CTON&D_登壇_シナジーマーケティング馬場

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December 17, 24

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シナジーマーケティング 取締役 CTO

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レガシーシステムの逆襲! 長期運用の課題とクリアの方法 シナジーマーケティング株式会社 馬場彩子

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目次 1. 自己紹介 2. レガシーシステム Synergy! 3. しくじり1 : 一歩踏み出せずのリライト 4. しくじり2 : 速攻の野望、信頼の破損 5. しくじり3 : はじめてのリライトの罠 6. 長くプロダクトを運用するために 2

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自己紹介 馬場 彩子 シナジーマーケティング 最高技術責任者 特徴:最古のエンジニア (2001年 - )・でかい子ども(180cm) 役割:クラウドまわり・話し相手 ハブというかケーブル(点と点をつなぐ) 得意:俯瞰・忌憚のない意見 苦手:印刷・絵心・プリントの提出・体力勝負 好き:ビール🍺・カニ🦀 嫌い:チーズ🧀 3

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企業とプロダクトについて シナジーマーケティングとSynergy! ▍ シナジーマーケティング株式会社 2000年創業、BtoB SaaS Synergy!を提供する大阪の会社 ▍ Synergy! 顧客データ活用とLTV マーケティングを実現するCRM クラウド サービス。 2005年にローンチ。 ▍ Synergy! リライトプロジェクト 2020年 ‒ 2022年 にSynergy!をリライトするプロジェクトを実施 4

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今日お話しすること Synergy! のリライトプロジェクトの 3つのしくじりについてお話しします 1. しくじり1 : 一歩踏み出せずのリライト 2. しくじり2 : 速攻の野望、信頼の破損 3. しくじり3 : はじめてのリライトの罠 5

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しくじり1 一歩踏み出せずのリライト

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しくじり1 | 一歩踏み出せずのリライト 背景:Synergy! を変えたい! ▍ レガシーなSynergy! 2005年ローンチ。もうすぐ20年。 ▍ 伝統あるプロダクトの課題 当時最新だった採用技術の劣化。機能追加・改良のテンポが遅く なってきていた ▍ ぼんやりとした不安を解消するために 2015年あたりから、何度も「バージョンアップしよう!」 7

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しくじり1 | 一歩踏み出せずのリライト 問題:プロジェクトをスタートできない! ▍ 立ち消えになるプロジェクト Synergy!をアップデートするプロジェクトは何度か発足するが開始 することすらできない ▍ 伝統あるプロダクトを取り巻く組織構造 ステークホルダーが多い。事業責任者が「お客様」の意見を提示。 要望でスコープが肥大化。 ▍ 収束しないゴールイメージ エンジニアもお客様の要望に応えたい気持ちが強く、ゴールが発散 8

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しくじり1 | 一歩踏み出せずのリライト 改善:プロジェクトの方針を明示 ▍ プロダクトのオーナーシップを明確に Synergy!のプロダクトオーナーと意思決定の方式を明確に ▍ リライトのゴールを「Developer Experience向上」に設定 開発者体験を重視し、開発者の作業効率や満足度を向上させること により、プロダクトの堅牢性と変更容易性を高めることをゴールに ▍ 機能追加しない宣言 リライトプロジェクトのスコープをしぼり、機能追加は実施しない ことを明言 9

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しくじり1 | 一歩踏み出せずのリライト 学び:自分がプロダクトをよくするという覚悟 ▍ プロダクトはビジネスに貢献することが求められる ▍ ただし、それは事業の要望をダイレクトにプロダクトに反映させる ことではない ▍ 事業の意見は丁寧に聞きつつ、プロダクトの進化に関する意思決定 は自分でする覚悟をもつ 10

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しくじり2 速攻の野望、信頼の破損

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しくじり2 | 速攻の野望、信頼の破損 背景:CTOとしての期待とプレッシャー ▍ 2020年、リライトプロジェクト開始 3度目?4度目?となるリライトのプロジェクトを開始 ▍ CTO 就任も 2020年 新しい役職のプレッシャーと期待 ▍ 早期の成果へのあせり 「あの失敗を繰り返したくない」という重圧。「理由はだいたいわ かっている」という過信。「早く成果を出したい」というあせり。 12

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しくじり2 | 速攻の野望、信頼の破損 問題:「早くリリースしよう」に猛反発 ▍ 短期リリースの指示 「小さく早くリリースしよう」「4ヶ月後にはファーストリリースを しよう」という指示をしたが、チーム全体から猛反発 ▍ チームの空気の悪化 「厳しい」「設計や検討の時間を十分にとらなければ、DX向上につ ながらないのでは?」とチーム内の空気がピリピリ ▍ 募る不信感 一方的な指示に対抗するため率直な議論が避けられる状況に 13

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しくじり2 | 速攻の野望、信頼の破損 改善:指示をださずに対話する ▍ 意図を丁寧に説明する なぜ「4ヶ月後」を提示したのか、背景や前提を丁寧に説明 ▍ 最終的な判断はチームが行うことであることを確認 何をいつリリースするのか、最終的にオーナーシップを持っている のはチームであることを確認 ▍ チームでオープンに議論する文化の醸成 指示されたことをこなすのではない。チームで議論し決定する 14

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しくじり2 | 速攻の野望、信頼の破損 学び:責任者の受け取られ方を自覚する ▍ CTO の意見は「指示」として受け入れられる ▍ 自分の発言が、前提条件・制約なのか、希望・意見なのか、明確に 区別する ▍ 「チームが決断する」ということを何度も言い続ける 15

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しくじり3 はじめてのリライトの罠

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しくじり3 | はじめてのリライトの罠 背景:リライトってどれくらいかかるんだろう ▍ 初期開発メンバーだった私 ▍ 見積もり のベースは 初期開発 ▍ 「2年あれば終わるよね」という楽観的計画 17

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しくじり3 | はじめてのリライトの罠 問題:3年半たっても終わらない ▍ まだつづいている Synergy! のリライト プロジェクトは「完了」にしたものの、実は予定していた機能のリ ライトはまだ終わっていない🙌 ▍ オーバースペックを疑っていた最初の1,2年 慎重に丁寧に作り込み過ぎているのではないか?と思っていた ▍ チームはベストを尽くしていた チームを観察すると、QCDのバランスを見ながら、真剣に最良の方 法を模索していた 18

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しくじり3 | はじめてのリライトの罠 学習:リライトは初期開発と全く別ものである ▍ リライトはシナジーマーケティングにとってはじめての体験 「はじめての 本格的なSynergy! 開発」なメンバーも ▍ リライトでは、現行システムを維持しながら、現システムを学習し、 新システムを開発した上で、新に置き換えていかなければならない ▍ 「Re」に惑わされるな。前の繰り返しになることはなにもない 19

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長くプロダクトを提供するために

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長くプロダクトを提供するために 当たり前のことを着実丁寧に実施する ▍ 改善施策に目新しいものはない 「ゴールを明確にしましょう」「フラットに話せる場をつくりま しょう」「状況をよく観察し計画をたてましょう」... 実施した施策 に目新しいものはない ▍ 現システムと組織が大きくなると、当たり前のことをやらないこと が、プロダクトの進化の強力なブレーキになる ▍ システム・チームをスケールさせる過程でベストプラクティスを丁 寧に実行していくことが重要 21

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長くプロダクトを提供するために 変化しつづけられるものだけが進化できる ▍ 「作る能力」と「変える能力」は別物 「変える」には、「現状を学ぶ」「壊す」「作る」が包含されてい る。初期開発に携わっていた人は特に、その経験が活かせるのか、 ただのバイアスなのか、見極めが必要 ▍ シナジーマーケティングは「変え続けられるシステム」と「変える 能力を持ったチーム」を手に入れた ▍ プロジェクトを通して獲得したケイパビリティは、BtoB SaaS 企 業にとってはかけがえのない財産 22

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23 https://corp.synergy-marketing.co.jp/