プロダクトの価値は始まりにすぎない!事業から組織へ拡がるダイキンのアジャイル化

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November 26, 25

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内製開発Summit2025

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ダイキン工業 アジャイル内製センターの外部登壇資料を掲載しています

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1.

プロダクトの価値は始まりにすぎない! 事業から組織へ拡がるダイキンのアジャイル化 内製開発 Summit 2025 アジャイル内製化チーム feat. プラットフォームチーム 谷尾虎之介 / 角田潤也 / 大友楽人 ダイキン工業株式会社 1/52

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本セッションの流れ ▍話すこと アジャイル内製化チームの取り組み 開発チームと営業部門との関係性・目指す未来 アジャイルな開発基盤を支える組織的な内製化の推進 他の事業部を巻き込んだ組織変革への挑戦 ▍話さないこと 何故、どうやってアジャイル・内製化の体制を作り上げたか 詳細を聞きたい方はAsk The Speakerにてお待ちしております! 昨冬開催のイベントで「大手製造業のアジャイル開発促進」と題して登壇もしています ダイキン工業株式会社 2/52

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自己紹介 ▍ダイキン工業株式会社 創業 101 年目 コア事業 エアコン 海外売上比率 83% ▍谷尾 虎之介 新卒4年目 ScrumMaster QualityConsultant ソリューション事業のコアドメイン ダイキン情報技術大学4期生として入社 空調機の遠隔監視や故障予知 過去のイベント登壇 空調データを活用した省エネ化 ピーク電力の抑制 空調機の負荷に応じた温度制御 ダイキン工業株式会社 JaSST'23 Kansai JaSST'24 Tokyo Scrum Fest Okinawa 2024 etc. 3/52

4.

自己紹介 ▍角田 潤也 新卒 6 年目 TeamLeader PlatformEngineer ▍大友 楽人 新卒 6 年目 TeamLeader ダイキン情報技術大学2期生として入社 ダイキン情報技術大学2期生として入社 Cloud Operator Days Tokyo 2024 審査員特別賞(挑戦編)受賞 JAWS FESTA 2024 EdgeTech+2022 Tech Play【DAIKIN Developer DAY2】 過去のイベント登壇 ダイキン工業株式会社 過去のイベント登壇 4/52

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アジャイル内製化チームの取り組み ▍ダイキンにおけるアジャイル内製化の道 Level 1 My Team : アジャイル内製化チームの取り組み Level 2 Relationships : ステークホルダーにアジャイルを広げる Level 3 Platform : アジリティのあるチームを支える基盤 Level 4 Entire System : 内製の価値観や領域を企業全体へ波及 ダイキン工業株式会社 5/52

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アジャイル内製化チームの体制 ▍3 つの独立したスクラムチーム ダイキン工業株式会社 6/52

7.

スクラムチームの垣根を超えた各ロールの連携 ▍POミーティング テーマの方向性や優先度について 意見交換 ドメイン知識の共有 ▍SMミーティング 各スクラムチームでの振り返りを 共有・議論 組織全体の課題や改善点を検査 ダイキン工業株式会社 7/52

8.

スクラムチームの垣根を超えた開発チームの連携 ▍Learning Dayの採用 対面で開発チーム全員が集まる(週1・半日) 各スクラムチームのプロダクトゴールに向けた取り組みを共有 モブプロ中... スプリントで得られた技術的な知見の共有 全員参加型の15分間のチームLTを開催 詳細は5月スクラムフェス新潟・・・で話したい!! 残りの時間の全てを技術研鑽に確保 ダイキン工業株式会社 8/52

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スクラムチームの垣根を超えた新メンバーの教育 ▍技術だけでなくドメインの理解に要する時間の短縮 1. 各種申請の情報や技術スタックを集約 内容をGitHub上にmarkdown形式で管理 2. ドメイン知識の集約 ProjectBoard上にISSUEとして情報を一元管理 サービス商材やソリューションの仕組みを簡潔に解説 ダイキン工業株式会社 9/52

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徐々にスケールするスクラムチーム ダイキン工業株式会社 10/52

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チームの拡大と成長 ▍プロダクトを育てながら、チームを育てる 集合と解散を繰り返す組織体制からの脱却 チームメンバーは4人(立ち上げ時)から15人へ 失敗や負債を糧として次へ繋げる ▍アウトプット生産性の向上と安定化 「品質に強い人がいないから仕方ない」からの脱却 POやSMを含めたチーム一丸での品質活動 ダイキン工業株式会社 11/52

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部門を巻き込むアジャイルと内製化の波 ▍ダイキンにおけるアジャイル内製化の道 Level 1 My Team : アジャイル内製化チームの取り組み Level 2 Relationships : ステークホルダーにアジャイルを広げる Level 3 Platform : アジリティのあるチームを支える基盤 Level 4 Entire System : 内製の価値観や領域を企業全体へ波及 ダイキン工業株式会社 12/52

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ステークホルダーと協働する必要のあるイベント ▍スクラムを円滑に回し、プロダクトの価値を高めるために... インセプションデッキの作成 プロダクトゴールの策定 スプリントレビュー ▍ドメイン理解を深め、価値を創造するために... イベントストーミング ユビキタス言語の探求 ダイキン工業株式会社 13/52

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うまくいってるように見えたが・・・ ダイキン工業株式会社 14/52

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ステークホルダーとの衝突 ▍プロダクトゴールに対する認識のズレ 開発部門:プロダクト価値と効果の検証を重視したい 営業部門:今年度の数値目標を達成するための施作を重視したい ▍社内受諾のような関係が払拭しきれていない ""プロダクトのため""ではなく""開発チームのため""の協力 「目的はよく分からんけど、とりあえずXXXすればいい?」 「よくわからないけど、開発チームが言うなら時間は取るよ」 ダイキン工業株式会社 15/52

16.

では、何が原因だったのだろう? ダイキン工業株式会社 16/52

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衝突の誘因していたもの ▍根底にある理念や考え方の共有と共感 スクラム未経験者がチームに加入したときに伝えること 1. スクラムイベントの内容や目的 2. スクラムにおける三本柱や価値基準 ステークホルダーには(良かれと思って)隠蔽していた スクラムはスクラムチームとステークホルダーの共同作業 例:スクラムの 5 つの価値基準「公開」 スクラムチームとステークホルダーは、作業や課題を公開する。 (スクラムガイド2020) ダイキン工業株式会社 17/52

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事業部門に向けた具体的なアクション ▍アジャイルワークショップへの参加 アジャイルレストラン (主催:IT プレナーズ) 営業課長 + 若手営業メンバーで「アジャイル」を体験 ▍社外交流への招待 東京ガス内製開発チームとの意見交流会 開発フローやドメイン駆動、バリューの生み出し方などを議論 内製開発 Summit への参加 ダイキン工業株式会社 18/52

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見えてきた成果 ▍PO と同じ視座を持つステークホルダー プロダクトゴールを見据えた本質的な議論や指摘 「当初の目的とズレてきているが、どっちを優先すべきだろう?」 「最小のリソースで最大の価値を出すために、どうすればいいだろう?」 ▍営業部門を主体としたプロダクトの推進 意思決定の速さと実行力の高さの重要性を認識 開発部門から営業部門の中に取り込まれにいく ダイキン工業株式会社 19/52

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開発チームが目指す未来 ▍開発チームを営業チーム側にスケールさせる ダイキン工業株式会社 20/52

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スクラムチームを支える実行支援組織 ▍ダイキンにおけるアジャイル内製化の道 Level 1 My Team : アジャイル内製化チームの取り組み Level 2 Relationships : ステークホルダーにアジャイルを広げる Level 3 Platform : アジリティのあるチームを支える基盤 Level 4 Entire System : 内製の価値観や領域を企業全体へ波及 ダイキン工業株式会社 21/52

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開発チームが築いた信頼貯金 ▍安定した高速な開発(当社比)の実現 ダイキン工業株式会社 22/52

23.

開発チームを支えるプラットフォーム ダイキン工業株式会社 23/52

24.

アジャイル内製化チームとプラットフォームチームの関係性 ダイキン工業株式会社 24/52

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いかにして内製化を支援するか ▍これまでの実績 AWS アカウント払い出しのシステム化 リードタイムの大幅な短縮 AWS セキュリティルールの改訂/ルールのレビュー支援システム構築 リスクレベルに応じた精度向上・対応工数削減 ▍今後やりたいこと レビュー支援システムの普及 内製化チーム単独で、セキュリティをセルフチェックできるよう教育 ダイキン工業株式会社 25/52

26.

手間のかかる開発環境の構築 ダイキン工業株式会社 26/52

27.

当初のAWSアカウントの払い出し申請フロー ▍手作業の多い煩雑な申請フロー 払い出しまで1週間かかる上に、ミスが多発 ダイキン工業株式会社 27/52

28.

AWS アカウント払い出しのシステム化 ▍内製により時短と申請ミス低減の実現 SLAを敢えて下げてでも、利用者からの申請しやすさを優先 編集しやすさ:GitHub上にリストを置き、ActionsでCI/CD SLA:GitHub自体が年何回か落ちる(が、社内フロー的に許容) ダイキン工業株式会社 28/52

29.

DevSecOpsの実現に向けて ダイキン工業株式会社 29/52

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Excel ベースの難解な全社セキュリティルール ▍オンプレやベンダー委託を前提としている 適宜ルールの読み替えが求められる 社内 IT エンジニアが急増したものの内製領域が拡大しない 通常業務を 2 年間免除 ダイキンは企業内大学で「Π 型人材」を徹底育成 - 日経 XTECH ▍モダンなプロダクト開発に即していない リリース前に専門家によるレビューが必須 DevOps を通した継続的なチェックができない ダイキン工業株式会社 30/52

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全社 AWS セキュリティルールの改訂 ▍オンプレやベンダー委託を前提としたルールの見直し 全社 IT 部門と共同でセキュリティルールを一から改訂 具体的な AWS サービス名を盛り込んだ記載に修正 オンプレ経験のない若手エンジニアでも内容を誤読しづらくなった 改訂時、ルールが各アカウントの運用実態に即しているかを検証 コミュニケーションコストの観点から、検証も内部で実施 ダイキン工業株式会社 31/52

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ルールのレビュー支援システム(実環境に対する自動チェック) ▍日々の簡易チェックが可能 システム改良後に即チェック ダッシュボードに自動集約する 継続的チェックが可能に 手動レビューは残ったが、 レビュー工数は省力化出来た レビュー資料の作成がほぼ不要に ダイキン工業株式会社 32/52

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実際に運用中のダッシュボード ダイキン工業株式会社 33/52

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さらなる内製化の推進を支援するために ▍レビュー支援システムの普及 内製化チーム単独で、セキュリティをセルフチェックできるよう教育 プラットフォームチームにセキュリティ知識集約せず、全体を底上げする 内製化チームだけでなく、外注に頼っているチームにも展開 ベンダー側の開発チームにも使ってもらい、セキュリティ意識を高める ▍新しい領域への挑戦 インフラを越えて、プロダクトコードもセキュリティチェック プロダクト新規開発をセキュアに始められる仕組みづくり ダイキン工業株式会社 34/52

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ダイキンの未来 ダイキン工業株式会社 35/52

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アジャイルと内製実現に向けた組織変換 ▍ダイキンにおけるアジャイル内製化の道 Level 1 My Team : アジャイル内製化チームの取り組み Level 2 Relationships : ステークホルダーにアジャイルを広げる Level 3 Platform : アジリティのあるチームを支える基盤 Level 4 Entire System : 内製の価値観や領域を企業全体へ波及 ダイキン工業株式会社 36/52

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組織全体のアジャイル化・内製化に向けた取り組み ▍組織変革を伴う内製領域の拡大運動 ▍全社の人材教育への貢献 ▍社内コミュニティの展開・運用 ダイキン工業株式会社 37/52

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全社的な課題 ダイキン工業株式会社 38/52

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ダイキン全体への展開 ▍多くの事業部がほとんどを外注に頼っている 社内にノウハウが蓄積されない 意思決定や実行スピードの低下 内製化が進んでいる企業と比較して、競争力が低下 ▍コアドメインの内製領域の拡大を目指す 特定の事業部門からスモールスタート 組織体制および制度そのものを変革する ダイキン工業株式会社 39/52

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抱えていた課題 ▍「移管」という仕組み 研究開発組織で開発したものを事業部で運用 開発と運用が分離することによる、スピードと品質の低下 事業部門に開発に関する知見がなく、外部委託に依存 ▍「移管」による評価制度 開発チームの評価指標が移管率のみ ソフトウェアの品質やプロダクトの価値が蔑ろに・・・ ダイキン工業株式会社 40/52

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開発運用体制の変更 ▍開発から運用までを一気通貫した内製化 ⚫︎従来の開発形態 開発経験のない事業部門が運用 新たな機能拡充が困難 ダイキン工業株式会社 ⚫︎目指すべき未来 開発チームが継続的に保守運用 フィードバックをもとに都度改良 41/52

42.

評価指標の見直し ▍プロダクトの価値を最大化する評価指標への変更 アウトカム プロダクト利用による顧客の変化(例:業務効率化、売上向上) ビジネスインパクト プロダクトが事業にもたらす成果(例:売上増加、コスト削減) ダイキン工業株式会社 42/52

43.

全社的なエンジニアのフォローアップ ダイキン工業株式会社 43/52

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アジャイル内製化チームの教育資産を全社の教育資産へ ▍システム開発の知見がない若手社員への手助け チームで閉じている知見をダイキン全体に広げたい ▍OSSのように教育コンテンツの拡充・成長を図る 誰でもアクセス可能 誰でも利用可能 誰でも編集可能 教育資産の質を向上 ダイキン工業株式会社 44/52

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OSS 形式で教育資料を公開する意義 ▍継続的な改善 利用者からのフィードバックやコントリビュートにより、内容の誤り や不足が修正、品質の向上 ▍透明性の確保 GitHub上に公開することで、変更履歴や作成者の追跡が可能になり、 資料の信頼性が向上 ▍共同作業の促進 異なる知識やスキルを持つ人々が集うことで、多面的な教育資産に ダイキン工業株式会社 45/52

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社内コミュニティの展開 ▍横軸での若手エンジニアへの支援やサポート システム開発全般に関する社内コミュニティ AWS などのクラウドに特化した社内コミュニティ 延べ400人以上の参加者 <活動内容> 社内カンファレンスの様子... ワークショップや輪読会、勉強会の開催 AWS などの他社との交流や講演の依頼 社内カンファレンスの開催&運営 ダイキン工業株式会社 46/52

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社内コミュニティの運営体制 ▍各領域でリードするエンジニアが主体的に活動 部門を横断した有志による組織 ≪ プロダクト開発 ≫ アジャイル内製化チーム 化学事業のエンジニア ≪ 営業部門 ≫ ≪ インフラ基盤 ≫ プラットフォームチーム 全社IT部門のクラウド管理者 運営メンバーのスケール イベントを開催しながら、意欲的な若手を発見&吸収 ダイキン工業株式会社 47/52

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更に仲間をふやすために ダイキン工業株式会社 48/52

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エンタープライズ内製組織コミュニティ(仮)を準備中! これまで、アジャイル開発やDevOpsをキーワードに、数社と交流会実施 ⇒ 取り組みや課題感を共有するのは大きな学びになると手応え 大企業の中で内製化を試行錯誤しながら 進めている仲間たちともっと繋がりたい!! 東京ガス様とコミュニティの立ち上げ準備中! 現在参加希望者や活動ニーズを探るアンケート を実施中。興味ある方は是非ご回答ください! ダイキン工業株式会社 49/52

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共に働く仲間を募集しています!! ダイキン工業株式会社 50/52

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その他採用関係情報 ① コトへの転換で広がる、ビジネスとキャリアの可能性 http://bit.ly/4gPYISG ② 世界で伸長する空調市場。今、R&Dから新しい価値を描 く面白さ https://bit.ly/4bfuUh1 ③ 部門を越えたDXとデータ活用でソリューションビジネス は加速する https://bit.ly/4hJKV1p ④ テクノロジー・イノベーションセンター 広報ページ https://www.daikin.co.jp/tic ダイキン工業株式会社 51/52

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ご清聴ありがとうございました ご質問があればお気軽にどうぞ!! ダイキン工業株式会社 52/52