SaaSの成長を加速する 「Revenue Operations」の始め方

5.6K Views

June 23, 23

スライド概要

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

AWS Dev Day 2023 Tokyo SaaSの成長を加速する 「Revenue Operations」の始め方 @hidetaka_dev Updated Apr 2023

2.

Revenue Operations ( RevOps ) 2

3.

https://stripe.com/sessions 3

4.

73% 短期的な収益性の改善がより重要 ● ● 短期的な売り上げの向上 コスト削減と効率化 https://stripe.com/sessions 4

5.

RevOps is not special 「収益を増やす」ために、なにをしてきたか ● マーケティングによる「リードの獲得」 ○ リードの数 / 成約率 / 獲得コスト / etc.. ● 営業による「契約の獲得」 ○ 成約件数 / 成約までの時間 / 案件単価 / etc… ● サポートや開発による「使い続けたくなるサービス提供」 ○ 解約率 / アップセル・クロスセル / LTV / etc… 5

6.

RevOps is not special 組織を横断して、収益向上に取り組む -> RevOps ● 「リードになるまでの経路」をマーケが営業やサポートに ○ 「どんな製品や事例に興味を持ってきた?」 ● 顧客のFBや解約率などをサポートから営業・マーケに ○ 「解約率の低い顧客セグメントはどこ?」 ● 作成したワークフローをシステム・自動化する ○ 統合された分析ダッシュボード ○ システム・サービスへの組み込み 6

7.

Revenue Operations ( RevOps ) 7

8.

Revenue Operations ( RevOps ) is NOT Special 8

9.

https://www.100inc.co.jp/download/ebook-revops-guide 9

10.

Revenue Operationsを AWS & Stripe でどう始めるか? 10

11.

AWS Dev Day 2023 Tokyo 👋 Hello! Hidetaka Okamoto(岡本秀高) Developer Advocate @ Stripe 💬 @hidetaka_dev ✉ [email protected] Hyogo / Kyoto, Japan

12.

AWS Dev Day 2023 Tokyo Agenda: AWSで始めるRevenue Operations ● Revenue Operationsとは? ● Revenue Operations 3つのユースケース ○ LTV(顧客生涯価値)を上げる ○ コストを削減する ○ 新しい収益モデルを構築する ● データ活用と自動化で、 「ビジネスの成長」と「新しいビジネス」を 12

13.

AWS Dev Day 2023 Tokyo Agenda: AWSで始めるRevenue Operations ● Revenue Operationsとは? ● Revenue Operations 3つのユースケース ○ LTV(顧客生涯価値)を上げる ○ コストを削減する ○ 新しい収益モデルを構築する ● データ活用と自動化で、 「ビジネスの成長」と「新しいビジネス」を 13

14.

Revenue Operations 3つのユースケース 収益を増やす方法は2つ 売上を 増やす ● ● LTV(顧客生涯価値)の増加 ○ 客単価を上げる ○ 解約率を下げる 新しい収益モデルの創生 費用を 減らす ● ● ● ● 固定費用を減らす 社内リソースの効率的な運用 不正利用を予防する キャッシュフローを改善する 14

15.

その前に・・・ 15

16.

サービスのLTV 把握していますか? 16

17.

Life Time Value 顧客が取引を終了するまでに、 平均継続期間 x 平均売上高 x 粗利率 いくら企業に支払ったか https://stripe.com/sessions 17

18.

LTVを簡単おさらい データからLTVを計算する ● 平均継続期間: 1年 / 解約率 ○ 例: 解約率 8%の場合、平均継続期間は12.5年 ● 平均売上高(ARPU):売上高 / ユーザー数 ○ 年商 1億、1000ユーザーの場合、ARPUは10万 ● LTV計算例: ○ 12.5年 x 10万 = 62.5万円 18

19.

LTVを簡単おさらい StripeとAWSで、「LTVの可視化」を自動化する AWS account レポートデータの出力 データの取得 Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) AWS Cost & Usage Report Amazon QuickSight 集計データをS3に保存 AWS Lambda SQLでの集計結果を Webhookで送信 Stripe Sigma 19

20.

LTVを簡単おさらい StripeのデータをAWSで処理するパターン AWS account レポートデータの出力 データの取得 Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) AWS Cost & Usage Report 生データ出力 Amazon AppFlow データの取得 Amazon QuickSight 変換と フィルター Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) AWS Glue DataBrew 構成参考: https://track3jyo.com/2023/04/hugo-ranking-widgets/ 20

21.

https://wellarchitectedlabs.com/cost/200_labs/200_cloud_intelligence/ https://zenn.dev/stripe/books/workshop-amazon-eventbridge-no-code

22.

Revenue Operations 3つのユースケース LTV(顧客生涯価値)を上げる

23.

LTVを簡単おさらい LTVを増やす3つの方法 ● 平均継続期間:解約率を下げる ● 平均売上高: 顧客あたりの単価をあげる ● 粗利率:コスト削減 23

24.

LTVを簡単おさらい LTVを増やす3つの方法 ● 平均継続期間:解約率を下げる ● 平均売上高: 顧客あたりの単価をあげる ● 粗利率:コスト削減 24

25.

「問い合せで解決」は ロイヤリティを 低下する可能性がある 出典:「おもてなし幻想」(実業之日本社) https://www.j-n.co.jp/app/webroot/omotenashi/ https://stripe.com/sessions 25

26.

Revenue Operations 3つのユースケース - LTVを増やす3つの方法 「攻めのユーザーサポート」で問題解決を支援する ● 問い合せされる前に、問題を認識して支援する ○ 例: カード決済や銀行口座への入金が期日を過ぎた ○ 「問題発生」をイベントで受け取り、適切に処理する ● 「聞かれる前に、こちらから案内する」 ○ 「なにが起きて」「どういう状況で」「何をすべきか」 ○ AWSやStripeなどのデータを利用して、 解決方法または適切な窓口をメールなどで案内 26

27.

「攻めのユーザーサポート」で問題解決を支援する 決済や契約に関する「問題」を迅速に検知・対応する AWS account Webhook イベント Stripeで起きた出来事に 対処するワークフロー (未払いなど) AWS Step Functions workflow Email Event AWS Lambda Amazon Simple Email Service (Amazon SES) 顧客への 契約に関する お知らせ Users Amazon EventBridge Scheduler Stripeのデータを参照し、 AWS Lambda 事前対応が必要な 顧客や契約を特定 Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) Email notification Admin 27

28.

クイックスタートで 手軽にセットアップ AWS account AWS Lambda PutEvents Amazon EventBridge 28

29.

LTVを簡単おさらい LTVを増やす3つの方法 ● 平均継続期間:解約率を下げる ● 平均売上高: 顧客あたりの単価をあげる ● 粗利率:コスト削減 29

30.

どんなユーザーが どんな提案を求めているか? 30

31.

Revenue Operations 3つのユースケース - 平均売上高: 顧客あたりの単価をあげる Amazon PinpointとAWS Amplifyで行動を分析 AWS account PutEvent (Amplify SDK) Client Amazon Pinpoint PutEvent (AWS SDK) Amazon Kinesis Admin Stripe Webhook AWS Lambda Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) Amazon Athena Amazon QuickSight 31

32.

Revenue Operations 3つのユースケース - 平均売上高: 顧客あたりの単価をあげる メール送信などのエンゲージメントへの活用 AWS account PutEvent (Amplify SDK) Client Amazon Pinpoint PutEvent (AWS SDK) Amazon Simple Email Service (Amazon SES) Email Users Amazon Kinesis Admin Stripe Webhook AWS Lambda Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) Amazon Athena Amazon QuickSight 32

33.

Revenue Operations 3つのユースケース コストを削減する

34.

Revenue Operations 3つのユースケース - コストを削減する 「見えない作業」を自動化する ● サブスクリプションの請求管理 ○ カードの決済失敗や銀行振込の遅れ対応など ● 契約管理や顧客情報管理 ○ 領収書の再発行・請求先住所や担当者名の変更など ● それに関連する開発・保守工数 ○ 請求管理・カード情報更新・督促システムなど 34

35.

Stripe Customer Portalで、 契約管理ページを ノーコードで実装

36.

Revenue Operations 3つのユースケース - コストを削減する 「イベント」でAWSの外で起きたことをキャッチする AWS account Webhook イベント AWS Step Functions workflow Email AWS Lambda Amazon Simple Email Service (Amazon SES) Amazon Cognito PutEvents 制限グループに 移動 Amazon EventBridge Amazon CloudFront 未払いや 利用制限の 通知メール Users Functions アクセス制限の Edge Function設定 36

37.

Revenue Operations 3つのユースケース 新しい収益モデルを構築する

38.

新しい収益モデルを構築する 30%: 2025 年までに世界の全経済活動のうちプラッ トフォームを介して行われる経済活動の割合 出典:McKinsey

39.

新しい収益モデルを構築する プラットフォーム化で、「新しいお金の流れ」を生む ダイレクト支払い デスティネーション支払い プラットフ ォーム手数料 オンラインで の支払い 加盟店 支払いと送金別方式 プラットフ ォーム手数料 プラットフ ォーム オンラインで の支払い プラットフ ォーム 加盟店 オンラインで の支払い プラットフ ォーム 加盟店 トップアップおよび送金 プラットフォー ムの銀行口座 プラットフ ォーム アカウント引き落とし 加盟店 加盟店 プラットフ ォーム 送金の差戻し オンラインで の支払い プラットフ ォーム 加盟店 39

40.

Revenue Operations 3つのユースケース - 新しい収益モデルを構築する 「決済手数料」を新しい収入源にする ● サービス上で、「ユーザーが販売」を行う ○ CMSユーザーがデザインテンプレートを販売 ○ 農家・生産者が直接商品を販売 ● 場所やシステム・決済手段を提供し、手数料を受け取る ○ 決済額に対する利率 ○ 固定のシステム利用料 ○ その他有料機能オプションの提供など 40

41.

Revenue Operations 3つのユースケース - 新しい収益モデルを構築する プラットフォーム機能を「後から」追加する ユーザー管理 Client リダイレクト型 決済ページ REST API呼び出し AWS Amazon Cognito AWS Lambda Amazon DynamoDB Checkout 41

42.

Revenue Operations 3つのユースケース - 新しい収益モデルを構築する プラットフォーム機能を「後から」追加する ユーザー管理 Client リダイレクト型 決済ページ REST API呼び出し AWS 商品情報等に 出店者IDを追加 Amazon Cognito AWS Lambda 出店者ID 登録 Amazon DynamoDB 登録用 URL発行 Connect 出店者とプラットフォームで 売上を分配 Checkout 42

43.

const client = new CognitoIdentityProviderClient({}) const response = await client.send(new AdminGetUserCommand({})) Revenue Operations 3つのユースケース 新しい収益モデルを構築する const stripe = new Stripe(c.env.STRIPE_SECRET_API_KEY) const props: Stripe.AccountCreateParams = { type: 'express' } if (!response.UserAttributes) response.UserAttributes = [] for await (const att of response.UserAttributes) { if (att.Name === 'email') { AWSのデータで アカウント登録を スムーズに props.email = att.Value } … } const account = await stripe.accounts.create(props) 43

44.

Revenue Operations 3つのユースケース 新しい収益モデルを構築する const account = await stripe.accounts.create(props) const UserAttributes = [...response.UserAttributes, { Name: 'custom:connectId', Value: account.id }] const client = new CognitoIdentityProviderClient({}) await client.send(new AdminUpdateUserAttributesCommand({ Username: c.req.body.username, UserPoolId: c.env.USERPOOL_ID, UserAttributes })) 出店者IDを UserAttributesに 保存する 44

45.

Revenue Operations 3つのユースケース - 新しい収益モデルを構築する Stripe ConnectでAWS側の構成変更を最小限に ● ノーコード・ローコードに組み込みを実施 ○ アカウント登録などの事務手続きをAWS外で ○ 発行されたアカウントIDをCognito User Poolsなどに登録 ● 手数料徴収も、既存のコードをベースに実施 ○ 決済処理のAPIにアカウントIDを追加する ○ 「マーケットプレイスの提供」だけに 開発リソースを集中できる要件・仕様にする 45

46.

Revenue Operations 3つのユースケース - 新しい収益モデルを構築する プラットフォーム化に向けたマルチテナント化 ● 複数のユーザーが、アプリ内でビジネスをする ○ プラットフォーム側とユーザー側のアクセス権設定 ○ ユーザーごとのリソースアクセス ● Cognito User PoolsのグループとIAM ロールで制御 ○ グループで「運営」「販売者」「ユーザー」を区別 ○ グループごとにIAMロールでアクセス権を設定 ○ カスタム属性にStripe ConnectアカウントIDを登録 46

47.

AWS Dev Day 2023 Tokyo Agenda: AWSで始めるRevenue Operations ● Revenue Operationsとは? ● Revenue Operations 3つのユースケース ○ LTV(顧客生涯価値)を上げる ○ コストを削減する ○ 新しい収益モデルを構築する ● データ活用と自動化で、 「ビジネスの成長」と「新しいビジネス」を 47

48.

「ローンチ後の成長」も 重要なミッション 写真:Bing Hui Yau on Unsplash https://unsplash.com/ja/写真/crdXa0op5bI Unsplashライセンス

49.

AWS Dev Day 2023 Tokyo 「安定を目指したOps」と「成長に向けたOps」 ● 「なにを目的に運用しているか?」で体制も予算も変わる ● 「どちらか」ではなく「攻めと守りの役割分担」 ○ 拡大するためには、拠点が必要 ○ 「安定したサービスを提供する」 -> DevOps ○ 「そのサービスで収益をあげる」 -> RevOps 49

50.

社内で成功した RevOpsを As a Serviceに

51.

AWS Dev Day 2023 Tokyo HTML Ruby Python Go Java 1 <form action="/your-server-side-code" method="POST"> <script src="https://checkout.stripe.com/checkout.js" 2 class="stripe-button" 3 data-key=”pk_test_6pRNASCoBOKtIshFeQd4XMUh" 4 data-amount="10000" 5 data-name="Stripe.com" 6 data-description="Widget" 7 data-image="https://stripe.com/img/checkout/marketplace.png" data-locale="auto" 8 data-zip-code="true"> 9 </script> 10 </form> 11 複雑だった 「オンライン決済」を 数行のコードに 51

52.

https://stripe.com/sessions 2022-2023年の年間決済処理額 1兆ドル( 約138兆円 )

53.

“You ain’t gonna need it” - http://www.extremeprogramming.org/rules/early.html 53

54.

AWS Dev Day 2023 Tokyo YAGNIの原則: 必要になるまで機能を追加しない ● あるものを活用する ○ StripeやAWSが提供するダッシュボード ○ 「目的を達成できる」マネージドサービスを活用 ○ 「足りないデータ」だけAWSに取り込む ● Revenue Operationsの目的は、 「プロダクトの収益を増やすこと」なのを忘れない 54

55.

巨人の肩に乗ることで より遠い目的地に向かう 55

56.

Stripeなどの 連携SaaSで 分析する

57.

SaaS側で 分析したデータを AWSに取り込む

58.

YAGNIの原則: ニーズのないものを先回りして作らない 小さな1歩目は、社内の通知から AWS account Webhook イベント PutEvents Email notification AWS Lambda Amazon EventBridge ● 新しいユーザーの申し込みのお知らせ ● 解約の発生とその理由の共有 ● 未払いや不審請求申立ての発生通知 ● 週次・月次のMRRや解約率レポート ● etc… Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) Users AWS Chatbot Chat Notification 58

59.

Question: 「そのOpsはだれのため?」 「そのOpsはなぜ必要?」 59

60.

AWS Dev Day 2023 Tokyo 👋 Thanks! Increasing The GDP Hidetaka Okamoto(岡本秀高) Of the Internet Developer Advocate @ Stripe https://stripe.com/jp/newsroom/information 💬 @hidetaka_dev ✉ [email protected]