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MySQL HeatWave for Azure 性能検証レポート 日時：2023年6月13日 担当： 株式会社スマートスタイル データベース＆クラウド事業部 技術部 坂野 竹美 Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved.

自己紹介 坂野 竹美 所属：株式会社スマートスタイル データベース&クラウド事業部 技術部 バックグラウンド： ・元大手ゲームプラットフォームサービスのDBA 技術領域： ・いちおうMySQL DBA ・必要があればネットワークやOSからプログラミングなど何でも Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 2

免責事項 • 本資料は、資料作成時点(2023年6月上旬)の公開情報や各種環境の提 供内容に基づき作成しています。記載されている料金は算出時点での情報と なり、実際の料金と異なる可能性があることをご了承ください。 • 本検証レポートは、HeatWavejp コミュニティイベント用として、 HeatWavejp 事務局の理解に基づき作成しております。 オラクル社を含め、関係各社の公式情報ではございません。 Oracle®、Java及びMySQLは、Oracle、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。 文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。 Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 3

1 検証構成と検証内容 4 Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved.

検証構成（4パターン） ① Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) ② OCI VM -> OCI MySQL(PaaS) Tokyo Region 東日本リージョン Vnet VCN Virtual Machine Azure Database for MySQL ③ インターコネクト接続 [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] 東日本リージョン VCN ExpressRoute MySQL Database Service ④ ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] Tokyo Region Vnet Virtual Machine Virtual Machine 東日本リージョン Tokyo Region Vnet VCN FastConnect MySQL Database Service Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. ODSA Multicloud Network Service 5

検証内容 （1）ネットワークレイテンシ （3）TPC-C (ODSA） ① Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) ① Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) ③ インターコネクト接続 [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] ④ ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] ④ ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] オンライン処理(OLTP)利用 （4）TPC-H (ODSA) （2）TPC-C（インターコネクト接続） ① Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) ② OCI VM -> OCI MySQL(PaaS) ④ ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] ② OCI VM -> OCI MySQL(PaaS) 分析処理(OLAP)利用 ③ インターコネクト接続 [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] オンライン処理(OLTP)利用 Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 6

2 ネットワークレイテンシ Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 7

（1）ネットワークレイテンシ 検証目的と内容 ① Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) ③ インターコネクト接続 [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] ④ ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] ■目的 ・Azure内のみのネットワークレイテンシと比べて、 インターコネクト接続、ODSAの場合のMySQL応答に対する ネットワークレイテンシの影響を確認する ■検証内容 ・左記3パターンごとにAzure VMからMySQLに接続し、 Perlのスクリプトで “SELECT 1”を実行して計測（平均値） ODSA Multicloud Network Service Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 8

（1）ネットワークレイテンシ 検証結果 ← 約 4 ミリ秒 ← 約 3 ミリ秒 ← 0.3 ミリ秒 （ミリ秒） Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) インターコネクト接続 ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved.

3 TPC-C (インターコネクト接続) Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 10

インターコネクト接続のメリット/デメリット ◼ メリット – 自由度の高さ Vnet VCN • Azure/OCIのサービスの組み合わせ方を 自由に選べる – クラウド内がシンプルな構成で見通しが良い ◼ デメリット – ネットワークレイテンシの影響 – クラウド間の接続にかかる接続費 – 別々の独立したクラウドを管理する必要がある Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 11

（2）TPC-C（インターコネクト接続）検証内容と目的 オンライン処理(OLTP)利用 ① Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) ■目的 ・ネットワークレイテンシの影響が懸念される インターコネクト接続での OCI MySQL 利用の有効性を確認 ② OCI VM -> OCI MySQL(PaaS) ■検証内容 ・左記の3構成でTPC-C性能比較を実施 ③ インターコネクト接続 [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] ≪TPC-Cのスコア比(2種類)≫ 1．Warehouse: 10 (約 800MBのデータ量) キャッシュヒット率が高く、CPUやメモリ等の性能がボトルネックになるパターン 2．Warehouse: 1000 (約 80GBのデータ量) キャッシュヒット率が低く、ストレージのI/O性能がボトルネックになるパターン Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 12

利用したインスタンスの比較(Azure/OCI) Azure Standard D2ds v4 オンライン処理(OLTP)利用 OCI MySQL.VM.Standard.E4.1.8GB vCPU 2 2 (1OCPU) Memory 8GB 8GB Storage 256GB 256GB IOPS 1068 19200 Network 12.5Gbps 16Gbps 価格 ¥29,435- ¥7,224- 同等スペックの MySQL(PaaS) を選択した場合、OCIが圧倒的に安価 [約1/4] Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 13

＋接続費用 (ExpressRoute / FastConnect) ExpressRoute (東日本: 1Gbps 無制限プラン) • Local: ¥224,792-/月 • Standard: ¥1,222,306-/月 • Premium: ¥1,426,024-/月 ExpressRoute (東日本: 1Gbps 従量制) • Local: 無し • Standard: ¥61,255-/月 • Premium: ¥264,973-/月 +Outbound: ¥7.025-/GB FastConnect (東京) • 1Gbps: ¥21,420-/月 • 10Gbps: ¥128,520-/月 • 100Gbps: ¥1,083,600-/月 インターコネクト接続の場合、ExpressRoute / FastConnect の利用料がかかってしまうのがネック Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 14

TPC-C Warehouse:10 TpmCスコア比較 オンライン処理(OLTP)利用 TpmC スコア ネットワークレイテンシの影響が大きく ½程度の処理性能になってしまう ｃ OCI VM -> OCI MySQL(PaaS) CPUネックでネットワークレイテンシの影響が少 なくなり、処理性能も近しい値になってくる Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) インターコネクト接続 [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] コネクション数 Warehouse:10(約800MBのデータ量)の場合、ネットワークレイテンシによる性能低下の 影響が大きく、インターコネクト接続での OCI MySQL(PaaS) 利用の有効性は低い 15 Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved.

TPC-C Warehouse:1000 TpmCスコア比較 オンライン処理(OLTP)利用 TpmC スコア OCIのストレージI/O性能が高く、 ネットワークレイテンシの影響を受けても、 ほぼすべての計測でAzureより良いスコアが出ている インターコネクト接続 [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] OCI VM -> OCI MySQL(PaaS) Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) コネクション数 Warehouse:1000(約80GBのデータ量)の、OCIのストレージI/O性能の恩恵を受け、 16 インターコネクト接続 OCI MySQL(PaaS) の方が MySQL(PaaS)より性能向上が見込める Copyright © 2023. SmartStyle Azure Co.,Ltd . All Rights Reserved.

4 TPC-C (ODSA) Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 17

ODSAのメリット/デメリット ◼ メリット – 安価（ExpressRoute / FastConnectの利用料が不要） – ODSAのセットアップが簡単 Vnet VCN – Azureとのアカウント連携もできる ◼ デメリット ODSA Multicloud Network Service – ネットワークレイテンシの影響 – インスタンスのサイズの選択が2択しかない 16 OCPU/512GBメモリ or 128 OCUP/2048GBメモリ(ベアメタル) – ODSAのサービス提供機能の制約(2023/6現在) HA構成が無い リードレプリカが無い Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 18

（3）TPC-C (ODSA）検証内容と目的 ① Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) オンライン処理(OLTP)利用 ■前提事項 ・ODSAの場合、OCI MySQL(PaaS) 16 OCPUのインスタンスを 安価に使用できることがメリットである。 ■目的 ・Azure MySQL(PaaS)の小規模~中規模インスタンス利用に 対して、ODSAでの OCI MySQL(PaaS) 利用の有効性を確認 Azure MySQL(PaaS)は、 vCPU 2,4,8,16の4種類で検証 ④ ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] ■検証内容 ・左記の2構成（インスタンス：5種類）TPC-C性能比較を実施 ≪TPC-Cのスコア比≫ Warehouse: 800 (約 64GBのデータ量) ODSA Multicloud Network Service Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 19

利用したインスタンスの比較(Azure/OCI) Azure Standard オンライン処理(OLTP)利用 OCI MySQL.HeatWave. VM.Standard D2ds v4 D4ds v4 D8ds v4 D16ds v4 vCPU 2 4 8 16 32 (16 OCPU) Memory 8GB 16GB 32GB 64GB 512GB Storage 256GB 256GB 256GB 256GB 256GB IOPS 1068 1068 1068 1068 19200 Network 12.5Gbps 12.5Gbps 12.5Gbps 12.5Gbps 16Gbps 価格 ¥29,435- ¥54,160- ¥109,165- ¥213,368- ¥38,264- 約3/4倍 約1.4倍 約2.9倍 約5.6倍 - OCI MySQL(PaaS) 価格差 Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 20

TPC-C Warehouse:800 TpmC オンライン処理(OLTP)利用 256コネクションの場合、 ODSAの方が 7倍以上の処理性能 TpmC スコア ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] Azure MySQL(PaaS)では、 CPUスペックを上げても性能向上が見られず、 16コネクションで頭打ちの状況 Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) 【16vCPU】 Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) 【8vCPU】 Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) 【4vCPU】 Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) 【2vCPU】 コネクション数 16コネクションまでは、同じ価格帯の Azure MySQL(PaaS)【2/4 vCPU】と同程度の性能、 Azure MySQL(PaaS)【 8/16 vCPU】よりは性能が劣る。 21 Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 64コネクション以上の場合に、OCI MySQL(PaaS)]の高性能が発揮できる。

TPC-C Warehouse:800 TpmC/conn オンライン処理(OLTP)利用 ■1コネクションあたりの TpmCスコア TpmC スコア Azure MySQL(PaaS) 【8/16vCPU】では、 16コネクションが最大としてDBサーバのボトルネックにより性能劣化が発生 Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) 【16vCPU】 Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) 【8vCPU】 ｃ ｃ ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) 【4vCPU】 Azure VM -> Azure MySQL(PaaS) 【2vCPU】 Azure MySQL(PaaS) 【2/4vCPU】では、 4コネクションが最大としてDBサーバのボトルネックにより性能劣化が発生 コネクション数 OCI MySQL(PaaS)] の場合、安価に高性能マシンが使用できるため、 22 DBサーバのボトルネックが発生せず、コネクションあたりの性能劣化が生じずらい Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved.

5 TPC-H スコア Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 23

≪参考≫オラクル社資料より引用 分析処理(OLAP)利用 Azure Synapse と比較して、MySQL HeatWave の 分析処理性能もコストメリットも高い ↓ ODSAでネットワークレイテンシの影響がある場合、 MySQL HeatWave の性能劣化があるのでは？ Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 24

（4）TPC-H (ODSA) ② OCI VM -> OCI MySQL(PaaS) 検証内容 分析処理(OLAP)利用 ■目的 ・OCI内での MySQL HeatWave の性能に対して ODSAでネットワークレイテンシの影響がある場合の性能劣化を確認 HeatWave×2 ④ ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] ■検証内容 ・MySQL HeatWave に約1TB分のTPC-Hデータを投入 （HeatWave:2ノード) ・OCI VM と Azure VM からTPC-HのSQL（22パターン）を 実行した場合の実行時間の差を比較 HeatWave×2 ODSA Multicloud Network Service Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 25

TPC-H (OCI/ODSA) ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] 分析処理(OLAP)利用 OCI VM -> OCI MySQL(PaaS) いずれのSQLにおいてもネットワークレイテンシの影響での処理性能劣化はほとんど見られず、 分析処理(OLAP)利用において、ODSAでも MySQL HeatWaveの速さがそのまま Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 26

6 まとめ Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 27

今回のまとめ（1） オンライン処理(OLTP)利用 ■インターコネクト接続 [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] • データ量やコネクション数など高負荷でのMySQL利用の場合、 OCIのストレージのI/O性能が高く、ネットワークレイテンシの影響以上に OCI MySQL(PaaS)の有効性が高い。 • OCI MySQL(PaaS) 自体は安価で高性能であり、 自由度の高さ（好きなサービス/インスタンスが選び放題）はメリットであるが、 クラウド間接続の利用料がネックとなるため、 「MySQLのみの利用」ではメリットが半減。 Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 28

今回のまとめ（2） オンライン処理(OLTP)利用 ■ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] • OCI MySQL(PaaS) の高スペックインスタンスが安価で利用できるため、 利用メリットが高い。（小規模MySQL利用を除き、費用対効果は圧倒的） • Azure MySQL(PaaS)利用者で次に該当場合、 ODSA[OCI MySQL(PaaS)]の検討の価値あり。 ・各インスタンスのメモリー容量以上のデータ量を使用している ・同時アクセス（コネクション）が多いMySQL使用をしている ・Azure MySQL(PaaS)【8vCPU以上】の利用でコスト課題がある • 「データ量が数百MB程度」、「ミリ秒単位でレスポンス要求が高い」など MySQLの利用次第/アプリケーションの要件次第では不一致。 • HA構成、リードレプリカ機能が提供されていないのが現状の課題。 Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 29

今回のまとめ（3） 分析処理(OLAP)利用 ■ODSA [Azure VM -> OCI MySQL(PaaS)] • ネットワークレイテンシの影響もほとんどなく、 MySQL HeatWaveの高速、高性能、高コストパフォーマンスが 享受できるのでメリットしかない。 Copyright © 2023. SmartStyle Co.,Ltd . All Rights Reserved. 30

ご清聴ありがとうございました。