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November 23, 22
スライド概要
「「技術書」の読書術を達人に聞いてみた - Forkwell Library #10」【2022年11月15日】のオンライン登壇で用いたスライドです。
インプットとアウトプット の循環を実現する読書術 IPUSIRON 「技術書」の読書術を達⼈に聞いてみた - Forkwell Library #10(2022年11⽉15⽇)
 ⽬次 ➤ ⾃⼰紹介 ➤ インプット vs. アウトプット ➤ ➤ 圧倒的なインプット and 圧倒的なアウトプット ➤ 価値のあるアウトプットとそのギャップ 価値の有無は関係なく、成果物を⽬指す ➤ 成果物によって循環が⽣まれる ➤ 成果物を増やすことの効能 ➤ 読書でスキルアップして再投資を繰り返す ➤ まとめ 2
 ⾃⼰紹介 ➤ HN:IPUSIRON(イプシロン) ➤ @ipusiron ➤ Security Akademeiaを運営 ➤ ➤ 過去の経歴 ➤ ➤ 2000年頃~。 ソフトウェア開発 職業は著述家・⽂筆家 ➤ 33冊超。積読75cm。 ➤ メインは執筆活動。サブでは⾊々。 積読(2022年11⽉撮影) 3
 近年の出版物(著作・翻訳本・監訳本) ➤ セキュリティを情報・物理的・⼈的の観点から研究。 4
 インプット VS. アウトプット ➤ アウトプットが重要なことはほぼ⾃明。 ➤ 【⼀般論】 ➤ ➤ 「良質なアウトプットのためには良質なインプットが必要」 ➤ 「インプットとアウトプットをバランスよく」 ⾃分 【有能な⼈の主張】「価値のあるアウトプットこそが重要」 ➤ ➤ インプット 後述するが、ここでいう価値とは何を指すのか? アウトプット 【本発表における主張】 ➤ 多⼤なインプットがあれば、アウトプットがこぼれ出る。 ➤ (最初は)価値・バランス・効率などを考えなくてよい。 5
 圧倒的なインプット AND 圧倒的なアウトプット ➤ 【提案①】「圧倒的なインプット and 圧倒的なアウトプットに挑戦する」 ➤ 圧倒的なインプット ➤ ➤ 教材選びに悩む暇はない…基本スタンスは「どうせ全部やる」 ➤ (読書であれば)1つの物事について知りたければ最低20冊読もう。 ➤ 「習慣化⇒精神的・物質的欲求を満たす⇒中毒」で加速。 圧倒的なアウトプット ➤ アウトプットしたことが常に成功(評価・⾦銭)をもたらすとは限らない。 ➤ ⾃分で制御できるのであれば改善すべきだが、運・タイミング・スピードに⼤きく左右され る。 ➤ ではどうするか? ➤ 試⾏回数(=アウトプット数)を増やす。 6
 著名⼈たちの⾔葉・⾏動 ➤ ~驚異のインプット~ 野⼜英世 ➤ 「努⼒だ、勉強だ、それが天才だ。誰よりも3倍4倍5倍勉強する者、それが天 才だ」 ➤ 読書するために明かりを求めて友達の家まで通う。 ➤ ⾵呂焚いているとき、お⾵呂⼊ってるとき、場所や時間関係なく英語の教科書 を読んでいた。 ➤ ⼤⼈になってからも「ナポレオンは3時間しか寝なかった」といい、寝る間を惜 しんで猛勉強。 ➤ ロックフェラー医学研究所に務めていたときは、寝る姿を周りの誰も⾒たこと がないという逸話さえある。 7
 著名⼈たちの⾔葉・⾏動 ➤ ~驚異のアウトプット~ 数学者レオンハルト・オイラー ➤ 50年間で総計886本の論⽂。5万ページ以上あり、平均1年で800ページの論⽂を書い た。 ➤ 論⽂の完成スピードに印刷機が追いつかず、執筆順と異なる形で印刷されてしまう。 ➤ 「⾷事です」といわれてから、再度「⾷事です」と催促されるまでの間に1本書き上 げたという逸話がある。 ➤ 59歳で全盲になるが、その⽅が数学に集中できたという。76歳で没するまで17年間変 わらない量の論⽂を⽣み出した。 ➤ 1907年から刊⾏が始まったオイラー全集。すでに70巻を越えているが、100年以上か かった今でも完結していない。 8
 著名⼈たちの⾔葉・⾏動 ➤ ➤ ~⼤器晩成~ ただたか 伊能忠敬…⽇本地図で有名。 ➤ 隠居後の55歳で、最初の測量の旅に出た。 ➤ 10回におよぶ測量をし、最後の測量を終えたのは71歳。 カーネル・サンダース…KFC ➤ 40歳のとき、ガソリンスタンドを開設。6席しかないレストランを併設。 ➤ フライドチキンが⽬⽟料理になり、45歳で州知事から名誉称号をもらう。 ➤ 62歳で現在のケンタッキーフライドチキンのフランチャイズ事業を始める。 9
 価値のあるアウトプットとそのギャップ ➤ ➤ ➤ アウトプットの例 ➤ 勉強ノート、スケッチ ➤ 制作物(ソフトウェア、ハードウェア、イラスト) ➤ ブログ、本、雑誌、論⽂ 学習教材 価値のあるアウトプットとは? ➤ 品質が⾼い、⼈のためになる ➤ 新規性がある、⼈類の進歩に貢献する ➤ 専⾨家や業界内で評価される、⼀般⼈に指⽰される ➤ ⾃分・家族を幸せにする、お⾦を⽣み出す ギャップの例 ➤ 専⾨家にとっては新規性がなくても、⼀般⼈にとっては役⽴つケースがある。 ➤ 品質が⾼くても、評価されるとは限らない。運やタイミングの問題など。 経験・出会い インプット ⾃分 アウトプット ノート 成果物 ? 10
 価値の有無は関係なく、成果物を⽬指そう ➤ ➤ ➤ ➤ 表に公開しないと評価されようがない。 ここでは「成果物=表に公開したアウトプット」とする。 学習教材 経験・出会い インプット 成果物の特徴 ➤ 評価されるチャンスがある…可能性の話。 ➤ 能動的に⽣み出せる…⼼構えや⾏動次第。 ➤ 意図せずアウトプットが成果物になることもある。 ➤ 循環や「?」のための重要なファクター…詳細は次スライ ド。 【提案②】「価値の有無を意識するより、まずは成果物を⽬指 す」 ⾃分 アウトプット ノート 成果物 ? 11
 成果物によって循環が⽣まれる ➤ 成果物を介して、インプットとアウトプットの循環が⽣まれやすい。 ➤ ➤ 「スキル・収⼊アップ」「インセンティブ獲得」により、インプットに直結しやすい。 循環の成⾧パターン 学習教材 経験・出会い ① 循環を繰り返して強固になる…⽮印の線が太くなるイメージ。 インプット ② ⼩さい循環を速く回す…成果物をつくるハードルを下げる。 ③ 循環の輪を拡⼤する…巻き込む分野・関係者が増える。 ⾃分 ④ 枝分かれしたルートから別の循環ができる…想像以上の効果あり。 ➤ 循環させることの利点 ➤ ➤ ノート ゼロから成果物を作るより効率的。 ➤ ➤ アウトプット 成果物の増加⇒評価のチャンス増⇒「?」の数が増える(やすい)。 結果的に継続するモチベーションになる。 【提案③】「成果物を介して、インプットとアウトプットを循環させる」 成果物 ? 12
 成果物を増やすことの効能 ➤ 「?」の例 ➤ 新しい仕事・依頼 ➤ 新しい分野や⼈との出会い 「?」の効果は絶⼤ ➤ ➤ ➤ 別のルートにつながる⇒(既存の循環を覆うような)新しい循環 が⽣まれる。 「?」を⽣み出すことの難しさ ➤ 成果物のすべてが「?」を引き当てるわけではない。 ➤ 意図的に⽣み出せない(or とても困難)。 ➤ いつ引き当てるかもわからない…⽣きている間かどうかも不明。 ではどうしたらよいか? ➤ ➤ ※場合によっては予想外の分野から 成果物を増やす…試⾏回数を増やせば当たりやすくなるのと同 じ。 【提案④】「循環させて、成果物を増やす」 成果物 成果物 ? 成果物 … ➤ 成果物 10分の1の確率だったとしても、 100個の成果物があれば 10個の「?」を引き当てる。 13
 例:鍵開け本におけるインプットとアウトプット 古今東⻄の本120冊超 数⼗冊の鍵屋向け資料 成果物 インプット 脳(知 ? アウトプット 執筆 技術⼒・勘 出版 ⽇常から得たネタ 複数の鍵スクール 錠前メーカーのセミナー 鍵屋への弟⼦⼊り お⾦ 錠前の分解 解錠・破錠の実験 錠前、解錠・ 合鍵作成ツールの⼊⼿ 14
 例:暗号本におけるインプットとアウトプット 成果物 暗号本 インプット ⼤学院 アウトプット 講義 脳(知 ゼミ 数的感覚 論的感覚 論⽂ レクチャーノート (外部の)公開講 ? 出版 監訳 翻訳 学位 新卒カード お⾦ 15
 読書でスキルアップして再投資を繰り返す ➤ インプットの代表の1つが読書。その読書からスタートさせると… ➤ 読書(=⾃⼰投資+娯楽) ➤ ➤ 再投資 読書 ⇒スキルアップ⇒収⼊アップ⇒増えたお⾦で読書(⾃分に再投資)、余った分は別の投資 or 浪費 ⾃⼰投資という観点での読書の特徴 ➤ (〇)リスクがない…得た知識やスキルは誰にも奪われない。価値が下がるリスクがない。む しろ脳内で熟成されて価値が⾼まる。 ➤ (〇)分散投資になる…⾦融資産がなくなっても、スキルがあれば何度でも復活できる。 ➤ (△)ローコスト…(基本的には)本代のみ。 ➤ (△)読書の投資⾦額には限界がある…ヒトとしての読書量・習得量には限界がある。 ➤ (×)読書から得られるスキルの限界…知識を得るのにはもってこいだが、それだけでは不⼗ 分。 ➤ (×)すぐに現⾦化しにくい…労働や成果物を経てお⾦になる。知識は相続できない。 ➤ ※⽬的が「事業拡⼤」「お⾦」であれば、最初からその⽬的を達成するための⾏動を起こすべき。 ➤ 【提案⑤】「読書はインプットの第⼀候補。脳に財産の⼀部を移す」 ⾃⼰投資 ? スキルアップ お⾦ 事業投資 ⾦融投資 成果物 浪費 投機 16
 本発表で紹介した5つの提案 ① 「圧倒的なインプット and 圧倒的なアウトプットに挑戦する」 ② 「価値の有無を意識するより、まずは成果物を⽬指す」 ③ 「成果物を介して、インプットとアウトプットを循環させる」 ④ 「循環させて、成果物を増やす」 ⑤ 「読書はインプットの第⼀候補。脳に財産の⼀部を移す」 17
 『「技術書」の読書術』で紹介した内容をフル活⽤する ➤ ➤ ➤ 『「技術書」の読書術』では読書の観点で様々なインプット法とアウトプット法を紹 介している。 ➤ くじ引き読書法 ➤ 分冊化読書法、時間制限読書法、マーキング読書法、⼀点突破読書法、超多読法 ➤ ※私のパートから抽出 読書法に正解はない。⼈それぞれであり、⾃分に適した読書法を確⽴して欲しい。 ➤ 紹介した読書法を真似する。 ➤ 紹介した読書法を反⾯教師にする。 そして、本講演のテーマであったインプットとアウトプットの循環を意識して、⽇々 を楽しんでもらいたい。 18
 ご清聴 ありがとうございました 19