令和6年度 2024 コネクトリンク 第4回 Lab&勉強会 「家庭・家族・子ども・子育て支援」 ー貧困の連鎖を断ち切る足立区の教育施策ー 令和6年10月8日 足立区教育委員会 学力定着推進課 学力定着指導員 半田 英雄
家庭 家族 子どもたち 地域 学校 を 支える皆様に感謝 皆様とつくりあげてきた花保小学校 感謝を込めて花保小学校の現在の様子 動画でご覧ください
現在の花保小学校 評判の良い誇れる学校 1 花保小学校の評判が高まっている理由について (1)花保小学校の子どもの様子から判断されている! ①全校朝会・集会での見事な態度・集中力 日本一! ②落ち着いた学校、落ち着いた学級 ③足立区学力定着度調査結果 全国学力テスト結果 →花保中学校 (2)教職員のがんばり 教師こそが学校の宝! ①人材ではなく、人財(財産)だと考えています。 ②学力の保障 そのために私が行っているプロ教師の育成 (3)保護者の皆様の「花保小学校教育方針」への理解と行動力が素晴らしい!
平成23年度 花保小学校 3.11直後着任 着任時に言われたこと は・・・・
足立区教育大綱 -夢や希望を信じて生き抜く人づくり- 大綱の実現に向けた2本の柱 1 誰もが子どもを支える主役 2 貧困の連鎖を断ち切る教育 足立区の4つのボトルネック 治安 学力 健康 貧困の連鎖
本校の課題 ・保護者(顧客)から信頼されること ・「基礎学力の定着」を図りながら 「心を育てる」こと 課題解決のためのビジョン 子ども、教員を変容させることで、 保護者にもご理解いただく
はじめの一歩 月曜朝礼
教員が高圧的な指導をしないために 校長がお手本 高圧的な指導をしない
教員が高圧的な指導をしないために 子どもたちに 繰り返し伝える 自分で考え 自分で(正しい)判断をし 自分で(正しい)行動をする そして責任をとる
心を育てる 非認知スキルを高める指導 教員・子どもたちと共に ライフスキル(H23~26) QU 1年生は後期 2年生から年2回(H24~現在) 七つの習慣 (H27~現在) リーダーインミー (H29~現在)
「ライフスキル教育プログラム」 認定講師の先生から多くのスキルを学び実践しました。これは 自己の健全な自尊心を育てる意思決定スキルです。最初に取り 組んだのが「学級集団づくり」です。児童に現状の課題を認識 させた上で「理想の学級」を考えさせ、それを実現するための 「学級目標」がつくられました。さらに学級の単位から学校全 体に広げられ、花保小学校愛着大作戦「みんなで考えたわたし たちの学校目標」が完成しました。平成28年度には、その目標 を達成するための行動指針「花保っ子いいな(17)宣言」がで きました。 教員にも同じ手法で研修を行いました。
7つの習慣 リーダー・イン・ミー 平成29年度からの「リーダー・イン・ミー」研究のスタートのきっ かけは、ビジネス書「7つの習慣」との出会いです。アメリカのビジ ネスコンサルタントであったスティーブン・R・コヴィー博士の著作 です。全世界で2,000万部のベストセラーになりました。私は、ビ ジネス書ではあるけれど、「教育」にも生かすことができると考えま した。この「7つの習慣」は、私が子どもたちに伝え続けている「自 分で考え、自分で判断し、自分で行動する。そして自分で責任をと る。」ための理念と道筋が端的にまとめられたものでした。さらに 「7つの習慣」にもとづいてつくられたリーダーシッププログラム 「リーダー・イン・ミー」によって、「非認知スキル」の中でも、こ れからのよりよい人生を送るために因果的な効果をもつと結論づけら れている「学習意欲」や「忍耐強さ(セルフコントロール力)」、 「やり抜く力」を伸ばし、より自立への土台ができると思いました。
7つの習慣 第1の習慣 自分で考え自分で判断し行動する。そして責任をもつ。 第2の習慣 ゴールを決めてから始める。何が大切かを考える。 第3の習慣 大事なことから今すぐに。自分の約束を守る。 第4の習慣 Win-Winを考える 。みんながハッピー。 第5の習慣 わかってあげてからわかってもらう。お互いにわかりあう。 第6の習慣 力を合わせる。みんなで考えた方がうまくいく。 第7の習慣 自分を磨く。成長し続ける。
教員が高圧的な指導をしないために 変えられるものと変えられないもの 人生における責任の意味 を考えさせる 自己の行動の決定権と責任
教員が高圧的な指導をしないために 刺激⇒ ポーズ 一時停止 ⇒反応 正しい判断 大声をださない 叱らない 怒鳴らない 考えさせる指導 過去を責めてもしょうがない どうしてポーズがとれなかったのか その結果どうなったのか 次からどうするか
教員が高圧的な指導をしないために 子どもへの指導 4つのキーワード ポーズ シナジー ゴール 信頼貯金
シナジーとは 1+1=1 これは「妥協」、1+1=2 これ は「協力」、1+1=3以上、これが「相乗効 果」、英語でいうシナジーです。みんながお互い を認め合って、みんなが主体的に行動すれば、凄 い力を生み出すことができるでしょう。
教員が高圧的な指導をしないために 朝礼 お昼の放送 学校だより 学年集会 保護者会
教員が高圧的な指導をしないために 教職員全員 共通理解は当然 共通行動
教員が高圧的な指導をしないために 教師も子ども同士も 「おまえ」とはいわない
教員が高圧的な指導をしないために 先生方への指導 3つわ 授業のこと 3わの授業 わかる授業 わくわくする授業 笑いのある授業
保護者と 信頼関係を深める
平成25年度 保護者の皆様へお願い 足立区立花保小学校校長 半田 英雄 ご来校ありがとうございます! ご来校時の約束 お願い なるべく徒歩でご来校ください。自転車でご来校された場合はクレヨン通りでは なく、校庭に設置される駐輪場に並べてください。 不審者対策として 校内では配布された名札の着用をお願いします。個別に来校される場合は郵便ポ ストのある正門(西門 車検場とおり側)からインターホンでお知らせください 。 授業参観時は 携帯電話はマナーモードに! 授業参観中のビデオ撮影、写真撮影はご遠慮くだ さい。また教室内、廊下での、私語は謹んでください。また、ガム・あめなどを 含めたご飲食はお断りいたします。のどがかわいた場合は校長室におこしくださ い。お茶やコーヒーを用意しておきます。おむつの取替えや授乳の際は保健室を ご利用ください。
保護者対応 先生方に 4月1日 校長レクチャーから(校長通信) (6) 報告・連絡・相談の徹底 熱いタオルは24時間管理職に投げる ●電話 連絡帳 そのまま聞かせて欲しい。見せて欲しい。 絶対に隠さない! ●来校保護者との面談は複数で ●苦情は必ずあるもの。(くる) 迅速な処理が大事 ●管理職が知らないことが不信感につながる ●責任をとるのが管理職の仕事
管理職 苦情を未然に防ぐ 保護者からの 苦情の原因 要因を分析 発生させないようにする
管理職 苦情を未然に防ぐ 入学前の新1年生・転入児童 リサーチ 子どもの状況 保護者のこと 保護者同士の関係性
管理職 苦情を未然に防ぐ 各機関と連携しながら情報収集 幼稚園 保育園 地域 民生委員 学校管理職 教育委員会 げんき
管理職 苦情を未然に防ぐ リサーチからの対応 関係諸機関と連携しながら 保護者との面談・電話
管理職 苦情を未然に防ぐ A小学校の例 入学説明会
管理職 保護者に 入学説明会 方針 学校の気持ち 保護者の皆様の「花保小学校教育方針」への理解と行動力が 素晴らしい! 教職員と一緒になって花保小学校をつくっていくことを お願いしています。 ①学校批判、教師批判からは何も生まれません。 「教育 共育 協育」の精神です。 ②保護者と教職員相互の信頼とリスペクト。 良識ある言動をお願いしています。 ③どんな子に育てたいか、親としての目標をもちましょう。
管理職 保護者に どうして?変じゃない?おか しいなって思ったら 迷わずすぐに学校に連絡 対応します
管理職 保護者に 保護者の皆様にとっては 花保小学校に通わせていることへの誇りがもて る学校 在校生にとっては 学校生活に希望をもち「わくわくする学校」 卒業生にとっては 花保小学校を卒業したことへの誇りがもてる学 校 地域の皆様にとっては 花保小学校が地域にあることを誇りに思う学校
保護者の意志 学校自由選択 学校の指導方針、特色を理解、納得 していただいてから入学していただ く
管理職 苦情を未然に防ぐ 学校の評判は ↓ 周囲からの子どもたちの見た目から ↓ 評判が高まる ↓ 文教地区 価値が高まる 資産価値上昇 ↓ 六町駅前 高島屋SCが進出決定
管理職 保護者に 入学後 教員との関わり方 連絡帳の書き方 学校訪問時 自然教室等の帰校時
管理職 保護者に 行事アンケート 学校評価 見える化する 生かす 反映する ご意見・ご要望→改善案提示 ↓ 実施
管理職 苦情を未然に防ぐ 保護者に いいことの連絡
管理職 保護者の困り感に対応 校外トラブル 学校間トラブル にも介入
管理職 苦情を未然に防ぐ 日常の対応が重要 日頃の電話対応 受付 主事対応
管理職 教員 苦情を未然に防ぐ 学校でのけが 病気の対応 即時連絡 複数対応 保護者への校長対応 状況説明 出迎え 当日中にその後のケア
先生 朝の連絡帳チェック 電話 即時(朝)報告 校長・副校長へ 管理職対応
管理職 苦情を未然に防ぐ 次年度以降も確実な 情報の引継ぎ 学級編成 担任配置 要注意
管理職としてのパラダイム 事実も立ち位置によって見方が違っ てくる。見たいように見ていないか。 他人が自分と同じように感じていると 思っていないか。思い込み。 自分のパラダイムの影響を意識する
管理職 教員 保護者の気持ち 保護者にとって 連絡帳に書く意味 提出する意味
管理職 教員 保護者の気持ち 保護者にとって 学校に呼ばれる その意味 保護者の思い 保護者には重い
管理職 苦情が来たら 電話より 直接の面談 来校 家庭訪問 潔く謝るし、事実じゃないことは完全に否 定する。 仲裁する。連絡帳に校長コメントを書く。
管理職 苦情が来たら ご心配をおかけして申し訳あ りません。 お時間をください。 何日に連絡します。(期日) ご報告します。
管理職 苦情が来たら幸せ 災い転じて福となす 苦情を生かすことも
管理職 苦情が来たら幸せ 特別な保護者
心を育てる学校全体マネージメント テーマ H26 RECOGNIZE H27 愛着 H28 自立 H29&30 自立への習慣化 R1 自らのリーダーシップとシナジーの創造 R2&3 リーダーシップへの挑戦 R4 昨日の自分を超え、未来をつくる
花保小学校の変容
都の苦情対応
問題解決組織
私が考える 苦情対応 危機対応とは 「人間力」「自らの生き方」
そもそも課題のある人 メタ認知ができない人 課題のある人の共通点 同じ失敗を繰り返す 人を批判するが、自身のこと を振り返らない。
発想の転換 アウトサイドインから インサイドアウトへ 自分が変わる
他人が勝手に思っていること 言動で 自分が傷つくのは いけません 自分で自分を傷つけてはいけません。
いつまで待っても 明日は 来ない 今日を生きる
PART2 貧困の連鎖を断ち切る 足立区の教育施策の紹介
足立区学力定着に関する総合調査について 平成17年度(2005)から区内小・中学校で完全実施。 (平成16年度プレ) 小学校 国語 算数 中学校 国語 数学 英語 4月上旬に実施 ねらい ①基礎的・基本的な内容について「教科の学力」を把握する。 ②生きる力・学びを支える基礎的な力の現状を把握する。 ③各学校が区全体の結果を踏まえた上で、自校の結果を分析 し自校の課題を明確にするとともに、指導内容や指導方法及び 家庭との連携における工夫・改善を図る。
正答率 区学力調査には得点がない。出題数中、何問正解したかの割合で「正答率」を 算出。『正答数÷出題数×100=正答率(%)』 目標値 調査問題はおおむね小学校7割、中学校6割の目標値となるように設定。目標 値は、標準的な時間をかけて学んだ場合に正答できることを期待した数値。学 年教科一律ではない。年度ごとに変化 通過率 『目標値以上の児童・生徒数÷受験者数×100=通過率 あくまでも通過点。100%を目指したい。※足立区重視数値 SP表 一つのテストごとに受験したすべての児童・生徒の正答・誤答の状況を問題別 にクラスや学年単位で並べ替え、一覧表化したもの。 区学力調査SP表から学級全体の課題と児童一人一人の「つまずき」を洗い出 すことで、授業改善に活用するとともに、個の「つまずき」に対応する。
正答率=平均点 足立区は通過率重視 『目標値以上の児童・生徒数÷受験者数 ×100=通過率
平成23年頃 学力に関わる状況 負の連鎖の現実(当時) かけ算九九ができない⇒中学校の授業は理解不能 ⇒登校しぶり、夜の徘徊 ⇒何とか高校に入学⇒中退⇒フリーター⇒生活保護や就学援助 ⇒自動車の免許がとれない。 ⇒これがまさに目にしてきた負の連鎖の現実 ⇒これを断ち切るための「基礎学力の定着の必要性」を痛感
貧困の連鎖を断ち切る 足立区の効果ある教育施策が 立案され実行された! 現在も続く
貧困の連鎖を断ち切る 足立区の主な学力向上施策 小学校 ・教科指導専門員派遣 国語21名 ・足立スタンダード 授業の基本 ・そだち指導員の配置 ・AIドリルキュビナ ・MIM指導 ・小中連携 ・秋田県大仙市教員派遣 ・中1夏季勉強合宿 ・学校図書館スーパーバイザー ・幼保小連携 算数25名 外国語1名
平成25年度スタート 小学校長会 中学校長会 区教委 共催 中一夏季勉強合宿 小学校 10日間サマースクール 平成21年度から基礎的・基本的な学力の定着に向けて 「あだち小学生基礎学習教室」(平成28年度で事業終了) →「あだち小学生夏季学習教室」(令和4年度で事業終了) 全中学校実施 4泊5日 2クール 10日間
中一夏季勉強合宿 令和5年度 2023 4年ぶり 宿泊型 19校 通所型 16校 令和6年度 2024 宿泊型 14校 通所型 21校 宿泊型 通所型 2泊3日 7日程度 各校2名 人数は学校による
平成26年度スタート 令和5年度 4年ぶりに実施 大仙市教員派遣事業 事業改善 授業改善 令和5年度 成果発表会 全体 区長
あだちスタンダード 虎の巻 授業のデザイン
「足立スタンダード」とは? 誰もがわかる授業の実現を目指した、「めあてを明確にし、自 分で考え、子ども同士で学び合い、学習した内容をまとめて、振り返 りを行う、問題解決を中心とした授業スタイル」のことであり、問題解 決型の授業の基準を示すものである。 学習過程 学習内容 ・問題意識に基づいた課題、めあて 1 課題把握 を設定する。 ・課題解決への見通しをもつ。 ・課題解決において自己の考えをもつ 解決・ 2 (意思決定)。 追究 ・思いや考えを基に創造する。 共有・ ・小集団・全体での共有・比較・検討等 3 比較・ をとおして学び合い、考えを広げ、深め、 検討 より確かなものとする。 4 まとめ・ ・課題に正対して学習をまとめ、振り返 振り返り り、新たな学びにつなげる。 ※ 73 各教科、単元等によって、学習過程の詳細は異なる。
足立スタンダード「虎の巻」の位置付け 「『安心感』 を生み出す 『マインド』」 児童・生徒主体 の授 業づく りの ポイント 各教科の 特性 74
足立スタンダード「虎の巻」 75
足立区の学力状況 真摯にそして継続的な努力によって 大きく改善、成果をあげている
これからの 足立区の教育
東京学芸大学大学院 堀田龍也教授講演会 GIGAスクール構想と目指す学び 2024 5 20
社会の今 こういう社会 人口減少 税金の減少 データ デジタルで便利にする 国家的課題
一斉授業からの転換 一斉授業減らして子どもに任せる これからの社会 職種入れ替わっていく パッション意欲ないと駄目 先生がいないと学ばないは駄目 個別最適 学び感の変革 ひとりひとりが自分のペースで学ぶ そういう時間をとる 視点を与える
これからも ご支援 よろしくお願いします
ご清聴ありがとうございました。 令和6年10月8日 足立区教育委員会 学力定着推進課 学力定着指導員 半田 英雄