VRChat向け頒布アセットにおけるモダンな開発フローとは?

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March 28, 25

スライド概要

2025/03/06に開催されたイベント、「ぷちTechCon for Unity」 で発表したスライドです。
イベント概要:https://dena.connpass.com/event/339748/

VRChatという数十万人のUnityユーザーを抱える特殊な環境で、VRChatアバター向け3Dアクセサリ等をどのように制作していくかを紹介します。
VRChatについて知らないUnityユーザーの方も、このような世界があるのかと知っていただければと思います!

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各ページのテキスト
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VRChat向け頒布アセットにおける モダンな開発フローとは? Tatamo (Motoki OKUDA) ソリューション本部エンタープライズ事業部 システム開発部共通基盤G 株式会社ディー・エヌ・エー © DeNA Co., Ltd. 1

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自己紹介 奥田 幹 (Tatamo) ソリューション本部エンタープライズ事業部 システム開発部共通基盤G VRChatによくいる BOOTHで3Dアクセサリの販売を始めました https://github.com/Tatamo @__tatamo__ © DeNA Co., Ltd. 2

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1 VRChatという3Dモデル経済圏 ● 多くのVRChatユーザーがアバターとして3Dモデルを購入 ○ 国内で主流の販売プラットフォーム:BOOTH(ピクシブ株式会社) BOOTH > 3Dモデル - https://booth.pm/ja/browse/3Dモデル © DeNA Co., Ltd. 3

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2 急速に成長する市場規模 ● 2024年には3Dモデル取扱高58億円、ユーザー数21.8万人まで拡大 ● キャラクター3Dモデルの価格は5,000円~6,999円がボリュームゾーン ● 安価な3Dモデルが大量に流通する市場が出現 BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書 2025 https://inside.pixiv.blog/2025/02/19/114500 © DeNA Co., Ltd. 4

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3 アバター改変の文化 ● 購入した3Dキャラクターをそのまま使うのではなく、ユーザーごとに個性を表現 ○ キャラクター本体 + 衣装(・髪型・アクセサリ・ギミック等)を組み合わせ ○ 衣装3Dモデルも含めた市場を形成 アバター改変 VRChat向け3Dアバター「くりねこちゃん」 https://noranjp.booth.pm/items/2110871 © DeNA Co., Ltd. 5

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1 21.8万人の初心者Unityユーザー ● アバターのアップロード・改変は、VRChat SDKを用いてUnity上で行う ● アバターを購入している21.8万人は、みんなUnityを使っている! ● ほとんどの人がUnity未経験 © DeNA Co., Ltd. 6

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アバター改変の複雑さ 2 ● アバターの着せ替えは、複数の3Dモデルのマージ作業 ○ ● 手順:衣装Armatureの各ボーンを、キャラクターの対応するボーンの子に移動 ○ ● ● キャラクター3Dモデルprefab + 衣装3Dモデルprefab unpack prefabが必要な、温かみのある手作業 メンテナンス性の低下 ○ 各3Dモデルのバージョンアップへの追従が困難 ○ ほぼ不可逆 ときにはAnimatorも触る必要あり(衣装のオンオフ、アニメーション再生など) © DeNA Co., Ltd. 7

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1 非破壊的ワークフローの登場:Modular Avatar ● bd_氏によるModular Avatar https://modular-avatar.nadena.dev/ の登場 ● 非破壊かつ自動化された着せ替え ○ アバターアップロード時とPlayモードに入った時だけ処理 ■ ○ 複数のArmatureを自動的にマージ ■ © DeNA Co., Ltd. Playモードから出ると元に戻る 衣装Armatureにコンポーネントをアタッチするだけ ○ 参照パスの自動解消 ○ Animatorレイヤーのマージ機能もある 8

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2 Modular Avatarによる着せ替えワークフローの改善 ● unpack prefabしなくてよくなった ○ prefab variantが利用できるので着せ替えバリエーションを増やしやすい ○ unitypackageの再インポートでキャラクターや衣装の更新が完了 ● ヒエラルキー下にprefabを配置して着せ替え完了 ● Playモード中だけArmatureをマージするので、ヒエラルキー構造が乱れない ● prefabを取り除くだけで着せ替えを元に戻せる © DeNA Co., Ltd. 9

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3Dモデル配布者にとってのModular Avatar (MA) 3 ● 販売する衣装がMAで利用できることはユーザーに大きなメリット ● 衣装を販売・配布する人はMAを使いこなせる必要がある? ○ 実はそうでもない ○ ユーザー環境で、1クリックでMAの自動セットアップが可能 ■ ○ ● ほとんどの場合ワークする 「Modular Avatarを使ってください」と書いておくだけでOK 詳細な設定をする場合は予め設定したMAコンポーネントをアタッチして配布 ○ © DeNA Co., Ltd. アニメーションを含む場合など 10

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1 非破壊的改変スクリプトの実行基盤:NDM Framework (NDMF) ● MAと同じ作者による非破壊改変フレームワーク https://ndmf.nadena.dev/ ● MAの前提ライブラリでもある ○ MAが導入されているユーザー環境ではNDMFも動く ● アバタービルド時に任意のプラグイン処理を実行できる仕組みを提供 ○ 複数のプラグイン処理同士の依存関係を解決し、実行順を自動決定 ○ ロールバック処理を書かなくても非破壊化できる ○ 多くのアバター改変補助ツールがNDMFに準拠して開発 ■ © DeNA Co., Ltd. 配布アセットそのものに使うより、ツールの開発基盤としての役割が大きい 11

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NDMFを利用した配布用アセット開発の例 2 ● 例:3Dキャラクターモデル本体の一部のメッシュを取り除きたい ● ● ○ グローブと干渉するので手を非表示にしたい、など ○ ユーザーにBlender等のモデリングツールを使わせるのはハードルが高すぎる 特定のメッシュを取り除くEditorスクリプトを実装し、NDMF対応する ○ 実装したコンポーネントをアタッチしたprefabを配布 ○ MA等の処理と同タイミングでスクリプトを自動実行 ユーザー側の追加操作は必要ない ○ © DeNA Co., Ltd. 導入ハードルを下げ、多くのユーザーに利用してもらえる 12

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まとめ ● 多くのVRChatユーザーがUnityに触れているが、ほとんどがUnity初心者 ● それでも拡大する背景には、Modular AvatarとNDM Frameworkでの手軽な改変の実現 ● 衣装3Dモデルを配布するだけなら、何も意識しなくてもMAがうまくやってくれる ● アニメーションを含むような複雑なアセットは、MAをセットアップして配布 2016 2015 2021 フェーズの変化 ● Editorスクリプト実行が必要な場合、NDMF対応して非破壊化+ユーザー作業の削減 時期や段階での 簡単な見出しで を図式 © DeNA Co., Ltd. 13

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© DeNA Co., Ltd. 14