WordPressのバックアップとリストアを「中身から」理解する

WordPressの バックアップとリストアを 「中身から」理解する 〜プラグインに頼らない方法と、最低限守るべきポイント〜 前川昌幸 2025/05/24 OkayamaWordPressMeetup #12

はじめに WordPressのバックアップとリストアは、ただ「取る」だけでは安心で きません。 このセッションでは、WordPressが何で構成されているのかを振り返り ながら、wp-contentやデータベースの扱い方、バックアップに含まれる 機密情報の注意点を紹介します。 プラグインを使う場合でも役立つ“仕組みの理解”を、プラグイン非依 存の視点からお届けします。

自己紹介 • 前川昌幸（まえかわまさゆき） • Okayama WordPress Meetupオーガナイザー • Classi株式会社 プロダクト本部 学習PMF部 副部長 • WordPressとの付き合い • 受託制作 • 自社メディア • 個人ブログ

この話の流れ 1. バックアップの取り方 2. バックアップしたデータの取り扱い 3. リストアの考え方 4. リストアのデモ（時間次第 • 別ドメイン（テストサイトなど）への適用パターン

この話のねらい • 「プラグイン便利」「ホスティングサービスの機能ありがたい！」 それは確かにそう • プラグインの場合 • 無料？有料？ • ウェブアプリケーションにできる範囲の限界 • なくてもできるぐらいの知識持っておくと…… • より有効的につかえる場面ありそうな気がしませんか？ • よりありがたみが分かる気がする！

バックアップの取り方 （ファイル）

バックアップデータの最小構成は？ • 「最小で済ましたい！」 という意図がある場合は wp-contentディレクトリのみ

バックアップデータの最小構成は？ • 「最小で済ましたい！」 という意図がある場合は wp-contentディレクトリのみ fi • .htaccessとかwp-con gは？

最小で済ますならwp-content • 下記のファイル群がこのディレクトリに入っているから • アップロードされた画像など • なくなると困るの想像に容易いですよね？ • 容量が……とかの話出ますが、これは別スコープの話 • テーマ/プラグイン • 自作の場合、動いている環境のものを残したい • 配布終了へのリスクヘッジ

.htaccessは？ • WordPressでは、プログラムが編集する、 指示通りに記載するというケースが多い。 • リストアの環境に違いがあるときに、 大ハマリの震源地になる可能性がそこそこある。 • 「バックアップ」というよりは参照するための情報として

wp-con g.phpは？ • このファイルは、コンテンツではなく 「機密データ」として取り扱う必要あり • DBの接続情報 • 各種外部サービスの認証情報 • ファイルが消えたら困る状態は非常に危ない運用状態 • それはバックアップに依存すべきでないハナシ fi • バックアップの対象に入った時点で、 バックアップの全てをそのレベルで管理する必要あり

他のファイル達は？ • 下記のケースでは必要になります • WordPressのコードに手を入れているとき • 特定のバージョンを使い続けているとき • wp-content配下以外にファイルの生成を行っているとき • 全部取らないと不安なとき • 上記の場合はホスティングサービスのバックアップに 頼るのがよいかも？

バックアップの取り方 （データベース）

データベースのバックアップは「まるごと」 • 「最小構成」とか考えない • WordPressに関わるものは、まるごとバックアップして、まるごとリ ストアするが大前提 • リストアは「データをテーブルごと消して入れ直す」 • コマンドは下記 • mysqldump --add-drop-table -u ユーザー名 -p データベース名 > backup.sql

データベースのバックアップは「まるごと」 • phpMyAdminでは 「DROP TABLE / VIEW / PROCEDURE / FUNCTION / EVENT / TRIGGER コマンドを追加する」

ファイルとデータベースは同じタイミングで • WordPressやプラグインのバージョンにより、 データベースの構成が変化することがあるので • 完全に同期でなくても良いけど、基本同じタイミングで

バックアップしたデータの 取り扱い

バックアップファイルは機密データ • 特にデータベース • 外部サービスの認証情報 • ユーザー（管理者含む）の個人情報 • ホスティングサービスのバックアップは基本配慮済みと考えてOK • 今時考えていない事業者はやっていけないはず • プラグインは設定間違えなければ • 「それがわからん」という場合はホスティングサービスのものを

ありがちなケース 1. メンテナンス作業のために定期的とは別に取得したバックアップ 2. メンテナンス作業を行う 3. 問題無く進んだので、バックアップの出番無し 4. 作業完了 5. バックアップを消し忘れて、情報流出のリスクを抱え続ける

リストアの考え方

基本的な手順 1. WordPressを設置 2. データベースをインポート 3. ファイルをアップロード fi 4. wp-con g.phpの設定確認・修正

テストサイトにコピーする 1. テストドメインでリストアする 2. wp-con g.php で WP_HOME,WP_SITEURLを設定する define(‘WP_HOME','https://test.sample.blog'); define(‘WP_SITEURL','https://test.sample.blog/wordpress'); 3. パーマリンク再設定 fi 4. データベース内の絶対URLは Search Replace DB や WP-CLI search-replace で置換

時間あればリストアのデモします

ありがとうございました！