仕事にしてしまう
新しい仕事に時間を使う 仕事であれば強制的に取り組める ✓ 頼まれ仕事が契機、ということは案外多い ✓ 手慣れた仕事は世界を狭めていく危険がある 時に効率度外視の仕事として請ける ✓ 未知の仕事の試行錯誤は、儲けより学び ✓ 近い未来の飯のタネだと思って意識的に選択
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http://presen.no-pu.com
3. 情報ホイホイを作る
情報ホイホイとは 自分から情報を探しに行くのも良いが、 情報が勝手に入ってくる環境を作れれば より楽に効率的に学ぶことができる。 ✓ 言うなれば情報ホイホイ(てきとう) 情報は媒体より人のフィルターが面白い ✓ 現状ではSNSを活用するのが有効
リア友 → Facebook の流れ イベントに参加して知り合いを増やす ✓ 参加だけでなく発表すると自己紹介代わりになる ✓ 懇親会が本番、というのも一理ある ✓ 1回だけでなく継続して参加していると印象深い Facebookでお友達になっておく ✓ 頻繁に情報を流してくれる人がたまにいる ✓ 時々ウォールをチェックするだけで情報収集
Twitterは手当たり次第でもいい Twitterで業界関係者をフォローしてみる ✓ Facebookと違い勝手にフォロー/アンフォローOK ✓ キーワードやハッシュタグで検索して 気になるアカウントは積極的にフォロー ✓ 気に入ったアカウントのフォロー先やリストも 何でもアリの雑多なTLもおすすめ ✓ 業界外の面白い人を見境なくフォローしていくと 世界にはいろんな人たちがいるものだと思える。
情報が出入りする環境を作る 情報が滝のように流れている状態が大切 ✓ どうせ全部の情報は追えないから気を楽にして、 流れを眺める回数を増やしていく。 自分も情報を載せていくといい ✓ 自分が見たものを一言感想付きで流すので良い ✓ RTやFavでも自分の存在が相手に伝わる ✓ 疑問や質問は臆せず投げれば教えてくれる
まとめ
今日のおさらい 日本語教師の既存イメージを脇に置いて、 社会の変化と学習者の姿に目を向けよう。 ITとマネジメントの基礎理解がないと 輝ける場所を見つけるのもままならない。 風通しのいい環境に変えるために 人のネットワークを活用するのも有効。
www.pakutaso.com 今回使った写真のほとんどは 「フリー写真素材ぱくたそ」さんのご提供です