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November 03, 24
スライド概要
■ドローンやロボットを自作することを通じて制御や関連技術の生涯勉強情報を提供■工学博士■防大航空宇宙→筑波大博士■陸自→対戦車誘導弾等の装備品開発→高専教員→大学教員■ロボットランサー優勝→マイクロマウスニューテクノロジー賞受賞■指導者としてつくばチャレンジバンナム賞→飛行ロボコンマルチコプタ部門1位等々■北海道函館出身
剛体の 運動方程式④ オイラー角と 角速度の変換 剛体の運動方程式④オイラー角と角速度の変換 © 2024 by Kouhei Ito is licensed under CC BY 4.0. To view a copy of this license, visit https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
回転の座標変換行列 Z軸周り cos 𝜓 sin 𝜓 0 𝑹𝑍 (𝜓) = − sin 𝜓 cos 𝜓 0 0 0 1 Y軸周り cos 𝜓 0 − sin 𝜓 0 1 0 𝑹𝑌 (𝜃) = sin 𝜓 0 cos 𝜓 X軸周り 1 0 0 𝑹𝑋 (𝜙) = 0 cos 𝜙 sin 𝜙 0 − sin 𝜙 cos 𝜙
回転の座標変換行列 Z軸周り 𝑥0 𝑥1 𝑦1 = 𝑹𝑍 (𝜓) 𝑦0 𝑧0 𝑧1 Y軸周り 𝑥2 𝑥1 𝑦2 = 𝑹𝑌 (𝜃) 𝑦1 𝑧2 𝑧1 X軸周り 𝑥3 𝑥2 𝑦3 = 𝑹𝑋 (𝜙) 𝑦2 𝑧3 𝑧2 𝑥0 𝑥3 𝑦3 = 𝑹𝑋 (𝜙)𝑹𝑌 (𝜃)𝑹𝑍 (𝜓) 𝑦0 𝑧0 𝑧3 𝑥0 = 𝑬(𝜙, 𝜃, 𝜓) 𝑦0 𝑧0 回転の座標変換行列 𝑬 𝜙, 𝜃, 𝜓 = 𝑹𝑋 (𝜙)𝑹𝑌 (𝜃)𝑹𝑍 (𝜓)
回転の座標変換行列 𝑬 𝜙, 𝜃, 𝜓 = cos 𝜃 cos 𝜓 sin 𝜙 sin 𝜃 cos 𝜓 − cos 𝜙 sin 𝜓 cos 𝜙 sin 𝜃 cos 𝜓 + sin 𝜙 sin 𝜓 cos 𝜃 sin 𝜓 sin 𝜙 sin 𝜃 sin 𝜓 + cos 𝜙 cos 𝜓 cos 𝜙 sin 𝜃 sin 𝜓 − sin 𝜙 cos 𝜓 − sin 𝜃 sin 𝜙 cos 𝜃 cos 𝜙 cos 𝜃
地球座標から航空機の座標へ 𝑍3 𝑍1 𝑍2 𝑍0 𝑋0 𝑋1 𝑋3 𝑋2 𝑌0 𝑌3 𝑌2 座標の回転のイメージ 𝑬 𝜙, 𝜃, 𝜓 は地球座標系𝑋0 𝑌0 𝑍0 系 から𝑋3 𝑌3 𝑍3 系への座標変換行列
地球座標から飛行機の座標へ 𝑍3 𝑍1 𝑍2 𝑍0 𝑋0 𝑬 𝜙, 𝜃, 𝜓 は地球座標系𝑋0 𝑌0 𝑍0 系 から𝑋3 𝑌3 𝑍3 系への座標変換行列 逆は? 𝑋1 𝑋3 𝑋2 𝑌0 𝑌3 𝑌2 座標の回転のイメージ
地球座標から飛行機の座標へ 𝑍3 𝑍1 𝑍2 𝑍0 𝑋0 𝑋1 𝑋3 𝑋2 地球座標系→機体座標系 𝑬 𝜙, 𝜃, 𝜓 は地球座標系𝑋0 𝑌0 𝑍0 系 から機体座標系𝑋3 𝑌3 𝑍3 系への座 標変換行列 機体座標系→地球座標系 𝑌0 𝑌3 𝑌2 座標の回転のイメージ 逆行列𝑬−𝟏 𝜙, 𝜃, 𝜓 は機体座標系 𝑋3 𝑌3 𝑍3 系から地球座標系𝑋0 𝑌0 𝑍0 系への座標変換行列
地球座標から飛行機の座標へ 𝑍3 𝑍1 𝑍2 𝑍0 回転の座標変換行列の逆行列は 転置行列と等しい 𝑬−𝟏 𝜙, 𝜃, 𝜓 = 𝑬𝑻 𝜙, 𝜃, 𝜓 𝑋0 𝑋1 𝑋3 𝑋2 𝑌0 𝑌3 𝑌2 座標の回転のイメージ
転置行列について 転置の記号 1 4 7 𝑎 𝑑 𝑔 2 5 8 𝑏 𝑒 ℎ 3 𝑇 1 6 = 2 9 3 𝑐 𝑓 𝑖 𝑇 𝑎 = 𝑏 𝑐 4 5 6 7 8 9 𝑑 𝑒 𝑓 𝑔 ℎ 𝑖
機体の速度ベクトルの地球座標への変換 𝑢 𝑥ሶ 𝑦ሶ = 𝑬−𝟏 𝜙, 𝜃, 𝜓 𝑣 𝑤 𝑧ሶ 航空機の 地球座標 での速度 航空機の 機体座標 での速度
機体の速度ベクトルの地球座標への変換 𝑢 𝑥ሶ 𝑦ሶ = 𝑬−𝟏 𝜙, 𝜃, 𝜓 𝑣 𝑤 𝑧ሶ 航空機の 地球座標 での速度 航空機の速度が地球 に対してどっち向い ているか 航空機の 機体座標 での速度 航空機の速度が機体 に対してどっち向い ているか
オイラー角:航空機の姿勢 地球座標系を𝜓→𝜃→𝜙回して航空機の機体座標に 一致するとき(𝜙,𝜃,𝜓)は航空機の姿勢を表す。 これをオイラー角と呼ぶ
オイラー角:航空機の姿勢 地球座標系を𝜓→𝜃→𝜙回して航空機の機体座標に 一致するとき(𝜙,𝜃,𝜓)は航空機の姿勢を表す。 これをオイラー角と呼ぶ 同じ姿勢を表すオイラー角は一つではないことに注意
機体角速度のオイラー角角速度への変換 𝜙ሶ 𝑝 −𝟏 ሶ = 𝑬 𝜙, 𝜃, 𝜓 𝑞 𝜃 𝑟 𝜓ሶ 以降、角速度の座標変換と言います。
角速度の座標変換 𝜙ሶ 𝑝 −𝟏 ሶ = 𝑬 𝜙, 𝜃, 𝜓 𝑞 𝜃 𝑟 𝜓ሶ 座標変換行列では角速度の変換はできない
何故、角速度の座標変換に座標変換行列 が使えないのか? 機体の角速度(𝑝, 𝑞, 𝑟)は機体座標に定義されてい るが、オイラー角は(𝝓, 𝜽, 𝝍)一つの座標系に対 して定義されているものでは無いから。 剛体の運動方程式③の座標変換行列の説明を参照してください
角速度の座標変換 𝑦0 𝑥0 𝜓ሶ 𝑧0
角速度の座標変換 𝑦1 𝑦0 𝑦0 𝑧0 𝑥0 𝜓ሶ 𝜓ሶ 𝑧0 2次元平面への射影 𝑥1 𝑥0
角速度の座標変換 𝜃ሶ 𝑦1 𝑥1 𝜓ሶ 𝑧1 回転後の座標系
角速度の座標変換 𝑥2 𝑥1 𝜃ሶ 𝑦1 𝑦1 𝑥1 ሶ 𝜓 ሶ 𝜃 𝜓ሶ 𝑧1 2次元平面への射影 𝑧2 𝜃 𝑧 1
角速度の座標変換 𝑥2 𝑥1 𝜓ሶ sin 𝜃 𝜃ሶ 𝑦2 𝜓ሶ cos 𝜃 𝜓ሶ cos 𝜃 𝑥2 𝑧2 回転後の座標系 𝑧1 ሶ 𝜓 ሶ 𝜓ሶ sin 𝜃 𝜃 𝑧2 𝜃 𝑧 1
角速度の座標変換 𝜓ሶ sin 𝜃 𝜃ሶ 𝑦2 𝜙ሶ 𝜓ሶ cos 𝜃 𝑥2 𝑧2
角速度の座標変換 𝑧3 𝑧2 𝜓ሶ cos 𝜃 𝜓ሶ sin 𝜃 𝜃ሶ 𝑦2 𝜙ሶ 𝜓ሶ cos 𝜃 𝑥2 ሶ 𝜃 𝜙ሶ 𝑥2 𝑧2 2次元平面への射影 𝑦3 𝜙 𝑦2
角速度の座標変換 𝑧3 𝑧2 𝜓ሶ cos 𝜃 sin 𝜙 𝜃ሶ sin 𝜙 𝜃ሶ cos 𝜙 𝜓ሶ sin 𝜃 𝑦3 𝜓ሶ cos 𝜃 𝜓ሶ cos 𝜃 cos 𝜙 ሶ 𝜃 𝜃ሶ sin 𝜙 𝜙ሶ ሶ 𝑥2 𝜙ሶ 𝜓ሶ cos 𝜃 cos 𝜙 𝑥3 𝑧3 回転後の座標系 𝑦3 𝜙 𝑦2 𝜓 cos 𝜃 sin 𝜙
角速度の座標変換 𝜓ሶ cos 𝜃 sin 𝜙 𝜃ሶ sin 𝜙 𝜃ሶ cos 𝜙 𝜓ሶ sin 𝜃 𝑦3 𝜙ሶ 𝑞 𝑦3 𝜓ሶ cos 𝜃 cos 𝜙 𝑝 𝑟 𝑥3 𝑥3 𝑧3 𝑧3 𝑥3 𝑦3 𝑧3は機体座標系
角速度の座標変換 𝜓ሶ cos 𝜃 sin 𝜙 𝜃ሶ sin 𝜙 𝜃ሶ cos 𝜙 𝜓ሶ sin 𝜃 𝑦3 𝜙ሶ 𝑞 𝑦3 𝜓ሶ cos 𝜃 cos 𝜙 𝑝 𝑟 𝑥3 𝑥3 𝑧3 𝑧3 𝑥3 𝑦3 𝑧3は機体座標系 ሶ ሶ 𝑝 = 𝜙 − 𝜓 sin 𝜃 𝑞 = 𝜃ሶ cos 𝜙 + 𝜓ሶ cos 𝜃 sin 𝜙 𝑟 = 𝜓ሶ cos 𝜃 cos 𝜙 − 𝜃ሶ sin 𝜙
角速度の座標変換 𝜓ሶ cos 𝜃 sin 𝜙 𝜃ሶ sin 𝜙 𝜃ሶ cos 𝜙 𝜓ሶ sin 𝜃 𝑦3 𝜙ሶ 𝑞 𝑦3 𝜓ሶ cos 𝜃 cos 𝜙 𝑝 𝑟 𝑥3 𝑥3 𝑧3 𝑧3 𝑝 = 𝜙ሶ − 𝜓ሶ sin 𝜃 𝑞 = 𝜃ሶ cos 𝜙 + 𝜓ሶ cos 𝜃 sin 𝜙 𝑟 = 𝜓ሶ cos 𝜃 cos 𝜙 − 𝜃ሶ sin 𝜙 1 𝑝 𝑞 = 0 𝑟 0 0 cos 𝜙 − sin 𝜙 −sin 𝜃 sin 𝜙 cos 𝜃 cos 𝜙 cos 𝜃 𝜙ሶ 𝜃ሶ 𝜓ሶ
角速度の座標変換 𝜓ሶ cos 𝜃 sin 𝜙 𝜃ሶ sin 𝜙 𝜃ሶ cos 𝜙 𝜓ሶ sin 𝜃 𝑦3 𝜙ሶ 𝑦3 𝜓ሶ cos 𝜃 cos 𝜙 𝑝 𝑟 𝑥3 𝑥3 𝑧3 𝑧3 1 0 𝑝 𝑞 = 0 cos 𝜙 𝑟 0 − sin 𝜙 𝑞 −sin 𝜃 sin 𝜙 cos 𝜃 cos 𝜙 cos 𝜃 𝜙ሶ 𝜃ሶ 𝜓ሶ 1 sin 𝜙 tan 𝜃 𝜙ሶ cos 𝜙 𝜃ሶ = 0 0 sin 𝜙Τcos 𝜃 𝜓ሶ cos 𝜙 tan 𝜃 − sin 𝜙 cos 𝜙Τcos 𝜃 𝑝 𝑞 𝑟
角速度のオイラー角角速度への変換 地球座標系→機体座標系 1 0 𝑝 𝑞 = 0 cos 𝜙 𝑟 0 − sin 𝜙 −sin 𝜃 sin 𝜙 cos 𝜃 cos 𝜙 cos 𝜃 𝜙ሶ 𝜃ሶ 𝜓ሶ 機体座標系→地球座標系 1 sin 𝜙 tan 𝜃 𝜙ሶ cos 𝜙 𝜃ሶ = 0 0 sin 𝜙Τcos 𝜃 𝜓ሶ cos 𝜙 tan 𝜃 − sin 𝜙 cos 𝜙Τcos 𝜃 𝑝 𝑞 𝑟
剛体の運動方程式と座標変換のまとめ 1 機体に固定された機体座標系で定義 2 未知数は 3 地球座標系での速度と角速度を求めるには座標変換が必要 4 地球座標系での速度と角速度を積分することにより地球上 での位置と姿勢が判明する 機体速度 機体角速度 𝑢, 𝑣, 𝑤 𝑝, 𝑞, 𝑟
課題1 𝑬−1 を求めなさい
課題2 𝜋 𝜋 𝜋 オイラー角が( , , )(単位はrad)の時 3 3 6 機体座標系において 機体の速度が(10,20,30)m/s 角速度が(4,5,6)rad/s のとき地球座標系における航空機の速度と角 速度を求めなさい
課題3 一例であるが機体座標系における航空機の速度 が(10,20,30)m/sで地球座標系におい ては(20,10,30)m/sだったとする. 座標変換行列は一つに定めることができないこ とをこの例を用いて示しなさい。 (実際に2つ以上の座標変換行列が考えられるこ とを具体的に示せばよい。)