大学院生はRDMをどう理解するか

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June 25, 24

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研究者の土台とも言える大学院生が、研究データ管理についてどのように理解するのかということについての取り組みをまとめたものです。

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各ページのテキスト
1.

Japan Open Science Summit 2024(JOSS2024) 2024.6.20 オンライン 研究データの未来を築く: 研究データエコシステム構築のための人材育成 大学院生はRDMをどう理解するか 淺川 槙子 (名古屋大学 情報連携推進本部 情報基盤センター) 本発表は「AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業」によるものです 1

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本日の発表内容 1 1 1 ルール・ガイドライン整備チームの 取り組み 2 2 2 大学院生が実践できるRDM 3 3 3 ルール・ガイドライン整備チームの展望 大阪大学(人材育成チーム)との連携 2

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本日の発表内容 1 1 1 ルール・ガイドライン整備チームの 取り組み 2 2 2 大学院生が実践できるRDM 3 3 3 ルール・ガイドライン整備チームの展望 大阪大学(人材育成チーム)との連携 3

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研究データエコシステム構築事業 AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業,国立情報学研究所 https://www.nii.ac.jp/creded/project.html (2024年5月7日閲覧) 4

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ルール・ガイドライン整備チームとして考える ルール・ポリシー・ガイドライン ⚫ ルール・ポリシー・ガイドラインは リテラシーとして研究者が遵守するもの ☆名古屋大学の場合 学術データポリシー、研究データに関する学内規程、 オープンアクセスポリシーなどが存在 ⚫ 研究者はこれらを理解して 研究データ管理(RDM)を実践できるか 5

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所属する組織や立場とRDMに対する意識や関わり方 機関全体 ルール・ポリシー・ガイドライン センター・附属の研究所・部局 トップダウンと現場のギャップ 研究プロジェクト・研究室 研究者 教職員・大学院生 大学院生が実践できる RDMは? 研究者の土台=大学院生 6

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本日の発表内容 1 1 1 ルール・ガイドライン整備チームの 取り組み 2 2 2 大学院生が実践できるRDM 3 3 3 ルール・ガイドライン整備チームの展望 大阪大学(人材育成チーム)との連携 7

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大学院生が実践できるRDMについて ⚫ 目標 ▷大学院生が短時間で理解できるRDM教育手法の設計 ▷ヒヤリングシートへの記入:自身の研究とRDMを振り返ることができる ▷発表・ディスカッション・ヒヤリング:自身の研究とRDMについて説明できる ⚫ 大学院生にとってのアウトプットとメリット 大学院生自身が ▷RDMに関する知識と能力を獲得すること ▷獲得した知識と能力を研究活動に活用できること 8

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RDMヒヤリングシートができるまで 大学院生 コアメンバー 1名 コアメンバー 5名 フィードバッグ 記入依頼 素材 RDMルーブリック ヒヤリング シート Ver1 素材の テコ入れ 項目28個→12個 状況・活動 ヒヤリングの 前提が不明 ゲスト回答者 5名 フィードバッグ 記入依頼 コアメンバーに よる再構成 ヒヤリング シート Ver2 ヒヤリング シート Ver3 項目12個→14個 補足説明と質問追加 大学院生が 30分で 振り返りができる RDM ヒヤリングシートの完成 項目14個→10個 項目を整理 大学院生同士の ディスカッション 9

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RDMルーブリックからヒヤリングシートVer1・2へ ⚫ RDMルーブリックへの記入を検討 葛ユニットRDMルーブリック フェーズと項目数 フェーズ 使用 PLANNING(計画) 8 ORGANIZING (取得、処理、保管) 9 ANALYZING(解析) 4 SHARING OR PUBLISHING (公開/再利用) 7 合計 28 ・内容が高度で難解 ・項目が多い(28個) ・広い研究スコープ コアメンバー自身の 日常的な研究活動を もとに記入、内容を整備 ヒヤリング ヒヤリング シートVer1 シートVer2 項目数 項目数 4 2 3 7 3 3 2 2 合計 12 合計 14 〇「葛ユニットRDMルーブリック」 家森俊彦, 梶田将司, Janice Smith, Jacques Raynauld, 能勢正仁, 青木学聡, 原正一郎, 宮野公樹, “研究データマネジメント(RDM)用の ルーブリック-Basic版-”,第8回 KUDZU DM WS(2023) 10

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ヒヤリングシートVer1・2から判明したこと ⚫ 研究データライフサイクルの実施状況とシートの評価 ▷研究データライフサイクル: 大学院生は「PLANNING」から「SHARING OR PUBLISHING」まで ひととおり実施している ▷評価 記入結果 該当フェーズ 理由 書きやすい ORGANIZING イメージしやすい 書きにくい PLANNING ①イメージしにくいから ②質問内容が重複している気がするから ANALYZING 11

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書きやすい質問(ヒヤリングシートVer2) ☆ORGANIZING DATA(データの体系的整理)生成・入手したデータに名前を付け整理する ※PLANNING DATAにあげた個々のデータについて、書けるところまで書いてください。 1. 研究データはどこに保存するのか 2.上記の研究データは持ち出し可能か 3. 1、2について、研究室のルールなのか、それとも自分で決めていることなのか 4. データの命名・分類方法 5. 4について、研究室のルールなのか、それとも自分で決めていることなのか 6. メタデータを作成するか(実験のパラメータやデータの入手日時など) 7. 6について、研究室のルールなのか、それとも自分で決めていることなのか 12

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書きにくい質問 1(ヒヤリングシートVer2) ☆PLANNING DATA(データマネジメント計画)データを生成・入手する 1. どのようなデータか? ①もともとあるデータは何か? インプットするデータ ②研究をしていく上で出てきたデータは何か? 2. アウトプットするデータ インプットするデータについてどのように入手・生成するか? ①何を使って ②どのような準備をして? ※アウトプットするデータについては、 ☆ANALIZING DATA(データの分析と成果の取り扱い)データを分析し結果を得る で詳しく書いてください。 13

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書きにくい質問 2 (ヒヤリングシートVer2から) ☆ANALYZING DATA(データの分析と成果の取り扱い)データを分析し結果を得る 1. 分析方法 2. 分析ツール(使用する機材など) 3. 分析をした結果、得られるデータ 14

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大学院生によるRDMについてのヒヤリング実践 ⚫ RDMについてのヒヤリング ▷大学院生(コアメンバー)5名から 同じ研究室の大学院生(ゲスト回答者)5名へ実施 ▷時間は30分 ▷再構成されたヒヤリングシート(Ver3)を使用 15

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ヒヤリングシートVer1・2からVer3へ ⚫ コアメンバーによる大学院生向けヒヤリングシートの再構成 〇質問形式の変更 ▷「PLANNING」と「ANALYZING」を1つの項目にまとめた 書きにくいという意見があったため ▷ 「ORGANIZING」は関連する項目同士をまとめた 他のフェーズと比較し、この項目の質問数が多いため(7個) 〇直近の学会や研究会での発表資料の提出 ▷日常の研究活動からさらに範囲を限定。イメージしやすく回答しやすい 16

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再構成されたヒヤリングシート(Ver3) 0.資料提示の依頼 この度のインタビューで話題にしていただいた研究の概要がわかる資料 (過去に発表した論文など)がありましたらご提示ください。 1. インプットするデータとして使用するもの ご自身が研究をされるうえで、実験や調査、分析などで使用するデータとしては、 どのようなものがあるかについてお答えください。 2. インプットするデータの入手、準備 先ほどお答えいただいたデータについて、どのように入手したか、また実際に研 究において利用するためにどのような下準備をしたかについてお答えください。 17

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3. アウトプットするデータ ご自身の研究において、実験や調査などの結果新たに得られるデータにはどのようなものが あるかについてお答えください。併せて、それらのデータを得るために、具体的にどのよう な過程を経るかについてもお答えください。 4.研究データの保存環境、持ち出しの可否 ご自身が研究において使用している、あるいは研究を通して新たに得られたデータは、どの ような場所で保存していますか。また、研究室からの持ち出しや外部からのアクセスなどで、 研究室以外の場所で研究データを見たり使ったりすることは可能となっていますか。 5.データの命名・分類方法 研究で使用する、あるいは新たに得たデータについて、各データにどのように名前を付けて いるか、またどのように整理や分類などをしているかについてお答えください。 6. データの一覧整理 データを整理する上で、各データに関係する情報を別の場所に一覧としてまとめるような ことはされていますか。また、されている場合はどのような項目をどのような方針で まとめているかについてお答えください。 18

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ルール・ガイドライン とつながる 7.研究室でのルールの有無 研究データの保存や整理、分析などの方法について、例えば実験の記録の取り方や使用した データの残し方などは、研究室全体で共通のルールとして決められているものか、自身のプ ロジェクトで独自に方針を定めているものでしょうか。 8.データの共有 ご自身の研究で生成されたデータは、ほかの誰かと共有していますか。また、されている場 合はどのようなデータを、誰に対して、どのような形式で共有しているかについてお答えく ださい。 9.次の研究に向けたデータの整理など 研究で生成されたデータを、次のステップや別のタスクの新たな研究で利用するために、 データの整理などで実践していることがあればお答えください。 19

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RDMについてのヒヤリングから判明したこと ヒヤリング結果とそれによる大学院生の気づき ▷研究データライフサイクル: 「PLANNING」から「SHARING OR PUBLISHING」までひととおり 実施している ▷研究室内のルールは個々の裁量に任せている部分が多いと判明 ▷RDMについて意識しないで研究をおこなっていた ▷自分の研究内容とRDMを客観的に見つめる機会になった ▷データの記録方法や保管方法を見直そうと思った 20

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この取り組みでできたこと ⚫ 大学院生が短時間で理解できるRDM教育手法を設計すること ▷30分でできるヒヤリングシート作成、ヒヤリング実践 ⚫ 大学院生自身がRDMに関する知識を獲得すること ▷「調査研究を通じて自身のRDMについての気づきがあった」との感想 ⚫ 大学院生自身がRDMに関する実践できる能力を獲得すること ▷「記録方法やデータの保管方法を見直そうと思った」との感想 21

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今後の展望 ⚫ 研究室内のルールについて: 大学院生と指導教員間での齟齬を調査 ルール・ガイドライン とつながる ▷大学院生記入のヒヤリングシートを指導教員に見てもらう ▷RDMの意識について、組織のポリシーと研究者の実践との ギャップを埋めるための手がかりを見つける 【インスタントRDM入門】 の可能性 ⚫ ヒヤリングシートの活用: 専門分野を問わず実践できるRDMを最低30分で ▷授業や説明会で研究データを扱う際に使用してもらうなど 22

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本日の発表内容 1 1 1 ルール・ガイドライン整備チームの 取り組み 2 2 2 大学院生が実践できるRDM 3 3 3 ルール・ガイドライン整備チームの展望 大阪大学(人材育成チーム)との連携 23

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ルール・ガイドライン整備チームの展望 大阪大学(人材育成チーム)との連携 ルール・ガイドライン整備チームの展望 大阪大学(人材育成チーム)との連携 ・研究活動に生かせるポリシー(実施方針)と ガイドラインの策定、方法論を全国展開 ・ポリシーやガイドラインを生かし、 RDMに取り組める人材の育成 研究者(大学院生)の実態は? 大学院生へのRDMに関する取り組み ・ヒヤリングシートへの記入: 大学院生の振り返りができた ・ヒヤリング:現状についての 「生の声」の集約 人材育成のため カリキュラム面での連携 24

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謝 辞 本取り組み、本発表にあたり、多大なご助言をいただきました 青木学聡教授(名古屋大学)と、半年間、調査研究にご協力いただきました 大学院生の方々、また関係者の方々に篤く御礼申し上げます 大学院生(コアメンバー)の方々 阿如汗畢力格さん 生駒流季さん 史家梁さん 福地康佑さん 呂政慧さん 25