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January 18, 23
スライド概要
PCやスマホで完結するサービスだけでなく、モビリティサービスにおいてもデジタル化やソフトウェアによる高度化が進もうとしている。MaaS (Mobility as a Service) はその典型である。一方で、現実の社会の中でデジタルによるモビリティサービスを実現しようとすると、企業や組織間の壁、紙やアナログ主体の行政の壁など様々な障害が存在し、その実現のためには技術課題と社会課題の双方を解決する必要がある。この講演では、公共交通オープンデータの推進を端緒とする公共交通DXの取り組み、行政におけるデジタルデータ活用やデータに基づく政策立案の支援、信号制御や道路交通インフラの高度化の実現などのこれまでの取り組みを紹介しつつ、デジタル基盤上で実現するモビリティの姿とその実現への道筋を議論する。
伊藤昌毅 東京大学 大学院情報理工学系研究科 附属ソーシャルICT研究センター 准教授。ITによる交通の高度化を研究しています。標準的なバス情報フォーマット広め隊/日本バス情報協会
2023年1月18日 オンライン開催 日立 社内研究発表会 デジタルxモビリティ IT×モビリティ: 車両・インフラ・利用者の デジタル化の先にあるモビリティサービスを考える 東京大学 大学院情報理工学系研究科 附属ソーシャルICT研究センター 伊藤昌毅
伊藤 昌毅 • 東京大学 大学院情報理工学系研究科 附属ソーシャルICT研究センター 准教授 • 専門分野 • • – – ユビキタスコンピューティング 交通情報学 – – – – – – – – 静岡県掛川市出身 2002 慶應義塾大学 環境情報学部卒 2009 博士(政策・メディア) 指導教員: 慶應義塾大学 徳田英幸教授 2008-2010 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別研究助教 2010-2013 鳥取大学 大学院工学研究科 助教 2013-2019 東京大学 生産技術研究所 助教 2019-2021 東京大学 生産技術研究所 特任講師 2021-現在 現職 – 運行管理者(旅客) 経歴 資格 2
伊藤×国土交通省 • • • • • • • 標準フォーマット関連 – – – – バス情報の効率的な収集・共有に向けた検討会 座長(H28年度) 標準的なバス情報フォーマット利活用検討会 座長(H29年度) バス情報の静的・動的データ利活用検討会 座長(H30年度) GTFS-JPに関する検討会 委員(R2年度) – 公共交通分野におけるオープンデータ推進に関する検討会 委員(H29年度-R3年度) – – 都市と地方における新たなモビリティサービスのあり方懇談会 委員(H30年度) 新モビリティサービス推進事業有識者委員会 委員(R1年度) – 交通政策基本計画小委員会 委員(R1年度-) – シェアサイクルの在り方検討委員(R1年度-) – 鉄道の混雑緩和に資する情報提供のあり方に関する勉強会 委員(R2年度) – 運行管理高度化検討会・ワーキンググループ(R2年度-) オープンデータ関連 MaaS関連 交通政策審議会 シェアサイクル 鉄道 点呼
伊藤×経済産業省・総務省 • 経済産業省 オープンデータ関連 – 官民データの相互運用性実現に向けた検討会 座長(H29年度) – 情報共有基盤 利用促進ワーキンググループ 委員(H30年度) • 総務省 オープンデータ関連 – 地域情報化アドバイザー(R2年度〜R3年度)
伊藤×地方自治体 • • • • • • • 沖縄観光2次交通の利便性向上に向けた検討委員会 座長(H30年度〜) 群馬県バスロケーションシステム実証実験 アドバイザー(R1年度) さいたま市 スマート駅広研究会 副会長(R2年度〜R3年度) 佐賀市 街なか未来技術活用モデルプラン策定業務有識者会議 委員(R2年度) 東京都 東京都における地域公共交通の在り方検討会 委員(R2年度〜R3年度) 熊本市 熊本版MaaS勉強会 有識者委員(R3年度〜) 杉並区地域公共交通活性化協議会 会長(R3年度〜) • その他自治体主催のイベントでの講演多数 – 静岡県掛川市、石川県能美市、群馬県、島根県安来市、沖縄県、富山県、岐阜県、北海道など
2010〜 鳥取大学:「IT×公共交通」との出会い
2010年〜2013年 バスネット: 鳥取大学発 バス・鉄道乗換案内 の開発 • 年間4万人を超えるユニークユーザ • 年間30万件を超える検索数 • 総務大臣賞 産学官連携功労者表彰,平成21年 • 総務大臣表彰 U-Japan大賞 地域活性化部門賞, 平成20年 • ほか受賞多数
計画からバス利用過程全体の支援へ • バスを知り,バスに乗りたくなる「バスネット」 • 評判を伝え,バスに誘いたくなる「バスネット」 近所のバス 停はどこ? 認識 車よりも便 利なの? 欲求 便利だった! みんなも乗ろ う! 乗りたいけ どいつ来 る? 計画 バスネット バス移動 共有
行動パターンからバスを提案 • スマートフォンが移動を記録し、よく行く場所を 抽出 • よく行く場所への経路を能動的に提案 – 「12分後に現在地を出発すれば,イオン鳥取北店に14:23に到 着します」 • Androidウィジェットとして実現 • 「バスでも案外早く着くんだ」 • 「まだ終バスに間に合うからゆっくりしよう」
位置情報履歴から滞在点のみを抽出 1. 定期的に位置情報を取得 2. 移動中の地点を除く 3. クラスタリングで類似データを まとめる 4. 場所の名前を検索し紐付け
次の行動を推測してバス乗車を提案 1クリックで経路を表示 よく行く場所を地 図で確認
経路はわかった、その先は? • • • • バス停はどこにある?上り?下り? 乗るバスはどれ?間に合うかな? 遅れてるようだけど、いつ着く? お金はいつ払うの? • →バスの乗車を詳細に支援するナビゲーションシステム
バス停まで: ピンポイントに徒歩ナビ • 地図と写真で、目的のバス停 まで迷わず導く • 距離や位置がわかるので、焦 らず歩ける
バス停では: 焦らず、迷わずバスを待つ • 時間があれば、コンビニや郵 便局にも • 次々とバスが来ても迷わない • 必要な小銭が今のうちにわか る
バスに乗ったら: 景色がわからなくても 安心
画面に従うだけで、不安のないバス利用が実現 • 現在位置や時刻を元に状態を認識し、案内を 自動切換 • 乗り換えやバス停間の移動にも対応 • 並行してバス停詳細調査を実施 – 上下各バス停の正確な緯度経度 – 様々な角度からのバス停の写真 – 待合室、コンビニ等の有無 バスから 降車 バス停へ 到着 徒歩移動中 • ビッグデータ収集のための基盤技術としても 期待 バスへ乗車 乗車中 待機中
スマートフォンによるバスロケーションシステムの開発 • GPS搭載スマートフォンを車載端末として利用することで,低コ ストな設置,運用を実現 – 鳥取市の15路線で運用→現在は鳥取県全域で稼働中 バスネット サーバ リアルタイム 位置情報 位置から遅れを 推測
バスネット利用者の行動分析 • Webやアプリの利用データのビックデータ分析から、公共交通 への需要を明らかに 出発地設定 目的地 イオン鳥取北 (バス停) 鳥取駅 (バス停) 県庁日赤前 (バス停) イオン鳥取北 (バス停) 鳥取砂丘 (バス停) 500 450 400 350 300 250 利用数 順位 出発地 鳥取駅 1 (バス停) イオン鳥取北 2 (バス停) 鳥取駅 3 (バス停) 鳥商前 4 (バス停) 鳥取駅 5 (バス停) 目的地設定 200 150 100 50 0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 時間帯 h 鳥取駅バス停 区間ごとの需要 地域別の需要分布 バス停ごとの乗降パターン 18 20 22 24
アクセスログ解析システムの開発 • 直感的な解析を実現するWebインタフェースの開発 – Hadoopを使った分散処理でデータ解析を高速に実現 – 総務省戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)地域ICT新興型研究開発に採 択
公共交通のオープンデータ運動
地域の公共交通は乗換案内に出てこない
地域の公共交通は乗換案内に出てこない データ整備にはコストが掛かるため 利用者数が少ない地域のバスにまで 手が回らない 交通事業者が自ら 標準形式のオープンデータを用意して 乗換案内に提供する
海外の事例: 交通事業者がオープンデータを提供 • 路線図、時刻表、リアルタイム車両位置情報などのデータの利用を開放 • 自由に使ってもらうことで、アプリの作成や工夫を凝らした印刷物などの情 報提供を促進 • アメリカ、ヨーロッパでは当たり前になりつつある
GTFS形式 • 世界で広く使われる形式 • 乗換案内に必要な情報(バス停・駅+路線+時刻表+運賃)をまとめて格納 したファイル形式 バス停/駅+路線 時刻 運賃
オープンデータから様々なアプリが開発される • 大企業、ベンチャー−企業、個人がアプリ開発
DB(ドイツ鉄道)オープンデータハッカソン • ああ
日本の公共交通データ流通の現状 JR 私鉄 交通新聞社 私鉄 私鉄 バス バス バス JTBパブリッシング バスデータに関しては、集約して販売する 事業者がなく、乗換案内事業者それぞれが 独自で一社一社のデータを集めている 乗換案内サービス事業者
2014年〜 静岡県でコミュニティバスのオー プンデータ化の取り組み • 県庁、市役所、地元IT企業等とGTFSによるオー プンデータ化を実現 – Google Mapsへ提供可能に • アイデアソン、ハッカソンで地域でのデータ活用 を目指す
学会発表を繰り返す • 交通の専門家は学会に結集している • ならばそこに参加してオープンデータ を訴える
「交通ジオメディアサミット 〜 IT×公共交通 2020年とその先の未来を考える〜」 開催 • • • • • 2016年2月12日開催(東大駒場第2キャンパス コンベンションホール) 195人来場 産(現場寄り): JR東日本、バイタルリード(出雲市の交通コンサルタント) 産(IT寄り): ジョルダン、ナビタイム、ヴァル研究所(駅すぱあと) 官: 国土交通省、学: 東京大学(私) コミュニティ: Code for Japan、 路線図ドットコムなど
バス情報の効率的な収集・共有に向けた 検討会(2016年12月〜2017年3月) • 事務局: 総合政策局公共交通政策部交通計画課 • 外部委員 – – – – – – – – – – 伊藤昌毅 東京大学生産技術研究所(座長) ー川雄一 株式会社構造計画研究所 伊藤浩之 公共交通利用促進ネットワーク 井上佳国 ジョルダン株式会社 遠藤治男 日本バス協会 櫻井浩司 株式会社駅探 篠原雄大 株式会社ナビタイムジャパン 丹賀浩太郎 株式会社工房 別所正博 公共交通オープンデータ協議会 山本直樹 株式会社ヴァル研究所
2017年3月31日 「標準的なバス情報フォーマット」公開
2018年7月:23 2019年2月:90 2018年11月:30 2019年7月:126 44
22年3月 22年1月 21年11月 21年9月 21年7月 21年5月 21年3月 21年1月 20年11月 20年9月 20年7月 20年5月 20年3月 20年1月 19年11月 19年9月 19年7月 19年5月 19年3月 19年1月 18年11月 18年9月 18年7月 18年5月 18年3月 18年1月 17年11月 17年9月 17年7月 本年も順調にオープンデータが増加 オープンデータ提供事業者数 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0
オープンデータとして公開 • Webページからデータを誰でもダウンロード出来るように
ワンソース・マルチユース 乗り換え案内 マイ路線図・マイ時刻表 公共交通 オープンデータ 交通分析 service_id route_name 平日 250号線 [3102](片上→岡山駅) 行ラベル 06:52 08:40 10:35 15:11 17:05 総計 計画 最小 中央値最大 120 83 92 102 106 78 78 83 90 100 76 76 80 84 75 79 81 88 80 85 87 98 111 60 79.4 82 89 96 • • 40 計画 中央値 20 最小 最大 17:05 15:11 10:35 08:40 06:52 0 データを使った様々なアプリ開発や 交通分析が実現 データ分析やアプリ開発によって公 共交通の利便性が向上
Google Mapsで検索可能に • • いつも使ってるスマホアプリから自然にバス 情報にアクセス可能 外国人も使っているアプリ
「駅すぱあと/Yahoo!乗換案内」がオープン データを採用 • オープンデータ化されたバスデータを経路探索に採用 https://ekiworld.net/personal/app/spec/info.html?style=pc
サイネージでの活用
市民発のアプリも登場 • Aa 青バスなう! https://sonohino-kibunshidai.org/aobus_now/ UnoMap https://play.google.com/store/apps/details?id=work.momizi.unomap&hl=ja
オープンデータ活用ハッカソン • アプリ、乗り換え案内以外へも活用が検討される
都バスのサービスレベルを把握するマップを作成
サービスレベル可視化:中心地からの到達時間
サービスレベル可視化:地域ごとの通える高校数
IT×公共交通のコミュニティを作り育てる
「標準的なバス情報フォーマット 広め隊」結成 • このフォーマットに基づいた公共 交通データの整備を推進する自主 的な活動が全国で同時多発的に発 生 • バス事業者との協業 • 自治体との協業 • ツールの開発 • 公共交通利用促進の一環として 2017年11月 「くらしの足をみんなで考える全国 フォーラム2017」ポスター出展→
全国でさまざま講演
フリーのデータ作成ツール開発・提供・利用支援 • 西沢ツール – 西沢明氏開発 – 約40+自治体・事業者が利用 • 見える化共通入力フォーマット – 伊藤浩之氏開発 • 当初は三重県のプロジェクトで利用 – 約33自治体・事業者が利用
その筋屋 • 無償配布されているダ イヤ編集システム • プロ向けダイヤシステ ムと同等の機能を備え、 バス事業の運営に利用 出来る • GTFS/標準的なバス情 報フォーマット出力機 能を備える http://www.sinjidai.com/sujiya/
公共交通オープンデータ最前線 in インター ナショナルオープンデータデイ2018 開催 • 2018年3月3日(土) 東大生研 コンベンションホールにて 180名の参加者 – 22件の発表:国土交通省、トラフィックブレイン、その筋屋、みちのりHD、九 州産業大学、青森市営バス、NEXCO西日本、ヴァル研究所など
日本バス情報協会 設立! 準備メンバー • 西沢明(東京大学 空間情報科学研究センター 客員研 究員)※代表 • 伊藤浩之(公共交通利用促進ネットワーク) • 伊藤昌毅(東京大学 生産技術研究所 特任講師) • 井原雄人(早稲田大学スマート社会技術融合研究機 構) • 太田恒平(株式会社トラフィックブレイン) • 野津直樹(株式会社トラフィックブレイン) • 諸星賢治(MoDip/株式会社トラフィックブレイン) https://www.gtfs.jp/blog/preparatory-committee/
信号機をITで作ってみた 82
DC信号灯器の開発 ・実物の信号灯器を改造してDC電源で動作する信号灯器を開発(三球電機) ・RS-232Cで接続したPC・Raspberry Piからの制御や明るさの調光が可能 テスト用 信号灯器全体 信号灯器内部 信号灯器外部IF 83
IoT信号機を独自に開発 • DC12V, 5Vを供給 • ソーラー+蓄電池で安定した電源供給 • 省電力化により24時間駆動も視野に 横型灯器 ソーラー+蓄電池 • 自動車通行状況のセンシングに利用 • 画像認識と組み合わせ、リアルタイムで交差点へ進入する自動車 の位置や速度などを把握 IPカメラ 組込コンピュータ • 信号制御ロジックとして交通状態に最適な信号制御 • 画像認識として、カメラ画像から自動車を抽出、速度などを算出 • 通信機能として、複数の信号機同士を接続、情報交換 縦型灯器 NVIDIA Jetson Xavier NX Raspberry Pi 84
実際に稼働する「交差点」を実現 • ソーラー電源装置 • (株)エル光源 • 信号機の開発、敷設工事 • 三球電機(株) • 組み込みコンピュータを制 御器ボックス内に設置 85
通信はWi-Fiを利用・5GやBeyond 5Gへの拡張も想定 • 各ポールにWi-Fiルータを設置し相互に接続。 交差点内で完結したネットワークを構築 • Pub/Subモデルによる通信 • RabbitMQを利用 86
交通センシング ーすべては測ることからはじまるが・・・ ー 超音波式車両感知器 路面からの反射で車が通過しているか どうかを連続的に判定 光ビーコン https://www.seiss.co.jp/products/its/sensor/ 89
交通センシング ー機械学習の最新技術を応用 YOLO: ディープラーニングによって物体を検出、識別する最新手法 2016年に提案され改良が続いている 高速・高性能 高性能なPCで動画(1秒間30コマ)の認識が可能 Deep SORT: リアルタイム物体追跡の最新手法 前後のコマ同一の物体を認識、移動を検出 90
低消費電力な小型組み込みプラットフォームに実装 • 「自動車の検出」という課題に向けたチュー ニング • NVIDIA製の小型組込プラットフォームJetson への実装 • • 機械学習を高速に処理するGPU搭載 消費電力15W、価格約5万円 91
Step1: 信号ポールのカメラ(4台・4方向)から動画撮影 X 92
Step2: 自動車の識別・追跡を高速に繰り返す 93
Step3: 地図上に投影・車線上の位置や速度を推定 • 精度、速度はデモをご確認ください 94
デジタルツインに交通シミュレータ SUMOを組み合わせて未来予測 95
提案する信号制御ロジック • リアルタイムにその瞬間瞬間の最適な灯色を提示 • センサで交差点周辺の交通状況を正確に把握 • 「もしこの方向に青を出したらこの後どうなる?赤だったらどうなる?」というよ うな、数十秒後の近未来を網羅的に予測し評価 車1台1台の振る舞いを評価し、それを総合して最善手を決定 • • センサ技術+交通シミュレーション技術+小型高性能コンピュータが広く利用 出来る時代に可能になった信号制御ロジック 97
制御ロジック1/2 : 「動線交錯」を考慮し選択肢を列挙 1: それぞれの方向で赤か青を選択 できるとして、交差点のすべて選 択肢を列挙 2: 導線の交錯を考慮し可能な 選択肢を選択 ◯ 交錯あり × 交錯なし B C A 交 錯 関 係 D 片側1車線4流入路の交差点の すべての選択肢|24 = 16 可能な選択肢|16 のうち 7 98
制御ロジック2/2 : 各選択肢の際の交通を予測し最善のものを選択 • • 選択肢2 選択肢3 選択肢4 選択肢1 総遅れ|118秒 ⻘信号| 2 選択肢2 総遅れ|110秒 ⻘信号| 1 選択肢3 総遅れ|135秒 ⻘信号| 2 選択肢4 総遅れ|138秒 ⻘信号| 1 選択肢5 選択肢6 選択肢7 選択肢5 総遅れ|117秒 ⻘信号| 1 選択肢6 総遅れ|135秒 ⻘信号| 1 選択肢7 総遅れ|138秒 ⻘信号| 0 ➢シミュレータ で15秒後を予測 今の交通状況(交差点に進入する車の位置、速度、右左折)をセンシング 各選択肢に切り替えた場合の15秒後の姿を交通シミュレータで予測 • • • 選択肢1 制御器内でシミュレータソフトが7プロセス稼働している 遅れ時間(各車が制約なく走った場合との差)の合計がいちばん小さい候補を選択 5秒おきに15秒後を予測し制御を繰り返す 99
提案手法を交通シミュレータSUMOを用いて検証 100
101
信号が状況を認識して動けばいいのに! 青なのに 右折が詰まり 進めない 102
103
柔軟な制御を実現した例 「右折の詰まり」に対して、状況に応じた最適な制御が行われた 継続時間 (s) 10 10 5 20 A B C D ★ 5秒だけ対向車を止めて「右折を通す」 10 10 10 10 A B C D ★ 10秒だけ右折を止めて「対向車を通す」 104
領域の壁を越えた技術開発 • ハードとソフト – 信号機ハードウェアとAI・シミュレーションソフトウェアの融合 • 交通インフラと車両 – インフラは所与のものではなく交通流のために機能する • 情報工学と交通工学 – 複数の分野の研究者の共同研究
モビリティは100年に一度の大変革の時代
2018年3月5日号 2018年9月号 2019年4月29日号 2019年7月30日号
車両目線で次のモビリティを考えるなら CASE
CASE: 自動車産業が見据えている方向性 • C: Connected – 通信・ネットワーク化 • A: Autonomous – 自動運転 • S: Shared and Service – サービス化 • E: Electric – 電動化 • 2016年にダイムラーが提唱・一企業に留まらない自動車産業の方向性を示 すキーワードとなる https://www.daimler.com/innovation/case-2.html
TESLA • イーロンマスク氏による電気自動車ベン チャー企業 – 2003年創業 • 自動運転に対応したハードウェアを標準 装備 – カメラや超音波、レーダーなどで周辺を認識 – オートパイロット機能を提供 – 現在は完全な自動運転ではないが、将来は完全自 動運転に対応? – ソフトウェアアップデートで機能追加 • 利用者の運転行動を通してアルゴリズム を進化 • Webでカスタマイズ・オーダー https://ja.wikipedia.org/wiki/テスラ・モデル3
https://response.jp/article/2019/02/28/319596.html
MaaS (Mobility as a Service)
MaaSとは? • ドア・ツー・ドアの移動に対し、 様々な移動手法・サービスを組み合わ せて1つの移動サービスとして捉えるものであり、ワンストップでシーム レスな移動が可能となる。 • 加えて、様々な移動手段・サービスの個々のサービス自体と価格を統合 して、 一つのサービスとしてプライシングすることにより、いわば「統 合一貫サービス」 を新たに生み出すものであり、価格面における利便性 の向上により利用者の移動行動に変化をもたらし、移動需要・交通流の マネジメント、さらには、供給の効率化も期待できる。 • 小売・飲食等の商業、宿泊・観光、物流などあらゆるサービス分野との 連携や、医療、福祉、教育、一般行政サービスとの連携により、移動手 段・サービスの高付加価値化、より一層の需要の拡大も期待できる。 (国交省 都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会中間とりまとめより)
MaaS Global社による定義 • あらゆる種類の移動手段を単一の 直感的なモバイルアプリにまとめ ます。さまざまな事業者が提供す る移動の選択肢をシームレスに組 み合わせて、旅行計画から支払い まですべてを取り扱います。オン デマンドで旅行を購入する場合で も、手頃な価格の月額パッケージ をサブスクライブする場合でも、 MaaSは最善の方法であなたの移 動のニーズに応えます。
Whim by MaaS Global • • ヘルシンキ(フィンランド)でMaaSを実現 Whim というアプリを通して鉄道、バス、タ クシー、自転車などの組み合わせ検索や予約決 済を実現 https://whimapp.com
https://note.mu/kakudosuzuki/n/n01c8ab0f9b84 Whimの利用 • xx
Whimのプラン: 料金により交通行動を誘導
変身するLA マイカーなしでも移動に不自由なし モビリティー革命進行する米国 • 牧村和彦氏(計量計画研究所) による現地レポート • 米国にて、車社会から新しいモ ビリティサービスによるまちづ くりが始まっていることを報告 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33296960T20C18A7000000/
「全ての交通サービスが自分の ポケットの中にある」 という、 今までに感じたことのない 異次元の感覚
中心はハードから ソフト・データへ
コンピュータの歴史(の一部) メインフレーム (1950年代〜) ワークステーション (1980年代〜) ラップトップ (1990年代〜) タブレットPC (2000年代〜) ミニコンピュータ (1970年代〜) IBM System/360 UNIX, インターネット などのはじまり パーソナルコンピュータ (1980年代〜) PDA (1990年代〜) スマートフォン (2000年代〜)
ガラケー(通信機)からスマホ(コンピュータ)へ • 連続的な進化ではない – – – – 技術基盤の変化: 組み込みソフトウェアから現代的なOSヘ 事業構造の変化: キャリア主導からプラットフォーマー主導へ 国内多メーカーから国際的に集約へ ハードウェアの多様性からソフトウェアの多様性へ
Software Is Eating the World • マーク・アンドリーセン氏によるウォールストリート ジャーナル紙への寄稿文(2011年8月) • さまざまな既存事業や業界が、ソフトウェア上に再構築され、オン ラインサービス化しつつある。 • 映画、農業から国防にいたるまで、このトレンドの勝者の多くはシ リコンバレー型起業家が経営するテクノロジー企業だ。 • こういった新興企業が既存の業界構造に襲いかかり、破壊しつつあ る。 • 今後10年、もっと多くの業界のビジネスモデルがソフトウェアに よって再編され、世界を席巻するシリコンバレー企業がさまざまな 分野で変革をもたらすことになるだろう。 https://trailblazing.hatenablog.com/entry/2015/05/27/インターネット:マーク・アンドリーセンの予
自動車・自動車産業は どう変わるか?
• xx トヨタの求人広告が話題に(2017年) https://adgang.jp/2017/10/151302.html
次世代 Apple Car Play • 2022年6月のWWDCで発表
もっと知りたい人は・・・ • 5年後のビジネス構造変化を読み解く、 最良の教材は自動車産業だった! ガソリン車の廃止 世界規模の再編 水平 分業の大波 そしてコネクテッド 日本経済の大黒柱は大丈夫か 世界の自動車産業を知り尽くすコンサル タント・ジャーナリストの描く未来 忖度なしに「自動車業界」の現状を描く https://www.amazon.co.jp/dp/4065235294/
IT産業としての モビリティを構想する
第5章 情報技術による再構築 2021年8月発行 • モビリティはIT産業になる × ITは地域モビリティにどう役立つの か? ○ IT企業としての地域モビリティ企業 を生み出す必要がある
なぜモビリティはIT産業になるのか(ITの強み) • 供給の最適化が可能 – 移動したい人に速やかに最適な移動手段を提供 • 需要の喚起や制御ができる – TDMのようなことを、もっと自然に、気付かれずに出来る • 需要と供給の一体的制御 – プラットフォーマーを介して需要と供給がリアルタイムに調整される • 低熟練者の高付加価値化 – ITのサポートで運転や案内などが可能に – 人材不足に対応
供給の最適化が可能 → 受け身の最適化 • 移動したい人に速やかに最適な移動手段を提供 • 自動運転、スマートシティにより更に加速が期待
需要の喚起や制御ができる • 移動したい人に速やかに最適な移動手段を提供 • TDMのようなことを、もっと自然に、気付かれずに出来る • 「需要は作り出すことが出来る」という発想は民間企業のほう が馴染みやすいのではないか?
研究開発概要 行動変容と交通インフラの動的制御によるスマートな都市交通基盤技術の研究開発 • 「交通」という応用領域からB5Gの要素技術の具現化、社会実装への道筋を作る 項目2: 交通行動を導くセンシングとユーザインタフェース技術 項目1: 最適化された公共交通の動的供給技術 自由で円滑な移動 車両 データに基づく公共交通計 ダイナミックダイヤ: 需 画: 地域全体の長期的公共要に応じてバスを適切に運 交通計画を複数の交通モー 行 ドを跨いで最適化 特性を配慮した交 通制御 交通行動変容:心理学・行動 経済学・XR (Extended Reality)な どを活用した情報提示で、人 や車両の交通行動を誘導 人 道路 都市インフラの 負荷軽減 交通センシング:スマートフォン などで交通行動を推定 項目3: 個々の利用者を考慮したリアルタイム交通制御技術 交通可視化: 交通制御の影響 の可視化による社会受容の実 現 項目4: 交通インフラの管理や制御 を実現するプラットフォーム技術 MaaSデータ基盤技術: 視覚化・分析・制御 基盤 AI信号制御: リアルタ イムセンシングに基づき 交通信号制御 都市交通基盤通信技術: 車両、信号機、交通センサ、歩 行者などを同時接続 超低遅延 超安全・信頼性 超多数同時接続 自律性 225
主要なメンバー 組織 東京大学(9研究室) 所属・役職 代表者 担当分野 情報理工学系研究科 准教授 伊藤昌毅 IT交通改善、AI交通信号 生産技術研究所 教授 大口敬 交通工学、道路信号 空間情報科学研究センター・生 瀬崎薫 産技術研究所 教授 情報ネットワーク、IoT、モ バイル空間センシング 情報理工学系研究科 准教授 塚田学 ITS通信技術 工学系研究科 教授 中尾彰宏 次世代サイバーインフラ 生産技術研究所 教授 中野公彦 機械生体システム制御工学 空間情報科学研究センター 講師 西山勇毅 モバイル・ウェアラブルセン シング 生産技術研究所 教授 ペニントン マイルス デザイン先導イノベーション 生産技術研究所 准教授 本間健太郎 空間デザイン数理 トラフィックブレイン 代表取締役 太田恒平 ダイヤ改善、IT交通改善 MaaS Tech Japan 代表取締役 日高洋佑 MaaSデータ基盤 226
高度なICTを活用した交通計画・運行・広報を現場で実践 目指す姿 渋滞半減、車1割削減、公共交通2倍 2022年3月 熊本市大西市長へプロジェクト提案 熊本市 都市政策部・交通政策部の各課とミーティング 227
熊本都市交通リノベーションを提案 → チーム拡大中 交通が重要な社会課題 ◼交通課題:鉄軌道が乏しく、渋滞が激しく、公共交通分担率が低い • 政令市ワーストの渋滞が重要な社会課題。バスの活用が肝。 ◼都市交通政策:独立採算が成り立たなくなっているが政策が乏しい • 過疎地生活交通、三大都市圏鉄道と比べ国策が乏しい。都市交通計画も挫折してきた。 研究開発体制の拡がり ◼協力体制:共同経営推進室(バス5社+行政)を中心とした協力体制 ◼拡大:県庁・周辺市町・Code for Kumamoto・3大学等 • 事業者、行政を主体とした取り組みにおいても、データ活用が視野に入るように 228
ビッグデータによるボトルネックの発見と改善 231
複数ビッグデータの総合的分析で交通の実態を把握 各種のビッグデータの 特性や精度を比較し活 用可能性を検討 通勤者トリップの所要時間ヒストグラム(5分単位) 総移動者数
バス遅延マップ 平日7:30-8:00 遅延 累積遅延[分] 50%タイル 2021年11-12月 速度 郊外 方向 旧国道 3号 旧国道57号 15分遅延 熊本東BPを 渡るあたりで 遅延拡大 歩いた方が早い 熊本東バイパス の横断 バスロケ速度の 中央値[km/h] 郊外 方向 郊外 方向
自動ダイヤ改正システム「Dia Brain」 バスロケデータを基に自動で所要時間を設定し 早発と遅延の両方を抑制 岡山の両備バスでは遅延が半減 路線 倉敷 芸科大線 行先 倉敷駅 倉敷芸科大 倉敷駅 小溝線 霞橋車庫 倉敷駅 吉岡線 霞橋車庫 倉敷 循環線 右回り 左回り 西大寺線 岡山駅 (天満屋 経由) 西大寺 西大寺線 岡山駅 (千日前 経由) 西大寺 年 朝(7-10) 昼(10-16) 夜(16-19) 10.3 7.0 10.7 2017 4.9 4.5 4.6 2018 13.9 10.2 8.3 2017 5.1 5.7 5.2 2018 7.9 6.8 9.3 2017 4.4 3.7 5.4 2018 11.3 9.1 3.4 2017 3.7 5.5 2.4 2018 13.4 8.5 9.9 2017 4.5 4.7 6.2 2018 11.1 9.3 9.8 2017 5.1 4.5 5.4 2018 8.8 7.8 2017 5.1 5.3 2018 10.8 7.4 4.2 2017 5.0 6.8 4.9 2018 12.8 10.1 22.0 2017 8.1 5.4 9.9 2018 16.0 11.6 13.7 2017 6.0 6.2 6.5 2018 17.5 11.9 25.8 2017 8.1 5.4 9.8 2018 17.6 11.0 10.3 2017 8.9 5.3 4.4 2018 京王バス、九州産交バスにもその後導入 ➡ 来年熊本5社で改正へ! 235
バス:バスレーンの検討 ■既存バスレーンの効果(破線) バスロケ速度の 中央値[km/h] 時速10km/h以上の区間が多く、 遅延は緩和されている。 ■候補の考え方 1. 4車線以上 ②浄行寺〜子飼橋 2. 既存のバスレーンと接続 ①産業道路 3. バスの朝ピーク速度が10km/h未満 4. ピーク輸送力が400人/時以上 (利用が倍増すれば一般車線の輸送力 を上回る) ■これまでの限界を打破するには? ・現状の輸送力・交通量が前提では 「渋滞が悪化」と道路・交通管理者から 指摘され導入困難に ③県庁通り・ 第二空港線 ・都市交通として何を重視するのか、 大局的な意思決定が必要ではないか? 236
全国信号サイクル長マップ 大阪・福岡 名古屋 ヨーロッパ バンコク https://bit.ly/3u8uvJJ 150秒 160秒 60〜90秒 5分〜 バス〜市電〜新市街を分断するサイクル160秒 熊本は軒並み180秒!? 上通と下通を分断するサイクル170秒 237
全国輸送密度・交通量マップ https://qgis.t-brain.jp/traffic/ 全国の道路と鉄道の分担状況をWeb地図上で可視化 鉄軌道輸送密度[百人] 2019年度鉄道統計年報・各社資料 ■新幹線 ■JR在来線 ■民鉄 道路交通量[百台] 2015年道路交通センサス ■高速道路 ■一般道 バス輸送密度[百人] ICカード2021年10月 ■バス(熊本のみ) 239
都市間比較: 全国の交通研究者に情報提供 熊本都市圏 福岡都市圏 DID人口59万人 公共交通9.7% DID人口149万人 公共交通32.0% (通勤通学) (通勤通学) 市電輸送人員:3万人 JRは日中2-3本/h 福岡・広島より 都市高速だけでなく 鉄軌道も貧弱で 鹿児島と同等 西鉄輸送人員:29万人 1980:都市高速 1984:国鉄4本/h化 1981:地下鉄 鹿児島都市圏 広島都市圏 DID人口48万人 公共交通15.6% DID人口103万人 公共交通24.7% (通勤通学) (通勤通学) 市電輸送人員:3万人 JRは日中1-3本/h 広電輸送人員:15万人 1982:国鉄4本/h化 1986:都市高速 1994:アストラムライン 都市高速だけでなく鉄軌道もバランス良く強化が必要 240
クルマを1割減らしてクリスマス渋滞を解消 241
平日の遅延時間の推移(バスごとの最大遅延50%タイル) 夕方は 毎週金曜 12/24 (金) 朝の遅延は 雨の日 242
年末の交通量と車速度 平均時間交通量(熊本市中央区のトラカンの1時間平均) date week 5 12月13日 月 128 12月14日 火 114 12月15日 水 107 12月16日 木 113 12月17日 金 114 12月18日 土 115 12月19日 日 85 12月20日 月 116 12月21日 火 115 12月22日 水 113 12月23日 木 114 12月24日 金 114 12月25日 土 112 12月26日 日 80 12月27日 月 112 12月28日 火 108 12月29日 水 107 12月30日 木 104 12月31日 金 91 6 359 331 336 333 341 254 142 343 330 322 321 324 242 141 319 292 216 163 130 7 725 712 706 720 704 508 276 701 694 679 688 682 477 278 687 656 444 323 208 8 741 730 729 748 747 619 441 720 705 708 730 719 594 439 712 706 533 451 319 9 691 681 680 725 722 675 552 683 687 683 712 708 646 529 687 663 611 559 442 10 695 676 698 719 707 722 620 676 703 705 715 741 712 604 694 705 676 655 582 11 687 681 699 712 715 710 653 687 689 703 713 748 738 651 724 726 707 686 655 12 673 663 686 705 711 733 680 686 674 693 710 738 737 658 734 720 711 675 647 13 669 671 682 693 717 736 690 694 677 697 705 738 735 641 729 719 680 675 637 14 698 685 703 711 718 735 670 708 689 710 731 756 734 634 738 720 679 683 639 15 716 701 727 713 728 740 692 717 700 723 737 770 745 659 743 738 694 690 607 16 730 728 734 717 760 732 691 736 730 742 738 745 739 674 765 752 694 674 564 17 764 754 758 721 759 732 664 752 749 752 753 699 719 648 751 755 685 657 505 18 728 711 726 699 724 697 564 697 721 722 718 678 657 533 729 724 639 580 398 19 578 600 590 629 663 570 435 596 598 604 628 649 512 437 603 599 499 447 277 20 395 458 424 264 487 436 356 403 408 421 449 502 410 360 412 426 384 350 208 21 296 327 326 334 384 357 280 300 326 328 342 353 338 286 309 330 316 294 175 平均速度(熊本市中央区のプローブの1時間平均) 5 29 30 30 29 30 28 29 29 30 29 30 30 28 28 30 30 29 29 28 6 25 25 25 25 25 27 28 25 25 25 26 25 27 28 26 26 28 28 27 7 15 15 15 15 15 23 26 15 15 16 14 15 24 26 16 17 24 25 26 8 14 14 14 14 13 21 24 14 14 14 14 14 21 24 15 17 22 23 25 9 18 18 18 16 16 19 22 18 17 18 16 16 19 22 18 19 20 20 22 12/24:午後に交通量が1割増加した蓄積と雨で夕方に麻痺 12/28:朝の交通量5%だけでピークが無くなった 10 19 19 18 16 16 17 19 18 18 17 17 15 17 20 16 18 18 18 20 11 19 19 18 17 17 16 19 18 18 17 17 14 16 20 15 17 17 18 19 12 20 19 19 18 17 15 18 19 19 17 17 15 15 20 16 17 17 19 20 13 20 19 19 18 18 15 18 18 19 18 18 15 15 19 16 17 16 19 20 14 18 18 18 17 17 15 17 17 18 17 16 14 16 20 15 17 16 18 20 15 17 18 17 15 15 15 17 16 17 16 16 13 15 19 15 16 17 18 20 16 16 16 15 14 13 15 17 15 15 15 14 11 14 18 14 15 17 18 21 17 13 13 13 11 10 12 17 13 12 12 11 8.3 14 18 12 13 14 17 22 18 14 12 12 9.7 10 13 19 13 13 12 11 7.7 17 20 12 13 14 18 22 19 20 13 19 14 14 17 23 19 19 19 17 11 21 23 17 18 18 21 25 20 24 18 23 21 21 21 24 24 23 23 23 19 23 25 23 23 22 23 26 21 25 24 24 23 23 23 25 25 24 24 24 24 24 25 24 24 24 24 26 公共交通無料デーを 熊本市が事業化し 12/24に実施予定 243
きれいな面的QV 〜熊本市中央区の交通量と速度〜 35 雨なし 雨 30 交通量が 750→675台/h 25 [km/h] 平 均 速 度 (10%↓) 20 15 速度は 13.3→18.2km/h (37%↑) 10 5 0 0 100 200 300 400 500 600 700 800 平均時間交通量[台/h] 244
データに基づいた公共交通マーケティング 245
前提:オープンMaaS 交通情報をオープンデータ/APIを介して流通させ、 主要サービスと連携し効果を生みつつ、地域から新技術を創出する 交通情報 交通事業・ 交通行政 オープンデータ/API 青:標準規格例 鉄道・バス シェアサイクル デマンド交通 タクシー チケット販売 ダイヤ リアルタイム GTFS GTFS Realtime Google マップ 機能連携 GTFS- GBFS 駅すぱあと ? OnDemand Yahoo! 乗換 NAVI TIME GTFSTicketing ログデータ 広告 検索データ 人流データ ? ? my route ジョルダン 駅探 住宅 検索 Twitter LINE 経路検索 情報サービス 遅延 改善 路線 計画 交通計画 サイ ネージ 印刷 システム 現地媒体 観光 情報 各種情報サイト ? 研究 ・ 創発 SNS 246
バス利用者増計画 with 共同経営推進室 マーケティングと官民連携による 「利用者倍増」を目指し計画を具体化中 [万人] 共同経営5社の年間輸送人員 6,000 5,020 5,000 9年後に 倍増 熊本都市圏のみ (5社計より 数%少ない) 2年後に コロナ前 レベル 4,000 2,997 3,000 2,674 1,922 2,000 2,193 2,285 実績 1,000 5,244 2,685 目標 0 1995 2015 2019 2020 年度 2021 2022 2023 2030 247
パーソントリップデータ(2012)に基づきターゲティング ターゲット 目的 属性 発着地 バス利用 徒歩以外 トリップ 現状 現状 目標 /年 トリップ シェア シェア 中高生 - 2254万 73万 3.3% 6% 大学生 - 538万 51万 9.6% 16% 1732万 429万 24.8% 31% ここに注力していたが パイが小さかった 通勤 社会人 他熊本市着 9836万 370万 3.8% 8% パイは大、乗換が課題 熊本市外着 6069万 60万 1.0% 7% 大規模事業所へのバスが有力 21286万 529万 2.5% 8% 価格弾力性が高いので 運賃策が有力 熊本市発 4284万 455万 10.6% 11% 熊本市外発 1966万 64万 3.3% 7% 47965万 2032万 4.2% 9% 通学 中心部着 社会人 私用 中高生 合計 高齢者 競合の自転車は事故が多い 熊本市以外にも敬老パスを 248
郊外工業団地(セミコンパーク)の通勤状況 運行頻度図 + 到達圏域 GTFS GTFS+OSM 出発地分布 + 到達圏域 パーソントリップ 黒石 GTFS+OSM すずかけ台 光の森 北側 長嶺等 東区 数字:車の朝通勤人数 249
熊本県UXプロジェクトでバス5社からプロジェクト提案 「未来を見据えたノーマイカーデー実証実験〜菊池南部地域の工業団地周辺をターゲットとして〜」 250
公共交通と道路の予算比較 熊本の収支率 バス5社(2019) 経常収支 欧米の収支率 熊本の交通行政予算 自治体 地域 交通 熊本市 5.8億 184億 1600億/10年 熊本県 4.9億 372億 7000億/10年 https://jmpo.kumamoto-toshibus.co.jp/opendata/opendata2-1/ 収入 支出 収支 57億 90億 -33億 収支率 61% 赤字の大半は熊本市外 熊本県バス運転手の平均年収:315万円 道路 新広域 道路計画 道路には地域交通の 数十倍の予算が投じられている 市電(2019) 営業収支 http://www.kotsukumamoto.jp/kihon/pub/detail.aspx?c_id=56&id=1123&pg=1 収入 支出 収支 17億 20億 -2.7億 収支率 86% 独立採算・赤字補填・道路偏重から脱却する必要がある 253
データを肴に対話するのが出発点と信じて バス 会社 ・ 自治体 IT エンジ ニア テレビ 大学 254
日本における バスITシステムの歩み
都市新バスシステム(1983年〜・運輸省) • バスロケーションシステム、バス路線総合管理システムなどに よる高度なバスサービス – 主要都市の主要路線に導入。利用者増に貢献 東京都交通局+松下電工の事例 https://twitter.com/plsetsuna/status/1409820039172136967
• x
バス総合案内システム: バスへの投資が行われた時代もあった • 1990年設置、2018年運用終了
大手メーカーが技術開発 • x
2000年頃・バスITシステム最後の輝き? • オムニバスタウン(1997年〜) PTPS(公共車両優先システム) Bus Diagram Support System (BDSS) 構造計画研究所 バスICカード(山梨交通) 2000年〜 公共交通情報データ標準 (2001年〜2006年)
モバイル長崎スマートカード • 2005年12月サービス開始 • おサイフケータイ版長崎スマートカード – 長崎スマートカードとは • 日本初のFeliCa型共通バスカード・2002年〜2020年 • 2007年開始のPASMOより古い – 長崎バス、さいかい交通、長崎県営バス、佐世保市営バ ス、西肥バスの計1306台のバスで利用 – NTTドコモ製おサイフケータイで利用可能 • 対応サービス – 乗車券機能、定期券機能、残額確認機能、積み増し履歴 確認機能、定期券情報表示機能 https://www.itmedia.co.jp/bizmobile/articles/0512/12/news029.html
スマホ登場でプラットフォーム技術を完全に失う • 連続的な進化ではない – – – – 技術基盤の変化: 組み込みソフトウェアから現代的なOSヘ 事業構造の変化: キャリア主導からプラットフォーマー主導へ 国内多メーカーから国際的に集約へ ハードウェアの多様性からソフトウェアの多様性へ
これ以降の技術の展開 • 確立したはずの技術の再生産・技術水準の低迷 – 積み重ねより、同等の技術をより安価に開発するアプローチ – 大企業の市場からの撤退 • 価格の大幅な下落 – IT全体のコモディティ化の恩恵を受けたとも言えるが… • 積み上がる技術的負債 – – – – – 古いOSやシステムへの依存 事業者ごとのカスタマイズが負担に 要素技術同士の密結合 入替タイミングのずれ 把握しきれないデータ変換コストの膨張
そして現在: バスや地域交通に対する包括的な 技術政策は存在しない 私が関係していたり聞き及んでいる範囲において・・・ • 自動車局 – 旅客課 • 旅客運送事業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進 – 安全政策課 • 点呼の高度化 • 総合政策局 – モビリティサービス推進課 • MaaSデータガイドライン • 標準的なバス情報フォーマット • キャッシュレス決済 – 情報政策課 • 公共交通オープンデータ • 観光庁 – バスロケーションシステム – 多言語案内
いちごロケ: 個人の力で青森市の交通情報を高度化 • Jig.jpによるIoT機器IchigoJam製のバスロケ車載器の導入 • 技術の民主化
制度化へ: 海外事例
イギリス政府の路線バスオープンデータ • バス事業者が時刻表や運賃、ロケーション情報 をオープン化することを法的に義務化 – The Public Service Vehicles (Open Data) (England) Regulations 2020 に基づく – イングランドの政策にスコットランド、ウェールズも追従 • 全国一体的にデータ収集し複数のフォーマット でデータ公開 – 2020年12月 時刻表データ公開義務化 – 2021年1月 位置情報、運賃やチケット情報の公開義務化 – 2023年1月 乗り継ぎなど特殊な運賃・チケットについても 公開義務化 https://www.bus-data.dft.gov.uk
The Bus Open Data System (BODS) • Ito World が DfT、 KPMGとともにシステム 開発 • CityMapper、Moovitな どのアプリがデータ利用 – 当初は別々にデータ収集して いたとのこと。役割分担 • 規模 – 250以上の事業者のデータ – 18,000台以上のバスの位置情 報(5〜30秒ごとに更新) https://www.bus-data.dft.gov.uk
分析機能 • この例では全国のバスの定時率を表示 https://www.itoworld.com/introduction-bus-open-data-service-bods/
包括的で未来志向のバス政策 • x https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attach ment_data/file/980227/DfT-Bus-Back-Better-national-bus-strategy-for-England.pdf
米国: 新興モビリティ事業者 にデータ提供を義務化
マイクロモビリティの急速な普及 • 電動キックボードとシェアサイクルをマイ クロモビリティと総称 – ドックレス(どこでも乗り捨てられる)が流行 • Bird、Jump (Uber)、Lyft、Lime、Skip、 Spin (Ford)などが全米の都市で競争
Mobility Data Specification (MDS) • モビリティ事業者と地方自治体やその他の規制当局との間で データをやり取りするための標準仕様。 – 自治体・規制当局: モビリティサービス事業者からのデータ分析し交通計画に 活用 – コンピュータが解読可能なフォーマットで規制情報を提供 • 2018年にロサンゼルス市交通局が提唱 – アメリカを中心に40自治体が利用(2021年7月 Webで確認) – 運営はOpen Mobility Foundation (OMF) • 現状はドックレスモビリティ(電動キックボードとシェアサイ クル)中心。カーシェアなども対象。 https://www.openmobilityfoundation.org/mds-users/
行政におけるMDS利用目的 • モニタリング – 現在運行しているキックボードの台数や配備が均等かを確認 – キックボードの駐車場所やサービスエリア外で乗り捨てられていないかどうか確 認 • 交通政策・マイクロモビリティ政策 – – – – ドックレス車両乗り捨てゾーンや配備ゾーンの新規設置を検討 自転車専用レーン増設や道路の再設計などのインフラ計画に活用 マイクロモビリティとバスや電車など他の交通との関係を把握 マイクロモビリティの規制のため(キックボードの台数、配備など) • 交通の高度化 – 緊急道路封鎖、給水管破裂などの際にモビリティ事業者に対し情報発信
Open Mobility Foundation (OMF) • 地方自治体にモビリ ティソリューションを 提供するオープンソー スソフトウェアの開発 をサポートする非営利 団体 • 道路の使用や自治体の 道路管理をサポートす る技術開発を推進 https://www.openmobilityfoundation.org
いい街を作りましょう
公共交通を活かしたまちづくりの成熟 • モータリゼーションが先行したヨーロッパにおいて、中心市街 地を公共交通によって活性化する施策が一般化 – 数十万人規模の都市でもトラムを整備、赤字前提の運営 • LRT導入、歩行者専用道路、トランジットモール… フランス オルレアン https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rue_Jeanne_dArc_Tramw ay_Orleans.jpg フランス ストラスブール http://uemuraakifumi.com/machi/858 ドイツ カールスルーエ https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Heilbronn_Bah nhofsvorplatz_Stadtbahn01_2002-09-08.jpg
日本やアメリカでも続く動き • 世界的にも自家用車から脱却し公共交通を中心としたまちづく りがすすめられている アメリカ ポートランド http://kcube.zouri.jp/potland-notoshikoutuseisaku.html 台湾 高雄 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kaohsiung_LRT_Circu lar_Line_at_Gate_of_Kaohsiung_Port_20180621.jpg 富山市 http://www.toyamashi-kankoukyoukai.jp/?tid=100846
スマートシティとかじゃ なくて…