スクフェス大阪2024資料_業務時間の20%だけでスクラムを実施した、4チームの実験結果報告

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June 21, 24

スライド概要

スクフェス大阪2024の「業務時間の20%だけでスクラムを実施した、4チームの実験結果報告」についての資料になります。

https://confengine.com/conferences/scrum-fest-osaka-2024/proposal/20132/204

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各ページのテキスト
1.

Scrum Fest Oosaka 2024 業務時間の20%だけでスクラムを実施した 4チームの実験結果報告 ニッセイ情報テクノロジー株式会社 小泉 岳人 田中 貴之 小井 聡介 野田 顕吾

2.

目次 0.自己紹介 1.はじめに 2.運営の背景 3.実施の概要と結果 4.4チームのLT(ライトニングトーク) 4-1.ゼロイチ_サービス企画 4-2.Webサービス構築チーム(モブタイマー) 4-3.実体整備運営 4-4.80%チームから見た20%スクラム 5.現在の状況と今後の展望 1

3.

はじめに 0.自己紹介 2

4.

はじめに 小泉 岳人 (@koitake_) 田中 貴之 小井 聡介 (@5khoi5) 野田 顕吾 (@kengo_nod a_biz) 大阪に16年住んでま した。福岡も大好き です 兵庫県宝塚市在住。 福岡は知人が多く、 何度も旅行で訪問し ています! 学生時代は日本橋と 梅田に入り浸ってま した 好きな声優さんは福 岡出身が多いです いわし明太子が好き 3

5.

はじめに 会社紹介 「保険・共済」「年金」「ヘルスケア」といっ た社会保障領域のマーケットに対して、ITサー ビスやコンサルティングなどを提供していま す。社会や生活の基盤となるプラットフォー マーを目指し、新たな価値の創造に取り組んで います。 会社名 設立 事業内容 従業員数 売上高 ニッセイ情報テクノロジー株式会社 1999年7月 保険・金融に関するシステム事業等 2,480名 (2023年4月1日 現在) 784.41億円 (2023年3月期) 4

6.

はじめに 絶賛、採用募集中!!! 5

7.

はじめに Lab組織 保険×プロダクトに関してR&Dを実施している 2022年に設立。現在3年目 仮説検証やアジャイルの実践を重視している。 生命保険デジタル販売 プラットフォーム 6

8.

はじめに 1.はじめに 7

9.

はじめに 「Scrumについて知りたいんだけど・・・」 「POのスキルを学習したいんだけど・・・」 「SMについて学びたいけど・・・」 「経験してみることが重要です」 8

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はじめに とはいえ、ウォーターフォール案件が ほとんどでAgile経験できる丁度良い案件 がない 3

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はじめに ⇒ 業務時間の20%だけで開発案件、開発以外案件含めて Scrumを回してみました!! 【本日のラーニングアウトカム】 ・20%スクラムの内容や効果、背景について理解できる ・兼務状態で、効果的に進められるチーム運営のコツが分かる ・組織でより実験したくなる 10

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運営の背景 2.運営の背景 11

13.

運営の背景 ラボで起きていた課題 課題1:PO,SMを経験できる機会が少ない 課題2:ラボなのに新しい事を気軽に試しづらい 
 課題3:兼務メンバーがいるチームについてチームビルディングが難しい 12

14.

運営の背景 課題1:PO,SMを経験できる機会が少ない 案件が 出来ない PO,SMが 少ない PO,SMが 育たない 13

15.

運営の背景 課題2:ラボなのに新しい事を気軽に試しづらい 試したい事 ・AR/VR ・新しい言語 ・デザイン思考 ・仮説検証 ・異なる領域のビジネス検討 現在の プロジェクト 14

16.

運営の背景 課題3:兼務メンバーがいるチームについてチームビルディングが難しい 本務者 (100%) 本務者 (100%) 本務者 (100%) 兼務者 (60%) 兼務者 (20%) 兼務者 (20%) 15

17.

運営の背景 仮説 兼務メンバーがアサインできる20%の時間だけでスクラムを回すことで、 普段経験出来ない業務を経験出来たら、学習につながるのではないか? (Laboとして会社全体に枠組みを提供できるのではないか?) ラボ 本業 ラボ以外の組織 参加 80%スクラム 本業 学習 参加 20%スクラム 16

18.

実施の概要と結果 3.実施の概要と結果 17

19.

運営の背景 20%スクラム ・業務時間の20%の時間を基準に時間を割く ・モブワークベースとして、それ以外の時間では作業しない (持ち帰りはせず、その場で終わらせる) 18

20.

運営の背景 実際、下記4つの20%スクラムを実施しました 1 ゼロイチ_サービス企画 2 Webアプリ作成 (モブタイマー) 3 実態整備 4 20%Scrum事務局 BtoCのWebサービス中心にプロダクト企画を 行う モブプログラミングで使用するモブタイマー を自分たちで作成する練習プロジェクト Labで使用しているAWSやSlack,Miroといっ たツールのルール化を行い運営を整備する 20%Scrum自体の推進/ふりかえりを行い、コ ンテンツを全社に提供できるよう整理する 19

21.

運営の背景 80%Scrum 20%Scrum 20

22.

運営の背景 結果やアンケート (参加者向き) 参加しての学びは? 全員が学び になった (参加者向き) また参加したいですか? 70%が ま た 参加したい (非参加者向き) 参加してみたいですか? 参加希望 無し 21

23.

運営の背景 結果やアンケート ・(参加者)とてもいい取り組み。仮説検証の思考法も活用できる実感を感じた ・(参加者)初めてSMとして参加。スクラムを学びなおすきっかけになった ・(参加者)感覚的には「無理」という気持ちで始めたが、実践することにより 「できる」という実感を得て不安が払拭された。 ・(参加者)頭の切替が多く、かなり疲れた ・(参加者/非参加者)人が抜ける分、情報共有の頻度も多くなって大変だった ・(非参加者)そもそもが100%アサインでないので、更に20%入るのは無理 ・(非参加者)見ていてしんどそうだったのと、チームを良くしていこうとする雰囲気を 20%スクラムのメンバーからあまり感じなかった 22

24.

運営の背景 結果やアンケート 参加者からは非常に好評なるも、非参加者には不評 23

25.

4チームのLT 4.4チームのLT(ライトニングトーク) ・20%Scrumを実施した3チームと 逆にメンバーがいなくなった80% 側のScrumチームに関して実際ど うだったのかLTを行います 24

26.

4チームのLT 4-1.ゼロイチ_プロダクト企画 25

27.

4チームのLT ミッション 一般消費者向けのプロダクト・サービス型ビジネスのアイディ エーションを経験し、次年度以降のゼロイチ活動に役立てる 次年度に保険周辺領域のゼロイチ活動のテーマをすぐに決めてス タートできるようにする。 26

28.

4チームのLT 体制とスケジュール 1スプリント 8時間 PO 月 火 2H 2H Dev3名 SM 2H 水 木 金 2H スプリントレビュー レトロスペクティブ スプリントプランニング 1月 2月 3月 ミッション策定 課題のアイディエーション もう一つアイデアを検討 活動ロードマップ作成 ソリューション立案 市場、ビジネスモデル検討 27

29.

4チームのLT 3月には、メンバーが1人1つずつ、立案したアイデア をプレゼンすることを目指そう! アイデアはチーム全員で磨いていくけど、 各メンバーがオーナーシップを持ちたい。 5人で5つのアイデアをつくろう! 28

30.

4チームのLT 「仮説キャンバス」※というフレームを共有した アイデアの全体像が分かることで、 アイデアづくりのどの部分に取り 組んでいるのか、見失わなかった。 ※株式会社レッドジャーニーの 市谷 聡啓 氏が提唱したフレームワーク 29

31.

4チームのLT バックログはないけど、スクラムでやった アイディエーションは見積もりが難しく、ワークの事前計画が困難。 スプリントプランニングで、1週間スプリントのワーク6時間分のタス クレベルで決めてしまう。 スプリントレビューとレトロスペクティブを実施し、3月にアイデアの プレゼンまで到達できるようプロセスを適応する。 30

32.

4チームのLT ワークは対話をメインで実施した 20%スクラムの時間で活動を完結させる必要がある。 ワークは2人か3人で1組になって進める。 独りで考えてきたことを全体に発表して共有するのではなく、 話しながら考えを深め、リサーチも複数人が同時に実施する。 31

33.

4チームのLT 成果:3月には5人がそれぞれアイデアを発表できた。 自分がアイデアを出す、他の人のアイデアを膨らませる の両面で経験できた。 モヤモヤ:アイデアを出しっ放しで、継続していない。 この新規事業をもっと研究したい!というところまで 情熱が生まれるにはどうするかが課題。 32

34.

4チームのLT アイデア例: 現役の活動への関心が薄いけれどOB同士で近況を知り合いたい 高校・大学の部活動のOB向けの、 バーチャル部室というプロダクトは、 オンラインのイベント会場です。 現役の活動記録が蓄積されていくメタバース空間で現役とOBが交流でき、 Gatherとは違って、 イベント期間のみスポットでオープンすることで安価に提供するライセン スが備わっている。 33

35.

4チームのLT 4-2.Webサービス構築チーム (mob dora) 34

36.

4チームのLT チームミッション 「今までチームが取り組んでいない技術を学習して ものづくりが行えている」をやろう! 「で、何を作ろう・・・?」 35

37.

4チームのLT チームのお題 「1週間7.5時間、1ヶ月30時間、3ヶ月90時間の中での スクラムによるプロダクト作成トライアル」 チーム構成と状態 ScM:初心者 開発者4名:スクラム開発そこそこ初心者 PO:今回初挑戦 → 超初心者(わたし) 36

38.

4チームのLT LTで作るものを決めよう! 「モブタイマーアプリ(mob dora)」開発に決定! 今回は我々が触れたことのない 開発技術である「Electron(*)」で TDD開発(初挑戦)にチャレンジだ! 我々の掲げるチームミッション とも整合するぞ! Electron:JavaScript、HTML、CSS によるデスクトップ アプリケーションを構築するフレームワーク https://www.electronjs.org/ja/docs/latest 37

39.

4チームのLT プロダクト価値は? 誰向け? 「仮説キャンバス」で 整理しよう! POの狙い Mob doraがモブプロ中に 音楽流すことで、 開発者のモブプロ時間が 楽しくなればいいなあ・・・ 38

40.

4チームのLT MVPを決めよう! ユーザーストーリーマッピングでユーザ体験を ベースに機能整理! Mob dora MVP 1. タイマーアプリ起動
 2. タイマーカウントダウン開始(タイマー時間は5分固定)
 3. 開始ボタン押下と同時に、ドラの音で開始を告げる
 4. タイマーカウントダウン中に静かなピアノの音楽が流れる
 5. カウントダウン終了3秒前に赤基調の警告画面を表示
 6. カウントダウン終了時に、ドラの音で終了を告げる 39

41.

4チームのLT 開発は1週間1スプリント(週2日=7.5時間)で実施! MVPリリース後に、機能評価を行う計画にした! 40

42.

4チームのLT この活動のふりかえり:未来ある若手開発者視点 タイマーアプリの開発ボリュームが 思った以上にあったことに驚いた 今回初挑戦だったTDDで、コードの リファクタリングもできて可読性が 上がり、品質向上に繋がった チームミッションに挑戦できた! 41

43.

4チームのLT 機能評価は自分たちがユーザになりきって実施! 操作系は好評だけど、 今回「売り」だと思っていた、 タイマー起動中に音楽を鳴らす 機能が「うるさい」と不評・・・ みんな自分たちで作ったのに、 思った以上に忖度なく、容赦な く利用者の気持ちになって評価 したね・・・ (とても良いんだけど・・・) 悔しがるPO 42

44.

4チームのLT この活動のふりかえり:のびしろしかない超初心者PO視点 小規模ながら、仮説検証型アジャイル開発1周目が体験できた! これを繰り返すことでプロダクトをよくできるのではという 感触が得られた! 仮説キャンバスで 仮説整理 ユーザーストーリー マッピングで MVP決め MVP開発 ユーザ検証 43

45.

4チームのLT 4-3.実態整備運営 44

46.

4チームのLT チームの課題 ・AWSやSlackやMiroやFigma等を適宜使用したが、ルールが 整備されておらず、煩雑になってきた(使ってないAWS資財や ボードが散乱等) 当チームのスコープ 我々はなぜここにいるのか?(ミッション) ・Saasのルール利用についてルールや実態を整備する ・継続的に続けられるルールで管理者、メンバーが喜ぶルールを作る ・管理者/メンバーの反応をこまめにみられるようにして、飽きずに やっていく。挑戦してみる 45

47.

4チームのLT 体制とスケジュール PO:私 初SM ・火曜と木曜の14:00-17:00に実施 Dev4名 46

48.

4チームのLT ポイント① (良かった点) ・モチベーションが高まらない作業を楽しめてやれた 毎スプリント、組織に 対してOUTPUTして フィードバックもらう 自分自身が学びたい 試したい要素を優先 IaC(テラ フォーム) AWS コスト効率化 焼肉レトロ スペクティブ Slack ワークフロー AWSの 変動を理解 47

49.

4チームのLT ポイント② (良かった点) SM初体験のメンバーが予想外にSMが勉強になった、楽しかったとのコ メント(周りからもSMとしてよかったというフィードバック) ・自分は主は開発者希望だが、とても 良い経験になった。 ・チームを前に進めたいと思った時の ヒントになる事が多い (ファシリテーションやふるまい、準備等) 48

50.

4チームのLT ポイント③ (課題) ・どの程度、スクラムイベント通りにやるか悩んだ :開発作業ではなく、どう進めて良いかわからなかったので、何となくの 2週間タイムボックスとしながらもスクラムイベントをちゃんとやらずに タスク設定/確認しながら進めた ⇒現状調査やチームビルディングがある程度進んでから、 ふりかえりをきっかけに、少しずつスクラムイベントを開始した ※ 結果的には良かったが、20%Scrumを枠にはめる場合、どの程度 ルール化すべきかは課題 49

51.

4チームのLT 4-4.80%チームから見た20%スクラム 50

52.

4チームのLT このチームのミッションは・・・ 顧客のプロダクト・サービスの開発に伴走して、改善やグ ロースに寄与すること 
 私たちが獲得したプロダクト開発のナレッジ(特にデザイ ン思考、仮説検証やアジャイル)を顧客組織と自社に還元 して、プロダクト開発の再現性を高めること 51

53.

4チームのLT 4名のメンバーで定性・定量調査とアイデア提案を実施
 1名のエンジニアが、活動の他に20%スクラムに参加していた 定性・定量調査と 4人のメンバーで アイデア提案 実施 Web マーケティング PO(わたし) デザイナー エンジニア兼 ScM エンジニア ユーザー インタビュー アイデア検討 & 検証 20% スクラム 参加 52

54.

4チームのLT 20%スクラムに参加したことで起きた問題についてご紹介する 定性・定量調査と アイデア提案 Web マーケティング 4人のメンバーで 実施 PO(わたし) デザイナー エンジニア兼 ScM エンジニア ユーザー インタビュー アイデア検討 & 検証 53

55.

4チームのLT 1回のスプリントで最低限満たしたいインクリメントが達成で きない(定量調査のサイクルが回らない) 54

56.

4チームのLT 1週間スプリントのポイントとなる2日間に、20%スクラム運営 のモブワークが入っているため、集中して作業を進められない 20%スクラム 理想 現実 月 火 計画! 計画! 20%スクラム 水 木 金 スタート ダッシュ!! 黙々とワーク インクリメン トの総仕上げ レビュー& レトロ 進まず焦る ・・・ 必死に キャッチ アップ 課題が出て 終わらない ・・・ ギリギリまで 追い込んで レビュー 55

57.

4チームのLT 結果として、内部に解決策を求める傾向が出た 状況を受容した対策(諦め系) ・スタートダッシュは月曜のプランニング後に行う →プランニングで悩まないように金曜のレトロ後にゴール設定を前倒しで行う ・火/木の夜に同期をとるようにした →水/金の朝に同期をするとバタバタするため ・組織の共通イベント(週10%程度)の参加を辞めた 状況を変えに行った対策(抜本系) ・スタートダッシュの仕方を変えた →作業遂行より、ステークホルダーとのコミュニケーションに振り切った 56

58.

4チームのLT 次にどうしたいか? ・ウォーターフォールの人を計画的に参画させる →スクラムチームを兼業させるのは 集中や確約を妨げるアンチパターンではないか? ・全員が20%スクラムチームに所属する →20%スクラムの活動時間は 完全休業にすることで、メリハリがつけられるのではないか? 57

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現状と今後の展望 5.現在の状況と今後の展望 58

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現状と今後の展望 実施内容を「クリエイティブブートキャンプ」という形で組織外 のメンバーも参加できるように整理 ※ 下期以降、ラボ外メンバーも入れて試せないか調整中 ⇒20%割くのは結構厳しい・・・・ 59

61.

現状と今後の展望 まとめ ・複数チームでの施策実施やそれをメタ的に確認する 運営を推進。学習のムードは高まった ・80%の本業に影響を少なくできるような運営整理は必要 ・ゼロからのチーム構築の経験での学習効果は高いため、 組織外のメンバーとのコラボレーションも試しながら、 引き続き実験を進めていきたい 60