セルフホストランナーのAWS費用を30%削減するまでの道のり

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August 09, 24

スライド概要

2024/08/09 GitHub Actions Meetup Tokyo #4
https://gaugt.connpass.com/event/324715/

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渋谷のWeb系企業で働くエンジニア 最近はテストや自動化関係に興味があります

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各ページのテキスト
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セルフホストランナーのAWS費用を30% 削減するまでの道のり GitHub Actions Meetup Tokyo#4サイボウズ株式会社 開発本部 生産性向上チーム 加瀬 健太(@Kesin11)

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自己紹介 ▌加瀬 健太(@Kesin11) ▌経歴 ◼ ~2023/06 株式会社DeNA SWET第二グループ @Kesin11 ◼ 2023/07 サイボウズ株式会社 生産性向上チーム @Kesin11 ▌業務 ◼ Github Actionsセルフホストランナーの運用など ▌日課はgithub.blog/changelogを見ること @kesin11.bsky.soci al

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Productivity Weekly ▌「1週間の間に発見された開発者の 生産性向上に関するネタを共有する 会」を社内で開催した内容をzennで 公開 ▌100回を突破して現在160回! ▌CI/CD関連のネタが多いのでぜひ

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Software Design 7月号の特集に寄稿しました!!

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Cybozuの成熟したセルフホストランナー基盤の 最近の運用とコスト削減

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目次 ▌Cybozuのセルフホストランナーの近況 ▌AWS費用の移り変わり ▌Cybozuのセルフホストランナー基盤のアーキテクチャ紹介 ▌無駄なプールサイズ削減 ▌スポットインスタンスの費用削減 ▌今後:NAT Gatewayの料金について ▌まとめ

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Cybozuのセルフホストランナーの近況 ▌1年前の時点で既に機能は十分で安定運用 https://www.docswell.com/s/miyajan/ZW1XJX-large-scale-github-actions-self-hosted-runner-by-philips-terraform-module https://www.docswell.com/s/miyajan/ZW1XJX-large-scale-github-actions-self-hosted-runner-by-philips-terraform-module

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Cybozuのセルフホストランナーの近況 ▌Terraformの運用が苦しい ◼ tfstateが巨大すぎる問題 ◼ Terragrunt, tfcmt導入で運用の手間はかなり改善 ▌AWSのAPIリミットが苦しい ◼ 上限緩和を申請できるものは申請して改善した ◼ SSM ParameterStoreがたまにAPIリミットに当たるが対策が難しいので後回し ◼ philips-labs/terraform-aws-github-runner が実質的にKVストアとして使っている ▌利用チームの増加 ◼ AWSの費用増加がさすがに無視できなくなってきた

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AWS費用の移り変わり

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AWS費用の移り変わり(削減前) ▌利用チームの増加や主力プロダクト のE2Eテストなどで右肩上がり ▌内訳はEC2とEC2その他(ほぼ NAT Gateway)が2/3を占める

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Cybozuのセルフホストランナー基盤のアーキテクチャ

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Cybozuのセルフホストランナー基盤のアーキテクチャ ▌OSSを利用 philips-labs/terraform-aws-github-runner

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Cybozuのセルフホストランナー基盤のアーキテクチャ ▌OSSを利用 philips-labs/terraform-aws-github-runner ▌ジョブごとに飛ぶwebhookでLambdaからEC2を起動する ▌あらかじめEC2を起動しておくランナープール機能もあり(後述) ▌Repo or Orgランナーしか作れない( Enterpriseランナー) ◼ Orgごとにランナーが分離されてしまうのでリソース集約効率が悪い

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ランナープール = 待機状態のランナーを用意しておく方式 ランナープールなしの構成 workflow_job webhook ランナープールありの構成 時系列 EC2起動 ジョブ開始 GitHub Actions Lambda workflow_job webhook ジョブ開始 GitHub Actions Lambda EC2(ランナー) cronで実行 EventBridge スケジューラー EC2(ランナー) EC2起動

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Cybozuでのランナープール ▌Orgごとに最低1台、最大は現在のところ60台 ▌高スペックランナーのプールはE2Eを頻繁に動かすOrgのみ ▌固定費的な部分なので地道に無駄を削った ◼ 非アクティブなOrgのプール数を削減 ◼ 高スペックランナーを夜間・休日にスケールインしていなかったミス修正 ◼ Terraform定義の凡ミス ◼ 高スペックランナーをプールしているOrgは僅かだったので見逃していた

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スポットインスタンスの費用削減

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スポットインスタンス復習 ▌圧倒的に安い(最大90%とAWS公式は言ってる) ▌起動中に中断される可能性がある ▌スポットプールに複数のインスタンスタイプを混ぜることが可能 (m5.large, m6i.largeなど) ▌基本的にスポット価格が安く、かつ在庫が余っているインスタンスタイプが 起動される ◼ AWS推奨のprice-capacity-optimized戦略の場合

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Cybozuのランナーでのスポットインスタンスの利用 ▌初期から全てのランナーがスポットインスタンス ◼ スポット中断=ジョブの謎のfail は許容してもらっている ▌中断対策としてインスタンスタイプを増やしていた(2023/07) ◼ 初期はm5, m6iのみ ◼ m5d, m5n, m6id, m6inを追加 ◼ n: ネットワークが強化されたバリエーション ◼ d: ローカルSSD付き

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スポットインスタンスの種類と価格の変動 ▌AWSのスポットリクエストから確認可能

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スポットインスタンスの種類と価格の変動(m5系バリエーション) ▌m5に対してm5n, m5d, m5dnなどは大体順当に 高い ▌nやdの付加価値は セルフホストランナーとして はメリットがないので割高

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EC2の費用について考えていたある日 ▌社内の別チームがm7iのスポットインスタンスを利用していることを知る ▌最新のm7は高そうだが、m5nやm5dと入れ替えることでスポット中断 率を維持できるならば高スペックな分お得なのでは? ▌ついでに前から気になっていたAMD系のインスタンスも調べてみるか

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スポットインスタンスの種類と価格の変動(世代別) ▌スペックと価格が比例して いないことがある ▌オンデマンド料金は m5 = m6i < m7i-flex < m7 ▌8/2時点では m7i-flexが最安値 m5が最高値

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スポットインスタンスの種類と価格の変動(世代別+AMD系) ▌さらにAMD系のm5a, m6aを追加すると・・・ ▌m6a安すぎでは (褒め言葉)

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スポットプールの調整 ▌スポットプールに最新世代のm7系を追加 ◼ m7i, m7aを追加 ◼ インスタンスガチャのSSR ◼ m7i-flexは調べても性能特徴がよく分からなかったのでスキップ ◼ m5a, m6a, m7aのAMD系x86 CPUを追加 ◼ Intel系と同じx86なので互換性はあるはずだが心配はしていた ◼ AMD系由来の問題は今のところ社内から聞いていないので結果オーライ

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スポットプールの調整 ▌現在のスポットプールのリスト→ ▌large, xlarge, 2xlargeの 3種類のスポットプールを用意 ◼ =3種類のスペックのセルフホストランナーを提供

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スポットインスタンスの費用削減 ▌スポットプールに追加してみた結果・・・EC2費用が激減!

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スポットインスタンスの費用削減 ▌インスタンスの内訳を見るとほぼm6a 切り替わっている ▌AWS内で余ってる説・・・?

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スポット中断も改善 ▌変更後に中断回数が激減 ▌以前からジョブが謎に中断さ れる話は聞いていたが、予想 以上に中断されてた ▌ついでに改善されて社内の ユーザー体験も向上

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最終的な費用削減の効果測定 ▌対策ごとに削減効果が出ている ▌スポットの調整が圧倒的成果

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最終的な費用削減の効果測定 ▌EC2費用が3月->4月で30%削減 ▌11月水準まで戻り、横ばいを維持

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最終的な費用削減の効果測定 ▌3->4月は全体でも約27%削減 ◼ Taxは全体に連動するので減るの は分かる ◼ EC2その他(ほぼNAT GW) はスポットインスタンスの改善と関 連しないはずなので理由不明 ◼ 2月3月にプロダクト側でもE2Eテ ストに改善が入った影響かも?

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今後

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今後:NAT GWの料金を削減したい ▌ EC2その他(NAT GWのネットワークの費用)は高止まりしたまま ▌ 3つの対策を予定 ◼ VPCフローログの分析 ◼ ◼ どこへの通信が多いのかを計測可能にする AthenaからS3にクエリする際のパーティション設定とBIツールの選定で苦戦中 ◼ Dockerのミラーレジストリ構築とpull-throughキャッシュ ◼ ◼ 先行調査でDocker Hubへの通信が多いことが判明している pullしたイメージを自動キャッシュするレジストリサーバーをVPC内に構築し、NAT GWの通信を減らす予定 ◼ IPv6 + Egress-Only Internet Gateway ◼ ◼ ◼ IPv6であればNAT GWを通らずに外向きの通信が可能らしい Docker Hub以外への通信も減らせるのではと期待している 参考:AWS Summit Japan 2024 “IPv6 on AWS ~Public IPv4 アドレス削減に向けてできるこ とできないこと~(AWS-20)”

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まとめ ▌Cybozuのセルフホストランナーの近況紹介 ▌最近はAWS費用削減に取り込み中 ◼ 無駄にプールしているOrganizationのランナー数を削減 ◼ スポットプールにm7世代、AMD系CPUを追加 ▌主にスポットプール調整の効果でEC2費用が30%削減 ▌今後はNAT GW周りの費用改善を予定