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September 29, 24
スライド概要
概要
日経IDチームで実施した目標設定ワークショップについて共有します。MPSVフレームワークを活用し、個人の「意義」「強み」「喜び」を軸に、チームやビジネスにとっての「価値」を統合した目標設定プロセスを紹介します。このワークショップの結果、チームメンバー全員の貢献度を最大化し、個々の成長とチーム全体のパフォーマンス向上が実現しました。目標設定の新しいアプローチを模索する方や、チームの力を引き出し、より高い成果を目指す方にとって、インスピレーションとなる内容と思います。
https://confengine.com/conferences/xp2024/proposal/20413/mpsv
好きなときに好きなことに対してコミットしています。月に40、50冊の本を分野に関係なく読んでいます。ソフトウェアエンジニアしてますが、たぶん知の探索が専門領域です。 https://www.linkedin.com/in/satoshi-okami/
MPSVフレームワークによる目標設定ワークショップで 目標の解像度が向上した話 Nikkei - Satoshi Okami
人事考課の目標設定プロセスの変更点 去年 目標設定 上司と目標のすり合わせ 目標設定 上司と目標のすり合わせ 今年 目標設定ワークショップによる チームと目標のすり合わせ 2
目次 ● MPSVフレームワークとは ● 目標設定ワークショップとは ● 目標設定ワークショップの進め方 ● 目標がどのように進化したか ● 開発エピソード紹介 ● まとめ 3
MPSVフレームワークとは
MPSVフレームワークは、MPSの発展版 5
MPSフレームワークは、天職を見つけるメソッド 自分の仕事を天職だと認識している人たちにとっては、仕事自体が 意義とは 長所とは 現在あるいは将来の自分の 自分の強みや得意なスキル 利益のこと のこと 楽しいことです。彼らにとっても、報酬や昇進は、もちろん大切なも のですが、彼らが働くのは、まず第一に、それが彼らの「行いたいこ と」だからです。彼らは自分の情熱に従って意欲的に仕事を行い、 充実した毎日を送っています。彼らにとって仕事は、幸せの源以外 の何ものでもありません。 喜びとは 満足感や楽しさを感じる仕事の こと Happier 幸福も成功も手にするシークレット・メソッド タル ベン シャハー p163 第 7章 「働く幸せ」を味わい尽くす方法 6
MPSフレームワーク Pros & Cons チームや組織にとっての価値は? Pros 個人の内的満足や能力向上に焦点を当てており、個々のモチベー ションやパフォーマンスを高めるためには有効です。 Cons 個人の主観的な「意義」「喜び」「強み」を軸にしており、必ずしもチー ム全体の目標やビジネスの価値に直接的に結びつくとは限らない。 7
MPSVフレームワークは、成果を最大化するメソッド Pros MPSフレームワークに「価値」の要素を加えることで、「価値」のある 仕事を理解し、ハイパフォーマーへと成長する手助けになります。 MPSに価値の要素を加えて発展させた 8
MPSVフレームワークは、成果を最大化するメソッド 9
目標設定ワークショップとは
目標設定ワークショップの概要 概要 チームで実践することの意義 MPSVフレームワークを活用し、チームやビジネスにおける 相互理解の促進 「価値」を評価軸に取り入れることで、個人の目標とチームの 方向性を合わせ、チーム全体のパフォーマンス向上を目指す お互いの意義、喜び、強みを共有し、チームの相互理解と協 力関係が深まることが期待できます。 ワークショップです。 パフォーマンス向上 個々の強みを活かして、価値を提供し、チーム全体のパ フォーマンス向上が期待できます。 目標の改善 フィードバックを活用することで、貢献度の高い挑戦的な目標 を設定し、さらなる成長が期待できます。 11
目標設定ワークショップの準備 ① MPSVによる目標設定シート ② キャリアパス上の先輩社員(任意) 目標設定なので、より高いグレードに到達するには 何をすべきか、アドバイスをもらおう 12
目標設定ワークショップの進め方
ステップ1: 概要の共有 ステップの説明 個人目標を「意義」、「長所」、「喜び」の観点で 書き込み、チームの価値の観点で評価しま す。これにより、個々の成長とチーム全体の成 果を向上させるワークショップであることを説 明します。 相互理解の促進、パフォーマンスの向上、そし て目標の改善効果が期待できることも共有し ます。 14
ステップ2: 個人目標の共有 ステップの説明 まずは、全員が利己的に目標を書き込み、 意義は現在または将来の自分の利益 長所は自分の強みや得意なスキル MPSのベン図を完成させます。書き込み後、 似た目標を重なり領域を保ちながら近くに集め ます。 補足 喜びは満足感や楽しさを感じる仕事 チームにとっての価値は、まずは考えず、利己 的に目標を書きます。そうしないと、自分の本 当にやりたいこととずれてしまうからです。 15
ステップ3: チームの価値を基準とした目標の選択 ステップの説明 MPSの各目標を精査して、チームにとって価 値がある目標をMPSVにコピーします。 価値とは チームや組織が評価する貢献や仕事のこと 16
ステップ4: フィードバックセッション ステップの説明 どのような役割を担ってほしいか、昇格のため に何をすれば良いかという観点でフィードバッ クを行い、個々の目標を進化させます。 補足 意義、喜び、長所、価値の重なり領域が大き いほど、パフォーマンスに繋がりやすくなりま す。 17
Before / After 目標設定の変化
Before / After P機能開発に着目した目標設定の変化 ※ 未公開機能であるため、黒塗りしています。 ※ 意義、喜び、長所の重なり領域部分の拡大図 19
Before / After P機能開発に着目した目標設定の変化 チームからのフィードバックを通じて、役割の明確化や行動の具体化が進み、目標に対 する合意形成が促進された。 Before(MPS) After(MPSV) 役割、責任範囲、求められるス Aさん P機能を実装する P機能実装に関してプロダクトマネジメントする キルセットが拡大した! Bさん P機能を日経IDに導入したい P機能を日経IDに導入。開発以外の面でのサポートも含めて 行動が具体化した! 対外チームに新機能の重要性を伝 Cさん Dさん P機能の検討から市場導入までのチーム活動支援 P機能開発 ※ 表のP機能は全て同じ機能を指します。 P機能をMVPとして関係者に提供する える新しい役割が生まれた! 行動が具体化した! 20
P機能実装のエピソード紹介
第4回 社内テックカンファレンス 開催目的 日経グループ会社のエンジニアの取り組みを全社的に共有 し、部署や会社を越えたコミュニケーションを促進する機会 として、テックカンファレンスを開催しています。 今年のテーマ Gear up for Crafting our Future ※ 2024年の社内テックカンファレンス開催の記事は、まだ技術ブログ に掲載されていないため、画像は2023年版のものです。 ~ 未来を切り拓く準備をしよう ~ 22
基盤刷新の話から社内クローズドベータ公開の話へ P機能 社内クローズドベータ公開 いままで、やってきたこと これから、やりたいこと 23
18チーム参加、日経IDチーム優勝 24
P機能を社内公開するまでのプロセス カンファレンスでクローズド 標準仕様の読み合 P機能の実装 ベータを発表したら、きっと わせ 意欲を確認 盛り上がる! 2024-06-03 2024-06-26 目標設定 P機能実装開始 クローズドベータ ワークショップ 実装期間 3週間 提供 & カンファ ※ 3週間 = 1.5スプリント レンス優勝 2024-02-02 2024-05-08 P機能勉強会 週1時間 × 4ヶ月 25
MPSVを活用してチームと個人の方向性が一致する MPSVフレームワークを活用した目標設定ワークショップでは、チームにとって価値のある目標を明確にし、選定しま す。多くのメンバーがP機能の開発目標を選定し、チーム全体の方向性が明確化されていました。 MPSVフレームワークを活用することで、チーム全体と個人の目標が調和しやすくなります。 26
チームの方向性と合わないメンバーは? 自分にとってやりがいのあることで、 チームに貢献できない 27
チームの方向性と合わない場合、チームを変える 異動願 転職 チームの方向性と一致しない チーム変えで価値が見出される 価値が見出されれば、雇用者と被雇用 者の双方にとってWin-Win 辞令 チームビルディングに影響 チームのパフォーマンスに影響 相手の自尊心を満たせば、おのずと好意的な態度をとってくれる。 自尊 人は自分の好きなことに取り組んでいるときにこそ最高の仕事をする 、 心が満たされないと、他人に寛容な態度をとることは難しい。 ということを Facebookは心得ているからだ。 人望が集まる人の考え方 p43 第2章 人を動かす基本的な秘訣 Part1 人間の習性をうまく活用す ユニコーン企業のひみつ p69 4章 トライブでスケールさせる る 28
まとめ
目標設定プロセスの見直し 以前は、個人目標を共有していたが、チーム 全体で振り返ることはしていなかった 去年 ロードマップ共有 事前にチームで個人目標を振り返 目標設定 各自の目標を共有 り、価値のある目標の周知と選択 結果的にパフォーマンスが 爆発した 今年度のプロジェクト実施計画の共有 今年 ロードマップ共有 目標設定ワークショップ 目標設定 各自の目標を共有 社内カンファレンス 優勝 30
目標設定ワークショップで、人的資本経営を加速化 MPSVフレームワークを活用することで、従業員は自分の好きな仕事で価値を生み出 し、企業は人的資本の価値を最大限に引き出すことができます。 MPSVフレームワークによる 異動などによる適材適 従業員の満足度や 組織全体のパ 目標設定ワークショップ 所による役割変更 生産性の向上 フォーマンス向上 繰り返しによるアップサイクル 31
おわり
付録: 目標設定シート 33
仲間募集 “日経は、競争でなく協力して楽しく仕事したい仲間を募集しています。 インフレが加速する世界で、ベアによる安定昇給を提供しています。日経は社 員に安心と安定を提供しています。一緒に働いてみませんか?” 34
発表者紹介 慎重エンジニア。2019年7月、日本経済新聞社に入社。日経IDチーム 所属。特技は、 知の探索。趣味は、スキンダイビング。 docswell@after12am Github@after12am speakerdeck@after12am 35