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June 21, 24
スライド概要
2024/06/21 に「開催されたXRミートアップ三重」のスライドです
ホロラボでの 文化財デジタルアーカイブと活用 2023/06/21 XRミートアップ奈良@平城宮跡資料館 講堂 株式会社ホロラボ 中村 薫
会社概要 事業内容 XR(AR/VR/MR)や空間コンピューティング技術、3Dデータに関する ・システム/アプリケーションの企画開発 ・サービス、プロダクト開発 ・デジタルアーカイブ 設立 2017/01/18 住所 東京都品川区西五反田8-3-6 TK五反田ビル 1F 資本金 96,940,000円 従業員 67名 Web https://hololab.co.jp/ Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 2
自己紹介 – ホロラボ代表取締役 CEO 中村 薫 ・株式会社ホロラボ 代表取締役 CEO (2017 - ) ・Microsoft Regional Director (2020 -) ・Microsoft MVP for Mixed Reality(2022 - ) ・Microsoft MVP for Windows Development(2016 - 2022) ・Microsoft MVP for Kinect for Windows (2014 - 2016) ・Microsoft MVP for Visual Studio ALM(2012 - 2014) ・XRコンソーシアム理事 (2020 - 2022) 来歴 ・Windowsアプリおよび組み込み系ソフトウェア開発会社勤務時に Microsoft社の開発した3Dセンサー「Kinect」の魅力に出会い独立。 センサー関連の開発から、執筆、登壇活動などを個人事業として取り組む。 ・技術コミュニティTMCNの立ち上げに参加し、その場での出会いから 2017年、ホロラボの設立に至る。 著作 ・HoloLens 2 入門 (2020 日経BP) ・Kinect for Windows SDKプログラミング V2センサー対応版 (2015 秀和システム) 3 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved など
今日のスライド Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved https://www.docswell.com/s/kaorun55/K2492E-2024-06-21-102755 4
パックマンルールやってみませんか? Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved https://kawaguti.hateblo.jp/entry/2020/01/09/063636 5
今日の参加メンバー @kaorun55 龍@lileaLab masanaga@tasklong Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved moz@momomo_moz
今日の参加メンバーの作品 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 7
今日の体験コーナー 広域3D Gaussian Splatting SONY ELF-SR2 でデジタルアーカイブビューアー 大規模点群表示システム Dawn Apple Vision Pro でデジタルアーカイブビューアー Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 8
文化財の課題 • 継続性 • 災害対応 • 活用方法 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 9
お伝えしたい事 • いわゆるXRはアウトプットの一つ • 重要なのは文化財そのものとそのデータ インプット 文化財 データ Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved アウトプット 10
目次 • 沖本家住宅 • その他のデジタルアーカイブ事例 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 11
沖本家住宅 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 12
沖本家住宅 • 東京都国分寺市 国登録有形文化財(洋館) • 国分寺市郊外、国分寺崖線上に別荘として建てられた洋風建築。のちに来客用和館が 増築され昭和初期の和洋両建築の姿が現代に残されています。 • 所有者様および国分寺市、小松大学 野口さんのご協力のもと、国登録有形文化財・沖 本家住宅のデジタルアーカイブを行いました。 https://www.cafeokimoto.com/general-6 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 13
沖本家住宅 • 洋館 • 木造二階建 軸組工法 • 建築年:昭和8(1933)年 • 建築床面積:98平方メートル • 和館 • 木造平屋建 軸組工法 • 建築年:昭和15(1940)年 • 建築床面積:87平方メートル Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 14
成果物一覧 点群 BIM + テクスチャ 点群とフォトグラメトリの合成モデル BIM(Revit) 樹木モデル Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 15
成果物からのフィードバック • モデルの特長 • CGモデルの有用性 → 現状保存性(ゆがみなど) • BIMの有用性 → 正確性 • 建築文化財だけのアーカイブは貴重 • 計測しようとすると、足場などを使う必要がある → それもデータとして残ってしまう Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 16
デジタルデータ作成概要 • 撮影期間 • 4月から5月にかけて計3日 • 撮影人員 • 3人 • データ作成、整備人員 • 4人 • データ作成期間 • 約3か月(業務の隙間時間を使用) Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 17
デジタルデータ作成概要 • 場所や用途によって使い分ける機材 フォトグラメトリ用カメラ 暗所撮影用ストロボ SONY α7R4 - FE 14mm F1.8 GM Gotox AR400 SONY α7 3 - FE 20mm F1.8 G SONY Cyber-shot RX0 点群取得用レーザースキャナ Leica RTC360 高所撮影用ロッド Lumica Bi-Rod 6C-7500 Leica BLK360 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 18
デジタルデータ作成概要 • 高品質・高精細な3Dデジタルアーカイブ レーザースキャン 屋内:92スキャン 屋外:56スキャン 屋根上:12スキャン 点群数:52憶点 スキャンによる実スケールのジオメトリ生成 写真による高画質テクスチャの生成 フォトグラメトリ 点群と写真を合成処理 屋内:5733枚 屋外:3641枚 屋根上:210枚 合計:10235枚 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 19
高精細データの生成 • 日本写真測量学会 令和5年度秋季論文 • 「レーザースキャナ点群と写真を組み合わせた精細な3Dモデルの生成」 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 20
高精細データの生成 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 21
高精細データの生成 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 22
高精細データの閲覧 • Apple Vision Pro にや SONY ELF-SR2に入れてみました。 • 本日体験できます! Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 23
デジタルデータの公開 - 活用方法の課題解決 • 共有財産としての文化財 • 将来に残し続けるためのデジタルデータの公開 https://sketchfab.com/3d-models/746396a0ae434959b665afe0f82c85ef https://sketchfab.com/3d-models/0583339fcfef43d9a85f1df5bc95cb65 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 24
デジタルデータの販売 - 継続性の課題解決 • 収益源としての文化財 • メンテナンスコスト捻出の課題 • クラウドファンディングは継続性が課題? • データを販売することで継続的な収益の一つにできないか? https://hololab.booth.pm/items/5413871 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 25
データの活用 -活用方法の課題解決 • 作成したデータを記録・保存にとどまらず、保全や収益につなげることで、コス トに見合った価値を創出する 保存・記録 保全 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 資産・収益 26
歴史の記録 • 歴史的な記録を現実に近い形で記録できるため「次の世代にその記録を継 承できること」を価値提案としている 機関銃貫通の跡 ボヤの跡 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 27
災害の記録 -災害対応への課題解決 • 災害が起こり被害が発生した際に、災害前の記録が残っていることで復元の 手助けをする • 下図は左が災害(台風)前に記録した3Dデータ、そのあと災害(台風)で建物が破損し た様子が右の写真。災害前を3Dで記録することで、その様をより正確に残す。 被災前 3Dモデル 被災後 写真 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 28
データ利用事例 – 3D GIS上でのデータ閲覧 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 29
アセットからの収益化 • 建築パースのCGなどに利用する樹木アセットは主に海外の樹木で日本の樹 木は少ないという状況 • 3Dスキャンしたデータからアセット化することで、これを販売し収益につなげら れる可能性を模索する Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 30
詳細3D樹木モデルの構築プロセス ①地上型3Dレーザスキャナによる計測 ②葉点群、幹・枝点群の分離 ③TreeQSM法による3Dモデル化 ソメイヨシノ 樹木インベントリ(ソメイヨシノ) -----------Tree attributes: TotalVolume = 6056 L TrunkVolume = 1178 L BranchVolume = 4878 L TreeHeight = 14.78 m TrunkLength = 12.5 m BranchLength = 2302 m TotalLength = 2315 m NumberBranches = 5492 MaxBranchOrder = 9 TrunkArea = 11.81 m^2 BranchArea = 273.9 m^2 TotalArea = 285.7 m^2 DBHqsm = 0.5065 m DBHcyl = 0.5065 m CrownDiamAve = 15.33 m CrownDiamMax = 17.37 m CrownAreaConv = 194.5 m^2 CrownAreaAlpha = 181.8 m^2 CrownBaseHeight = 2.351 m CrownLength = 12.43 m CrownRatio = 0.8409 CrownVolumeConv = 1436 m^3 CrownVolumeAlpha = 1056 m^3 ----- 地上型3Dレーザスキャナでは,単木ごとに詳細な 樹形情報を取得することが有効的である カエデ ⑦3D樹形モデルの完成 ⑥枝葉モデルの付与 ⑤現地画像からのテクスチャ作成 樹木インベントリ(カエデ) -----------Tree attributes: TotalVolume = 1081 L TrunkVolume = 132.1 L BranchVolume = 949.3 L TreeHeight = 7.62 m TrunkLength = 7.994 m BranchLength = 1124 m TotalLength = 1132 m NumberBranches = 3207 MaxBranchOrder = 8 TrunkArea = 3.122 m^2 BranchArea = 95.99 m^2 TotalArea = 99.11 m^2 DBHqsm = 0.2232 m DBHcyl = 0.2198 m CrownDiamAve = 9.506 m CrownDiamMax = 10.87 m CrownAreaConv = 76.27 m^2 CrownAreaAlpha = 71 m^2 CrownBaseHeight = 1.446 m CrownLength = 6.174 m CrownRatio = 0.8102 CrownVolumeConv = 329.2 m^3 CrownVolumeAlpha = 280.9 m^3 ----- ④樹形モデルの修正 センダン センダン 容量:20MB~30MB ※ 樹種:センダン 31
その他のデジタルアーカイブ事例 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 32
事例:平城宮跡(データ利用) 奈良県奈良市 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 33
平城宮跡での3Dデータ、AR利用 • 新建築2024年4月別冊 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 34
事例:九州大学総合研究博物館(データ作成支援) 福岡県福岡市 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 35
九州大学総合研究博物館前のヒマラヤスギをデータ化 • 博物館で取得していた3次元測量データ(点群)を元に、3D CGデータを作成 元の測量データ 測量データ取得:小川 拓郎(九州大学人間環境学研究員) 幹と枝の抽出 3D CG作成 文化庁 令和5年度博物館機能強化推進事業Innovate MUSEUM事業の支援により、 「地域共創協学デジタル化基盤整備事業【中核館:九州大学総合研究博物館】」にて作成 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 36
データを使ってみた • Power Point に入れてみたり、現地にARで再現してみたり Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 37
事例:大阪市立自然史博物館(データ利用) 大阪府大阪市 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 38
大阪市立自然史博物館(データ利用事例) • Webで公開された大型骨格標本の3Dデータを利用してコンテンツを作ってみ ました。 3月27日に公開されて、27.8万件の表示 Apple Vision Pro でのデモコンテンツ Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 39
まとめ Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 40
まとめ • 現存のモノに対するデジタルアーカイブは現存している間に作成する。 • 何かあって無くなる/壊れてからでは遅い • デジタルデータを作成し、オープンに公開することで、多くの方に認知し利用し てもらえる。 • デジタルアーカイブにかかるコストは今後の課題 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 41
参考情報 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 42
ホロラボのデジタルアーカイブメンバーの講演 • 文化財デジタルアーカイブの舞台裏【Hololab Conference 2024】 • 平山さん、まさなが(長坂)さん • レーザ測量に基づく詳細3D樹木モデルの作成と建設業界に向けた需要と展 望【Hololab Conference 2024】 • 熊崎さん https://www.youtube.com/watch?v=VuQM9V3uDQw&list=PLcIuMEVR3 eYegP17SKG_UPgERmmGStEr_&index=10 https://www.youtube.com/watch?v=W9cbHNanIkE&list=PLcIuMEVR3e YegP17SKG_UPgERmmGStEr_&index=12 Copyright© HoloLab Inc. All rights reserved 43
http://hololab.co.jp/wp-content/uploads/2017/01/title.png 44