リモートワークのつらさを共感して楽しいに変える

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July 06, 22

スライド概要

Serverless LT初心者向け #23 のイベントでの発表資料です。詳細は以下。
https://serverlesslt.connpass.com/event/250839/

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30代後半から発信活動を始めて人生が楽しくなりました。 主にC#/設計技法/マネジメント/チームビルディングの情報を発信します。 デブサミ2020関西ベストスピーカー賞1位。 Microsoft Build 2022 スピーカー。 ITエンジニア向けの月刊誌「Software Design」2022年4月号より連載記事を執筆中。 デンソークリエイト所属。発言は個人の見解。

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各ページのテキスト
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リモートワークのつらさを 共感して楽しいに変える 2022/7/6 Serverless LT初心者向け #23 小島 優介 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. /65

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自己紹介 名前:小島 優介 Twitter:@kojimadev 社内業務: 2005年から15年以上ツール開発業務を担当 現在は、開発チームのエンジニアリングマネージャーで 毎日メンバーと一緒にプログラミング 社外活動: Developers Summit 2020 KANSAI ベストスピーカー賞1位 Microsoft Build 2022 で発表 ITエンジニア向け月刊誌「Software Design」で連載執筆中 Qiitaで合算1万いいねの記事投稿 2 /65 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved.

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はじめに 開発チームのエンジニアリングマネージャーとして、 今までチームの皆と一緒に楽しいチーム開発をするための 様々な施策を試行 それらの施策は、チームの皆が主体的に提案したものであり、 これが楽しく開発する原動力 皆で提案する活動の事を「ハピネスチームビルディング」と名付けて 私のチームでは大切にしている 活動を通して得られた楽しいチーム開発をするための知見を紹介 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 3 /65

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仕事で楽しい体験を繰り返す 仕事で「楽しい・嬉しい」と感じるのは、どんな時か →「主体的な行動で成果が出る」のは多くの人が嬉しく感じる (例)自分が提案して導入したツールやライブラリに対して 他の人から「便利になった」と言われると嬉しい だから「主体的な行動で成果が出る」を繰り返す事を重視 しかし、「主体的に行動しましょう」と言うだけではできない 自然にできるようになるまで、それを促す取り組みが必要 今回は一例として「コーチングのように質問することで 改善の施策を提案してもらう」という方法を紹介 以降では、リモートワークの改善の事例を説明 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 4 /65

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各自が感じる問題点を聞いてみる 私のチームは、コロナ以前はオフラインで同じフロアで チーム全員が集まり、メンバー同士で相談しながら開発していた しかし、コロナの影響で、突如リモートワークに変更 そのリモートワーク2日目の朝、 各自がリモートワーク初日に感じた問題点を話してもらい 「孤独感を感じる」「意外と疲れる」などの問題点が挙がった このときの話し合いで気をつけたのは、マネージャーの私が問題を 見つけて解決するのではなく、チームメンバーに自分で問題点を 見つけてもらうということ そして自分たちで見つけた問題点に対して、 自ら改善する施策を提案してもらいたいと考えていた Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 5 /65

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質問の受け答えから提案が生まれる① リモートワークに対して、メンバーが挙げた「孤独感を感じる」 という問題に対して、コーチングのように質問 以下は、私とメンバー(「メ」と表記)との会話の一例 私「なんで孤独感を感じたんです?」 メ「チャットのコミュニケーション中心だからかもです」 私「なるほど!じゃあ、どうなれば解消されそうですかね?」 メ「出社してた時の状態に近くなれば解消されるかもです」 私「なるほど!じゃあ、出社してた時と一番違うのは何です?」 メ「気軽に声をかけづらい事です」 私「それだ!気軽に声をかけやすくするために何をします?」 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 6 /65

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質問の受け答えから提案が生まれる② この後、メンバーから様々な提案が出た ここで気をつけたのは、「気軽に声をかけやすくする事」が 孤独感の解消になると予測して良い提案を思いついたとしても それを言うのを我慢して、まずメンバーに言ってもらう事 そうすることで「自分が考えて提案した施策」と感じてもらいやすい 他人から提案された施策は素直に受け入れにくい 逆に、自分が提案した施策は成果が出て欲しくて真剣に取り組む チームの改善という点でも、なるべくメンバー自身に 提案してもらった方が良い Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 7 /65

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成果が出て嬉しいと感じてもらう 「主体的な行動で成果が出る」を実現しても 「成果が出た」と本人が感じてなければ意味がない 提案してもらった施策が少しでも効果があれば 「○○くんの提案のおかげで声をかけやすくなった」を伝える 効果の大きい施策も小さい施策もあったが 提案した本人が一番効果を実感して 「自分の施策で自分は声をかけやすくなりました」と 嬉しそうに話してくれた事が印象的 こうして「主体的な行動で成果が出る」をメンバーに体験してもらった Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 8 /65

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リモートワーク改善で効果的だった施策 チームの皆から挙がったリモートワーク改善の施策で 特に効果的だった以下の3つを紹介 1. 毎日1回以上ビデオ通話に誰かを誘うルール 2. スピーカーフォンの導入 3. 各自が待機するルームを作る Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 9 /65

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毎日1回以上ビデオ通話に誰かを誘うルール これはリモートワーク2日目から適用したルール 初期のビデオ通話に慣れていない時期に効果的 このルールによって、ビデオ通話に誘う敷居が大きく下がった 同じフロアで「今ちょっと良いですか?」と話す感覚にかなり近づいた Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 10 /65

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スピーカーフォンの導入 ビデオ通話を気軽に行うようになると、 ビデオ通話のたびにヘッドホンを付け外しするのが面倒 長時間のヘッドホンは疲れる、長時間のイヤホンは外耳炎のリスク そこで、スピーカーフォンで、ヘッドホンやイヤホンの付け外しをせずに 「シームレスにビデオ通話開始」ができるようになった Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 11 /65

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各自が待機するルームを作る① チャットでの「今から通話いいですか」というやり取りを省略し、 いきなり相手に話しかける方法 これを行うためには、チームメンバー全員が、いきなり話しかけられても 大丈夫な関係性になっている必要がある 条件を満たしていれば、よりスピーディーにビデオ通話開始できる Zoom の場合 Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. Discord の場合 12 /65

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各自が待機するルームを作る② 通常時は、各ルームにチームメンバー1人ずつが待機 話しかける時は、その人のルームに入って、いきなり話しかける Zoomのブレイクアウトルームはミーティング終了後に停止するため、 私のチームでは朝会の時にブレイクアウトルームを作成 これにより、相談があればワンアクションで即座にビデオ通話 他にも、ペアプログラミングやモブプログラミングを頻繁に行うため 1日に何回もビデオ通話を行う事になり、 「孤独感を感じる」という問題は無くなくなった Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 13 /65

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まとめ 仕事で楽しい体験を繰り返すためには 「主体的な行動で成果が出る」ことが大切 その例として リモートワーク改善の事例を紹介 今回の事例は、チームの皆で問題点を見つけて 質問の受け答えの中から提案が生まれる事が 仕事での楽しい体験に繋がった これはリモートワーク以外の題材でも活用できる考え方なので 楽しいチーム開発をするための参考に もしリモートワークに対して何らかの課題がある場合 事例のようにチームの皆で改善施策を考えてみると そのチームに合った施策が生まれるかも Developers Summit 2020 KANSAI / 2020-8-27 / Yusuke Kojima © DENSO CORPORATION All Rights Reserved. 14 /65