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June 26, 24
スライド概要
DL輪読会資料
DEEP LEARNING JP [DL Papers] Introduction to Diffusion Models: In Response to the Emergence of Sora M2 Yuta Oshima, Matsuo Lab http://deeplearning.jp/
本発表の⽬的 • OpenAIによる⼤規模動画⽣成モデル Sora が出現. • デモを⾒る限りでは,これまでの動画⽣成AIを⼤きく凌ぐ⽣成を実現. • 詳細は不明だが,Vision TransformerベースのLatent Diffusion Modelsで構成され ていることがテクニカルレポートにて⽰唆されている. • それを受け,近年⼤きな注⽬を集める⽣成モデルである拡散モデルについて,基礎 的な内容を共有する. • ⽣成モデルの基礎から,ViTベースの動画⽣成モデルまでの内容をまとめた. • ⽬標は, Soraのテクニカルレポートを読んだ際に,内容が理解できるようにな ること. 2
⽬次 1. ⽣成モデルの基礎 2. 拡散モデルの基礎(DDPMを中⼼にして) 3. 拡散モデルの派⽣ 4. 動画⽣成拡散モデル 3
⽬次 1. ⽣成モデルの基礎 2. 拡散モデルの基礎(DDPMを中⼼にして) 3. 拡散モデルの派⽣ 4. 動画⽣成拡散モデル 4
⽣成モデルとは • 観測されたデータが従う分布(データ分布)をモデル化することで,それらと似 たデータを⽣成できるモデル. データ分布 𝑝!"#" (𝑥) モデル化 (近似) 生成 生成モデル 𝑝$ (𝑥) 生成 データの集合D = {𝑥 ! }"# 5
深層⽣成モデルとは • ニューラルネットワークでモデル化された⽣成モデルを,特に深層⽣成モデルと 呼ぶ. • ランダムにサンプリングされた初期値からデータを⽣成するモデルが多い. 𝑧 ランダムな 初期値 生成モデル 𝑝$ (𝑥|𝑧) 生成された データ 6
深層⽣成モデルとは • 拡散モデル以前にも,多くの深層⽣成モデルの枠組みが提案されている[8]. 7
条件付け⽣成モデルとは • ランダムな初期値の他に,条件𝒄を⼊⼒に⽤いることで,指定した条件に合った ⽣成が可能となる. • 例えばMNISTの⽣成なら,条件𝑐として数字ラベルを与えれば,その数字の画像を⽣成可能. • 条件𝑐はラベルのような単純なものである必要はない.テキストなどでも. c 𝑧 生成モデル 𝑝$ 𝑥 𝑧, 𝑐) 8
⽬次 1. ⽣成モデルの基礎 2. 拡散モデルの基礎(DDPMを中⼼にして) 3. 拡散モデルの応⽤と派⽣ 4. 動画⽣成拡散モデル 9
拡散モデルとは • 拡散モデルは,画像⽣成での成功を⽪切りに,⼤きく注⽬を集める⽣成モデル. • 発展の契機となったのは,Denoising Diffusion Probabilistic Models (DDPM)[1]と 呼ばれるモデルの登場. • GANなどの従来の⽣成モデルに⽐べ,⽣成品質や学習安定性の⾯で優れる. 10
拡散モデルとは • 拡散モデルでは,初期値のノイズから段階的にノイズを除去し,データを⽣成. • 下の図における𝑥! は,ガウス分布からランダムにサンプリングされた初期値 となっている. • ランダムな初期値テンソルからデータを⽣成する深層⽣成モデルの基本的な 設計に沿っている. 11
拡散モデルの枠組み Denoising Diffusion Probalistic Model (DDPM) [1] • データx"に徐々にガウシアンノイズを加えていき,完全なガウシアンノイズ 𝑥! ~𝑁(𝑥! ; 0, 𝐼)にする(拡散過程).ここにはNNは使⽤しない. • β# の値が⼤きいほど,ノイズの割合が⼤きい. 12
拡散モデルの枠組み Denoising Diffusion Probalistic Model (DDPM) [1] • ⽣成は,拡散過程を逆向きに辿る(逆過程).逆過程をNNでモデル化. • ノイズの乗ったデータ𝑥$ と拡散時刻𝑡を⼊⼒とし, 𝑥#%&の平均と分散を求める形 で定式化することができる. 13
拡散モデルの枠組み Denoising Diffusion Probalistic Model (DDPM) [1] • 実際は, ノイズの乗ったデータ𝑥$ と拡散時刻𝑡を⼊⼒とし, 𝑥$ に載っているノイ ズを予測する.このノイズ予測器にNNが⽤いられている. 画像引用元:深層生成モデル2024 第6回 講義資料 14
拡散モデルの枠組み Denoising Diffusion Probalistic Model (DDPM) [1] • 実際は, ノイズの乗ったデータ𝑥$ と拡散時刻𝑡を⼊⼒とし, 𝑥$ に載っているノイ ズを予測する.このノイズ予測器にNNが⽤いられている. • ノイズ予測器で予測したノイズεを 𝑥$ から引くことで,反復的にノイズを除去. 画像引用元:深層生成モデル2024 第6回 講義資料 15
拡散モデルのアーキテクチャ Denoising Diffusion Probalistic Model (DDPM) [1] • DDPMではノイズ除去器にU-Net [2] を⽤いる.各解像度の畳み込み層の前に空間 ⽅向のAttention [3] を⼊れることが,⾼い⽣成性能のために必要. 16
⽬次 1. ⽣成モデルの基礎 2. 拡散モデルの基礎(DDPMを中⼼にして) 3. 拡散モデルの派⽣ 4. 動画⽣成拡散モデル 17
条件付け拡散モデル Text to Image (T2I) の拡散モデル [9] • 条件付け⽣成モデルの枠組みを拡散モデルに応⽤した研究. • ⾔語情報で条件付けることで,柔軟な指⽰を⽣成される画像に与えることが可能. 18
軽量な拡散モデル 潜在拡散モデル [10] • VQ-VAE[11][12]等と組み合わせることで,画像を低次元の潜在変数に 落とし込み,より少ない計算量で拡散モデルを学習する. • より⾼解像度の⽣成も可能に. 19
スケーラブルな拡散モデル Scalable Diffusion Models with Transformers (DiT) [4] • Vision Transformer (ViT) で構成された拡散モデル. • ViT が持つスケーラビリティと拡散モデルを組み合わせることが動機. 20
スケーラブルな拡散モデル Scalable Diffusion Models with Transformers (DiT) [4] • 画像をそのまま扱うわけではない. • 潜在拡散モデル × パッチ化 で軽量化. • 画像𝑥をまずVAEに⼊れ,潜在変数𝑧にする. • 𝑥 256×256×3 → 𝑧 (32×32×4) • その後,潜在変数𝑧をパッチ化する. • 論⽂では𝑝 = 2, 4, 8 で実験している. • 𝑝 はパッチサイズ. 21
スケーラブルな拡散モデル Scalable Diffusion Models with Transformers (DiT) [4] • モデルサイズとパッチサイズを変えた場合の⽐較. • モデルサイズ(S, B, L, XL)が⼤きくなる,パッチサイズ(表の凡例では /𝑝 で⽰さ れる)が⼩さくなる(=計算量が増加する)ほど性能向上(スケーラブル). 22
⽬次 1. ⽣成モデルの基礎 2. 拡散モデルの基礎(DDPMを中⼼にして) 3. 拡散モデルの派⽣ 4. 動画⽣成拡散モデル 23
動画⽣成拡散モデル Video Diffusion Models (VDM) [13] • 画像⽣成の拡散モデルでは,2D UnetやViTなどに より,空間⽅向の特徴を捉えている.これにより 画像⽣成において既存の⽣成モデルを凌ぐ. • しかし,動画⽣成においては空間⽅向の特徴のみ でなく,時間⽅向の特徴を捉える必要がある. • そこで,VDMでは,空間⽅向のAttentionの他に, 時間⽅向のAttentionを,拡散モデルのUnetの内部 に追加することで,時間⽅向の特徴を捉える. (a) Video Diffusion Models 24
スケーラブルな動画⽣成拡散モデル Video Diffusion Transformer (VDT) [14] • 動画⽣成拡散モデルにDiTを⽤いた初期の研究. • DiTに,時間⽅向の依存関係を捉えるAttentionを挿⼊した. • VDMと同様に,Spatial Attn.とTemporal Attn.を繰り返す. 25
スケーラブルな動画⽣成拡散モデル Latte: Latent Diffusion Transformer for Video Generation [15] • 動画⽣成拡散モデルにDiTを⽤いる場合について広範に検証した. • スケーラビリティについての検証もされている(右). 26
参考⽂献 [1] Jonathan Ho, Ajay Jain, and Pieter Abbeel. Denoising diffusion probabilistic models. Advances in neural information processing systems, 33:6840–6851, 2020. [2] Ronneberger, O., Fischer, P., & Brox, T. (2015). U-net: Convolutional networks for biomedical image segmentation. In Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention–MICCAI 2015: 18th International Conference, Munich, Germany, October 5-9, 2015, Proceedings, Part III 18 (pp. 234-241). Springer International Publishing. [3] Shen et al., 2018 "Efficient Attention: Attention with Linear Complexities", arXiv:1812.01243 [4] William Peebles and Saining Xie. Scalable diffusion models with transformers. arXiv preprint arXiv:2212.09748, 2022. [5] Albert Gu, Karan Goel, and Christopher R.. Efficiently modeling long sequences with structured state spaces. arXiv preprint arXiv:2111.00396, 2021. [6] Albert Gu, Karan Goel, Ankit Gupta, and Christopher R.. On the parameterization and initialization of diagonal state space models. Advances in Neural Information Processing Systems, 35:35971–35983, 2022. [7] Junxiong Wang, Jing Nathan Yan, Albert Gu, and Alexander M Rush. Pretraining without attention. arXiv preprint arXiv:2212.10544, 2022. [8] https://lilianweng.github.io/posts/2021-07-11-diffusion-models/ [9] Ramesh, A., Dhariwal, P., Nichol, A., Chu, C., & Chen, M. (2022). Hierarchical text-conditional image generation with clip latents. arXiv preprint arXiv:2204.06125, 1(2), 3. [10] Rombach, Robin, et al. "High-resolution image synthesis with latent diffusion models." Proceedings of the IEEE/CVF conference on computer vision and pattern recognition. 2022. [11] Van Den Oord, Aaron, and Oriol Vinyals. "Neural discrete representation learning." Advances in neural information processing systems 30 (2017). [12] Razavi, Ali, Aaron Van den Oord, and Oriol Vinyals. "Generating diverse high-fidelity images with vq-vae-2." Advances in neural information processing systems 32 (2019). [13] Ho, Jonathan, et al. "Video diffusion models." Advances in Neural Information Processing Systems 35 (2022): 8633-8646. [14] Lu, Haoyu, et al. "Vdt: General-purpose video diffusion transformers via mask modeling." The Twelfth International Conference on Learning Representations. 2023. [15] Ma, Xin, et al. "Latte: Latent diffusion transformer for video generation." arXiv preprint arXiv:2401.03048 (2024). 27
スケーラブルな拡散モデル Scalable Diffusion Models with Transformers (DiT) [4] • 条件付け(CFG[17])の⽅法 • In-context conditioning:𝑡, 𝑐のベクトル埋め込みを,⼊⼒シーケンスに連結するだけ. • adaLN, adaLN-Zero:適応的なLayer Normalization. 28
スケーラブルな動画⽣成拡散モデル Video Diffusion Transformer (VDT) [14] • Video DiffusionにDiTを⽤いた初期の研究. • 多様な⽣成⽅法が可能なことが主張されている. 29
スケーラブルな動画⽣成拡散モデル Video Diffusion Transformer (VDT) [14] • Video DiffusionにDiTを⽤いた初期の研究. • 条件付けの⽅法についても⽐較がなされている.Token Concatが良さそう? 30
VDT: Video Diffusion Transformer • その実装の⼀部は,著者によってGithubに上げられている. – https://github.com/RERV/VDT/tree/main?tab=readme-ov-file • アルゴリズムのコードのみであり,学習や評価のコードは載せられていない. • また,学習済みモデルは最近削除された(issueで不具合が申し⽴てられたから?) 31
VDT: Video Diffusion Transformer • ⾃⾝は,以前公開されていた,Physionで学習した重みを保存していたので,そち らをまずは回した. • 最初の8フレームで条件付けた推論. 32
VDT: Video Diffusion Transformer • DiTのtrain code (こちらは公開されている)を少しいじると学習ができるというissue があったので,これをいじり,学習を実⾏した. • 現在学習中. • 画像⽣成を動画⽣成に移植する際のTipsとしては,画像と動画のデータ形式の違 いに注意すること. – その前処理はしていいか? – いつ,どのようにreshapeするか? 33
SSMを⽤いた拡散モデル Efficient State Space Models (SSMs) [5] [6] • ⼀⽅で,近年ではAttentionの有望な代替として,SSMsの研究が盛ん. • 特に初期化や学習を⼯夫することで,⻑期系列の依存関係を捉えられるように なった(S4[5], S4D[6]など)[7].詳細は,野中さん,岩澤さんの輪読会資料参照. 34
SSMを⽤いた拡散モデル Efficient State Space Models (SSMs) [5] [6] • S4を始めとするSSMsが注⽬される理由は,その⾼い⻑期依存性の把握能⼒にも 関わらず,系列⽅向の計算が並列で⾏え,計算量やメモリ消費量も少ないため. • 本研究では,SSMsの⼀つであるS4D [6] を⽤いて,Attentionを⽤いない拡散モデ ルを提案する. 35
SSMを⽤いた拡散モデル Diffusion State Space Model (DiffuSSM) • ViTにおけるTransformer Blockのように,DiffuSSM Blockを積み重ねる. • 画像をパッチにして⼊⼒している. 36
SSMを⽤いた拡散モデル Diffusion State Space Model (DiffuSSM) • ViTにおけるTransformer Blockのように, DiffuSSM Blockを積み重ねる. • S4DはBidirectionalにしている. • MLPを⽤いる際には,Down-scaleやUp-scale を⽤いて,系列⽅向に縮⼩している. 37