自社のAzureコスト管理システムを作った話からコスト話でMS MVPになるまでのコスト最適化ストーリー~FinOpsを絡めて~

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October 04, 25

スライド概要

Japan Azure User Group 15周年イベント / 第7回 Azure Travelers 勉強会 東京の旅
2025/10/04(土)13:00 〜 19:00

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Microsoft MVP for Microsoft Azure/ Azure, .NETのWebアプリケーションエンジニア / 技術情報発信・勉強会実況アカ /

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1.

自社のAzureコスト管理システムを作った話から コスト話でMS MVPになるまでのコスト最適化ストーリー ~FinOpsを絡めて~ 2025/10/4(土) 「Japan Azure User Group 15周年イベント」 御成門プログラマー(Tomotaka Suzuki)

2.

自己紹介 名前:御成門プログラマー(Tomotaka Suzuki) 受賞: Microsoft MVP(Microsoft Azure) 2023年6月~ 技術: Microsoft Azure(コスト周り多め), .NET, Angular X(Twitter) : @onarimonprogram 技術ブログ : onarimon.jp グルメブログ: food.onarimon.jp

3.

Azure Travelers 勉強会 参加したときのお話

4.

第6回 Azure Travelers 勉強会 愛媛の旅 参加の記録 会社のリフレッシュ休暇期間を利用して参加 ずっと行きたいと思っていたが、 タイミング良く開催されていたので初参加

5.

第6回 Azure Travelers 勉強会 愛媛の旅 参加の記録 開催前夜から当日朝まで

6.

第6回 Azure Travelers 勉強会 愛媛の旅 参加の記録 勉強会はLT参加

7.

第6回 Azure Travelers 勉強会 愛媛の旅 参加の記録 当日夜の懇親会 ご当地のグルメが楽しめる居酒屋で現 地の人を交え懇親会 勉強会に初参加という方も多く、勉強会 参加のきっかけになってもらえそう!!

8.

第6回 Azure Travelers 勉強会 愛媛の旅 参加の記録 次の日以降も滞在し続ける

9.

第7回 Azure Travelers 勉強会 東京の旅の前夜祭(屋台船で LT 大会) 昨日 Azure Travelers LT大会 → “アジ”ュール “LT”大会 → 「LT アジ」(LT ショート アジ)

10.

ショートLTアジ船だった 東京 品川 釣り船 ひらい丸

11.

第7回 Azure Travelers 勉強会 東京の旅の前夜祭(屋台船で LT 大会) 昨日

12.

第7回 Azure Travelers 勉強会 東京の旅の前夜祭(屋台船で LT 大会) 昨日

13.

Azure Travelers 勉強会の素晴らしい点 全国各地のAzure 仲間に出会える →地元で勉強会が開催されておらず初参加の人のきっかけに →普段Azureを触っていないけど、勉強会自体が珍しいから参加したという方も Azure について勉強できる合宿感 →旅をしながら学べる感覚が面白い →宿泊なので懇親会も○○次会まで参加可能 ついでに旅行も満喫 →前泊、後泊で全国各地の名所・グルメを満喫

14.

ここから本題

15.

目次 Azure Travelers 勉強会 参加したときのお話 FinOps とは(今回のネタを話したいと思ったきっかけ) 社内で使用する Azure コスト管理システムを作った話 AzureとFinOpsについて

16.

FinOpsとは

17.

今回のタイトルを話そうとしたきっかけ FinOps X Day Tokyo に参加して他の方のコスト話を聞いて話したい欲爆発!!

18.

FinOpsとは何か? FinOpsはクラウドコスト管理と最適化の手法 財務(Finance)と運用(Operations)を融合させた名前 チームや部門間の協力で効率的なコスト管理を実現 リアルタイムのコスト可視化と分析が重要 ビジネス価値を最大化しつつコスト削減を目指します ※MS Copilotによる自動生成

19.

FinOps Framework https://www.finops.org/wp-content/uploads/2025/08/Japanese-FinOps-Framework-2025-v02.pdf https://www.finops.org/wp-content/uploads/2025/08/Japanese-FinOps-Framework-2025-v02.pdf

20.

Azure(クラウド)とFinOpsは切り離せない存在に FinOps ソリューション – クラウド コストの最適化 l Microsoft Azure クラウドコストを最適化する「FinOps」、円安で体制整備が急務に | 日経クロステック(xTECH) 名古屋市、FinOps推進でガバメントクラウド環境に伴うAWSコスト削減に成功 | 株式会社メタップスホールディングスのプレスリリース

21.

0からのAzure

22.

ある日突然 Azure 使いたいからMSのセミナーへGoと上司から指示 セミナーでもらった資料とネットの情報を基にAzure VM を建てる コスト管理機能なども知らない状態 →使用したAzureのコストを毎月報告する業務が発生 →今は廃止となったAzure EA Portal のスクショを毎月報告し始める

23.

Azure EA Portal Azure EA契約専門のコスト確認画面 2024 年 2 月 15 日 に廃止。Azure Portal の「コストの管理と請求」に機能は移行されました。 EA契約者が使用する画面「Azure EA Portal」の機能、画面を紹介します - 御成門プログラマーの技術日記

24.

Azure利用増による手動集計の限界と自動化

25.

Azure利用増による手動集計の限界 前段のAzureを使った開発も認められ、自部署以外もAzureの利用が開始 →現状の手動報告では限界を迎える (部署ごとにサブスクリプションを分けたりする考えもなく1つのサブスクリプションを共有で 使っていたり手探りな部分も多かった) Azureの利用者からコスト管理者になっていた (そもそも他部署のコスト報告も自分がやるのか?)

26.

ではシステム作るか

27.

自作Azureコスト管理システムの要件 毎月のAzureのコストを報告できるダッシュボード 部門ごとの月のAzure費用が知りたい リソースグループごとに費用負担部門を設定したい 部門でリソースを共有で使用する場合があるのでコストを配分したい 「部署」や「アカウント」は設定していない サブスクリプションは複数あるが部門ごとに分かれているわけではない

28.

Azureコスト管理システム

29.

Azureコスト管理システム 構成図 Functions Azure Enterprise Reporting API データ同期タイマートリガー起動 &APIコール コストデータの取得 App Service App Service Azure Rest API API フロントエンド Logic Apps 各APIからの情報収集と 加工・保存 SQL Database ・・・ タグ未設定検知 管理者へのアラート コストデータ・ リソースグループデータの保管 リソースグループ情報の取得 (タグデータなど)

30.

リソースグループのタグ運用 リソースグループのタグの名前を「部門集計タグ〇〇」にしたタグの値にコスト負担部 門名と負担割合を記述する運用 例1:A部門にリソースグループの費用を100%計上 例2:A部門とB部門でリソースグループの費用を1:2の割合で計上

31.

App Service からリソースグループ情報の取得 Azure App Service の Managed Id に対してコスト情報を取得したいリソースグループ が含まれるサブスクリプションに閲覧者権限を付与 Subscriptions - List - REST API (Azure Resource Management) | Microsoft Learn Resource Groups - List - REST API (Azure Resource Management) | Microsoft Learn

32.

Microsoft Cost Management API 概要 主要API群 Azureの候と使用料データを分析・管理する REST API サービス。多次元分析により詳細 なコスト洞察を提供。 Cost Details APIs →使用量データの取得 Pricing APIs → Azure料金情報の取得 Budgets & Alerts APIs → 予算の作成・監 視・アラート作成 主要機能 リアルタイムコスト監視 Query APIs → 多次元コストクエリ Invoice APIs → 請求書管理・ダウンロード 予測管理・アラート レポート生成 企業のFinOps戦略を支援し、クラウドコストの透明性と制御を実現 などなど

33.
[beta]
Microsoft Cost Management APIの罠
{

レート制限
→使用状況データの取得に時間がか
かるため、ポーリングURLが返却され
てそこにデータが揃うのを待つ方式
だったのだが、待ち時間数秒で再試行
を繰り返していた。
対策
“retry-after”ヘッダーに書かれた秒数
後に再試行するのが吉
ステージング環境でもデータ

StatusCode: 429,
ReasonPhrase: 'Too Many Requests',
Version: 1.1,
Content: System.Net.Http.HttpConnectionResponseContent,
Headers: {
Cache-Control: no-cache
Pragma: no-cache
Retry-After: 1660
session-id: 96980cc4-57e7-4f96-8810-c30ed7e901ed
x-ms-request-id: 4d69ba1c-89c6-424f-9445-85ae850e5985
x-ms-ratelimit-microsoft.costmanagement-scope-request-remaining-per-day: 0
x-ms-ratelimit-microsoft.costmanagement-scope-request-remaining-per-hour: 16
x-ms-ratelimit-microsoft.costmanagement-billingaccount-request-remaining-per-min: 4
x-ms-ratelimit-microsoft.costmanagement-clientAppId-requests-remaining-per-min: 59
x-ms-ratelimit-microsoft.costmanagement-scope-request-remaining-per-min: 1
OData-Version: 4.0
X-Powered-By: ASP.NET
x-ms-operation-identifier:
x-ms-ratelimit-remaining-tenant-reads: 249
x-ms-correlation-request-id: 1a713032-811a-4c8a-864a-a7f62f170885
x-ms-routing-request-id: JAPANEAST:20250804T013227Z:1a713032-811a-4c8a-864a-a7f62f170885
Strict-Transport-Security: max-age=31536000; includeSubDomains
X-Content-Type-Options: nosniff
X-Cache: CONFIG_NOCACHE
X-MSEdge-Ref: Ref A: 713347BCC55D4408B51180F640D86506 Ref B: TYO01EDGE3510 Ref C: 2025-0804T01:32:26Z
Date: Mon, 04 Aug 2025 01:32:26 GMT
Content-Length: 104
Content-Type: application/json; odata.metadata=none
Expires: -1
},
Trailing Headers: {
}
}

34.

ということでAzureコスト管理システム完成 各部門のコストが見れるようになったぞ!!

35.

見える化したことによる効果(弊害) 「コスト高いんだけど」、「思ったよりかかっているだけど」問い合わせ増加

36.

コストを可視化したことによるメリット 各部門の担当や上長がコスト意識を持つようになった →コスト最適化への戦いの始まり

37.

経験・やらかしから生まれたコストの知見がたくさん コスト最適化 Azure Cost Management 機能 Azure Advisor 予算の作成 Savings Plan(節約プラン) コスト分析・アラート Resavations(予約) コスト割り当て機能 Spot VM ハイブリッド特典 やらかし体験談 無料リソースの活用 コスト削減による弊害 Azure Well-Architected Framework 意図しない課金 正しいAzureリソースの使い方・アーキテク チャ 勉強用クレジット停止

38.

気づいたらコスト話をコミュニティ話していた 御成門プログラマー (Tomotaka Suzuki)さんの プロフィール | ドクセル

39.

Q. なぜコストについて話すのか?

40.

A. 面白いから

41.

なぜコスト話は面白いのか クラウドを使う人誰もが一度は経験する話が多い →技術領域を超えた共感 コストと失敗談の親和性が高い →他人の失敗談は面白いし印象に残る 「コスト最適化 = 会社の業績に結び付く」効果の高さ →誰もが気になる内容 Azure コスト最適化界隈をもっと盛り上げたいので、 みなさんもどんどん発表しましょう!!

42.

ということでAzureコスト「専任」 Microsoft MVPへ 「なりたくてなる」ではなく、 「面白いからやってたらなった」 Tomotaka Suzuki | Most Valuable Professionals

43.

自分語りの話は置いておいて

44.

Azureコスト管理システムを作ったことと FinOps

45.

FinOps Framework https://www.finops.org/wp-content/uploads/2025/08/Japanese-FinOps-Framework-2025-v02.pdf https://www.finops.org/wp-content/uploads/2025/08/Japanese-FinOps-Framework-2025-v02.pdf

46.

FinOps Framework 意図せずともFinOpsへの道を進み始めていた →運用しているわけではない https://www.finops.org/wp-content/uploads/2025/08/Japanese-FinOps-Framework-2025-v02.pdf https://www.finops.org/wp-content/uploads/2025/08/Japanese-FinOps-Framework-2025-v02.pdf

47.

FinOps を運用したい まずは自身の環境とFinOpsにおける原則・ドメイン(成果)・ケイパビリティ(方法)を比較 してみる →「できていること」、「できていないこと」、「手を付けるべきところ」を分析 分析した内容を元にFinOpsの3つのフェーズを反復的に繰り返す Inform(可視性と割り当て) → Optimize(料金と使用量の最適化) → Operate(継続的 改善) これを組織横断的に実施し、 コスト削減ではなく、ビジネス価値の向上を目指す 実現するの難しいよね..(自分もできていない) FinOps フェーズ

48.

皆さんと一緒に学んでいけたらいいな FinOps

49.

FinOps Foundation Japan Chapter というコミュニティ 定期的にミートアップを開催 →セッション、ディスカッション、ネットワーキングなどなど FinOps Foundation Japan Chapter - connpass

50.

Azure と FinOps

51.

Azure だってFinOpsに取り組んでいる ユーザーがFinOpsプラクティスに沿ってコスト最適化できるようになってきている FinOps ソリューション – クラウド コストの最適化 l Microsoft Azure

52.

FinOps ツールキット AzureをはじめとするMicrosoft Cloud でFinOps導入に役に立 つ学習リソースとツール EAの環境でしか使えない機能 があったりして私は触れていな い(触れる人いたら、是非登壇し て紹介してほしい) FinOps ツールキットの概要 - Cloud Computing | Microsoft Learn

53.

Microsoft アセスメント 「FinOps Review(プレビュー)」 自身の組織が FinOpsのベストプラ クティスに即している かをレビュー

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ご清聴ありがとうございました