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October 11, 24
スライド概要
2023年度卒業研究発表
日本大学 文理学部 情報科学科 北原研究室。 「Technology Makes Music More Fun」を合言葉に、音楽をはじめとするエンターテインメントの高度化に資する技術の研究開発を行っています。
サッカーにおける選手位置と パスコースの可聴化システム 北原研究室 奥田真輝
背景 サッカー チームスポーツ 味方と息を合わせる 音楽 複数人で演奏 タイミングを合わせる ?
初心者のサッカー理解に役立てたい サッカーの 理解は難しい 直感的に 理解できるように 可視化 可聴化
可聴化とは データを音で表現する手法 視覚のみでは分かりにくい事象を音で気づきやすくする
関連研究 ◆サッカーにおける集団プレイの検出とその指標化に向けて 人工知能, 34 巻, 4 号(2019) ◆データ可聴化と音デザイン ―時系列信号の可聴化 に着目して― 日本音響学会誌, 74 巻,11 号(2018)
使用したデータ データスタジアムから提供を受けたトラッキングデータ 1/25秒ごとの各選手&ボールのデータ X,Y,team,number,speed
システム設計 データ 可視化 可聴化
読み取ってほしいこと • パスコースの数 • パスコースの広がり方 • ボールとは関係ない選手の動き
パスコースの可視化(1) 1.ドロネー三角形を描画 2.深さ3のグラフ構造にする 3.必要な選手のみ残す
パスコースの可視化(2) スピードの速い選手 (15km/h以上の選手) を黄色く描画
パスコースの可聴化(1) 1.ボールの位置からルート音を決める 2.パスコースの長さをもとに選手に音を与える 3.全選手の音を低い順に一気に鳴らす
パスコースの数 パスコースの広がり方
パスコースの可聴化(2) スピードの速い選手を音で示す (条件) • 選手がボールを保持しているとき • 保持者以外の選手のスピードがが15km/h以上の時
ボールとは関係ない選手の動き
実験 動画A~Wの23個の数秒程度の動画を用意 可視化のみの正答率、可視化&可聴化の正答率を比較 1. パスコースはどちらが多いですか? 2. パスコースはどちらが広がっていますか? 3. 速い動きをした選手に気が付けましたか?
実験(1&2) 2本の動画を比較 • パスコースはどちらが多いですか? • パスコースはどちらが広がっていますか?
実験1&2 2本の動画を比較 • パスコースはどちらが多いですか? • パスコースはどちらが広がっていますか?
結果(パスコースの数) 比較動画 可聴化なし 可聴化あり 増減 A&B 92% 97% +5% C&D 67% 78% +11% E&F 98% 92% -6% F&G 72% 44% -28% H&I 90% 88% -2% J&K 66% 55% -11% L&D 97% 86% -11% I&E 93% 78% -15% L&H 38% 70% +32% M&D 67% 72% -5%
結果(パスコースの広がり) 比較動画 可聴化なし 可聴化あり 増減 A&B 90% 94% +4% C&D 88% 86% -2% E&F 88% 76% -12% F&G 52% 51% -1% H&I 50% 73% +23% J&K 88% 73% -15% L&D 87% 76% -11% I&E 62% 46% -12% L&H 43% 64% +19% M&D 85% 81% -4%
考察(実験1&2) • 正確性は選手のポジショニングの影響を受けた • 選手が広がっているときは良い • 密集時に正確性が下がってしまう
実験(3) 10本の動画を連続再生 • 何本目の動画に該当する選手がいましたか?
実験3 10本の動画を連続再生 • 何本目の動画に該当する選手がいましたか?
結果(速いスピードの選手) 使用動画 可聴化なし 可聴化あり 増減 N 89% 95% +6% O 100% 100% +0% P 87% 100% +23% Q 97% 97% +0% R 97% 98% +1% S 82% 88% +6% T 89% 100% +11% U 89% 97% +8% V 92% 93% +1% W 99% 100% +1%
考察(実験3) 全ての場面で正答率が上がった 瞬間的な動きに”気づく”ことができた
まとめ サッカーの一瞬の動きを音で理解することはできた 正確性は選手の密集度にかなり左右された 位置情報以外の要素も取り入れてみたい
終