佐藤駿_AI研究会_提出用

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November 13, 24

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Generative Ai Study Group Master

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各ページのテキスト
1.

文章生成 AI を活用した表現上困難な児童生 徒に対する所見文作成の支援方法の検討 佐藤駿 岡本恭介 宮城教育大学教職大学院

2.

昨年度の研究 2

3.

はじめに 本研究では、文章生成AIである ChatGPT を用いて通知表の所見文を作成するシステムを 開発し、文章の妥当性を検証した 3

4.

生成AIガイドライン(授業) 印西市立原山小学校の授業実践 2) →生成AIの 仕組みやリスクを理解 1)文部科学省.“初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドラインR5.7月” 2) 特定非営利活動法人みんなのコード.学校の生成AI実践ガイド 先生も子どもたちも創造的に学ぶために.学事出版.2023年12月 4

5.

生成AIガイドライン(校務) 働き方改革の一環として利用 →教育活動で 適切に利用する素地を培う →活用する際はあくまで たたき台 5

6.

校務の課題 山崎ら 3) によると通知表の所見文作成は教員にとって 最も負担 と感じている業務 初等中等教育において校務に生成AIを活用した 研究はまだ少な い →生成AIを校務に活用することで教員にどのような影響を及ぼ すのかの検証 3)山崎宣次,掛川淳一,小川修史,加藤直樹,興戸律子,森広浩一郎(2015b)校務の情報化としての小学校通知表所記述支援.日本教育情報学会第 31回年 会論文集:304-305 6

7.

開発環境 データの入力 データの処理 データの出力 7

8.

所見文作成の手順 評価項目入力 で必要事項を入力 AIに役職を与える 作成完了 8

9.

検証項目 ・所見文の文章量 →実際に現場で書かれている所見文同様、 短い文で まとめる ことができるかを検証するため ・所見文の妥当性 →出力された所見文が、 実際に現場で利用が可能 か を検証するため 9

10.

分析方法 ・文章量 一般的な所見文を200字と仮定し、プロンプトで 200字程度 で書くよう命令 GPT3.5と4で5回ずつ測定 ・所見文の妥当性 現職の先生2名、教員歴のある先生1名、計3名の先生に対し てシステムを利用してのアンケートを実施 所見文の 妥当性、違和感を感じたかを評価 10

11.

結果 文章量 1 2 3 4 5 平均 GPT3.5 220 187 187 218 170 196.4 GPT4 117 215 194 228 178 186.4 11

12.

入力の例 12

13.

回答の例 13

14.

妥当性 GPT3.5 ・「具体例を羅列 している感じがする」 ・「材料として入力した内容をほぼつなげている状態 なので、 生成 AI の良さが出ている感じはしない 」 ・「文末表現(~でした。~できます。等)が単調 」 14

15.

妥当性 GPT4 ・箇条書きで整理 されており、わかりやすくなって いると感じた ・所見文に生かせる 内容、文章を作ってくれている感じがする ・ 3.5より 文章表現が柔軟 になっており、 バリエーションが豊富 15

16.

違和感 GPT3.5: 全員が違和感があると回答 ・文章の つなぎ方 がおかしい ・固い言葉 が詰め込まれている感じがする 例)クラスの雰囲気を改善させる一因となっています 16

17.

違和感 GPT4: 全員が違和感があると回答 ・難しい表現や言い回し が多い ・所見文として 適当でない文章 も多い ・通知表の 所見文には使われない表現 があり、違和感がある 例)敬意を表します等 17

18.

自由記述 ・加除訂正をすることで 十分使うことができる と思う ・所見文の 繋ぎでいつも悩む ため、AIが考えてくれると 時間 短縮になる ・所見文を書くための過程を通して 子どもを見るための視点 や教育の質の改善のツール としての可能性を感じる 18

19.

ファインチューニング 適当でない表現が多いというアンケート結 果から、ChatGPTに対して、 所見文文例集 を用いて 機械学習 を行った 機械学習を行ったモデルについて2名の現 職の先生に妥当性と違和感のアンケートを 行った 4)「授業力&学級経営力」編集部.どの子も輝く!通知表の書き方&所見文例集~小学校中学年[3,4年生向け]~,明治図書,2020年6月 19

20.

妥当性 ・より所見文らしい表現 が増えている ・わかりやすく表現できている 感じがする ・ChatGPT3.5と さほど変わらない 印象 20

21.

違和感 2名とも違和感があると回答 ・文章の つなぎ方が唐突 な時がある ・箇条書きで整理 して書いてくれたほうが参考にしやすい 21

22.

システムの使い方について 同じプロンプトで何度か出力 し、その中から教員が使える 表現を抽出 抽出したものを たたき台 とし、教員が最終的な所見文を作成 22

23.

今年度の研究 23

24.

システムの改良に向けてのアンケート ・システムを利用するのはどのような時か →所見文を書くのが困難 である児童・生徒の所見文を書く際 ・山崎らの調査により所見文の負担感として、「その児童ついて 表現する適切な言葉が思いつかない」が挙げられている 4)山崎宣次 (2018) 児童の学習・行動の評価と しての通知表所見に関する教員の意識分 析,中部学院大学・中部学院大学短期大 学部 教育実践研究第 3 巻 第 2 号, pp51-59 24

25.

調査対象 ・教職大学院に所属する 現職の教員 を対象に所見文作成に関し てのアンケートを行う ・どのような児童・生徒が表現上困難であるかを調査 25

26.

アンケート項目 通知表の所見文を書く際に、 記述に困難を要する子供の特徴 は どのようなものですか?という質問に対して 「特徴が少ない子供」「課題が多い子供」 「その他」の選択肢を用意し選択していただく 困難だと感じる理由を自由記述していただく 26

27.

アンケート結果 アンケートは国立M大学の教職大学院に 所属している 現職教員10名 から取得できた 27

28.

アンケート結果 自由記述 ・特徴を見付けるのが困難 である場合があるから。 ・書くことが無いので『 万人受けする上辺だけの言葉 』の羅列に なってしまい、文章に深みが無いため。 ・学習面、生活面に特徴が少ない ため。いいところがないわけで はないが,所見分にするとなると 誇張しすぎて しまいがち。 28

29.

アンケート結果 自由記述 ・その子の 具体的な良さや頑張りを見切れていない から ・大きな活躍が見えにくい児童(普段からしっかり取り組んでいるが、成績や 活動に関して大きく目立たない児童) 評価するものが少ない ため。 ・文章の言い換え に困る 29

30.

システムを用いた支援方法の検討 アンケート結果をもとに、 「課題が多い子供」と「特徴が少ない子供」の所見文を作成する際 の支援の方法をシステムの改善を図りながら検討する 30

31.

システムを用いた支援方法の検討 課題が多い子供の所見文を書く際の支援方法 課 題 :文章の言い換えに困る 解決方法 :プロンプトの入力により、出力する文章を制御する 具体例 :「ネガティブな表現をポジティブに言い換えて児童 生徒の成長を促す ような表現に変えて」 子供のいい姿を入力することで所見文を作成するためそもそもネガティブな表現 は含まれないのではないかとも考えられる 31

32.

システムを用いた支援方法の検討 特徴が少ない子供の所見文を書く際の支援方法 課 題 :所見文を書く際の材料を見つけにくい 解決方法 :教員が学期中に記録している子供の特徴的な行動をそのまま本シス テムのプロンプトとする 「毎日パソコンに児童生徒の特徴的な行動を記録している」という意見から着想 →学期末に振り替える必要がない 、万人受けではなく その児童生徒の姿に合っ た所見文が返されることが期待される 32

33.

改良後のシステム フィームを入力 評価項目の判定・所見文出力 33

34.

システム改良後の課題 ・特徴が少ない子供の場合、そもそも 特徴的な行動を蓄積するこ ともない のではないか ・プロンプトが少なすぎるため、 文章の妥当性が確保できていない (表現の仕方の問題) 34

35.

今後の展望 ・特徴的な子供の姿を記入することができない場合を想定し、 学期末に 子供に学期を振り返るシートを配布 し、その内容をもとに生成AIを 用いて所見文を作成するシステムの作成 ・教師の文章表現を再現するため、 ファインチューニング を行うための材料を 集める ・本システムを使用した際の、 副次的な効果についての検証 を行う(所見文 を子供に返した時の反応など) 35