大手製造業のアジャイル開発促進

開発生産性 Conference 大手製造業の アジャイル開発促進 〜After Findy Team+ Award 2023〜

アジャイル内製化チーム 設計/開発/テスト/運用含めてフルサイクル開発 PO PO SM 開発者 SM 開発者 2

自己紹介 ダイキン工業株式会社 Speaker：森鳰 武史 Team Leader @アジャイル内製化チーム ・2016 - 2019 データサイエンティスト ・2019 - ITエンジニア 好きなこと：スクラム/ テスト/ 設計 ソフトウェアエンジニアとして コードの書き方を変えた本 3

アジェンダ 1. なぜアジャイル内製化なのか 2. アジャイル開発推進の戦略 3. 開発生産性を「品質」から高める 4. まとめ 5. Q＆A 4

なぜアジャイル内製化なのか フィードバックを効果的に反映できない体制 R&D 事業部門 研究 営業 企画 想定顧客 受入テスト 要件定義 ベンダー 基本設計 結合テスト 詳細設計 単体テスト ベンダー 保守運用 実装 顧客 Citation: https://shiftasia.com/ja/column/v%E5%AD%97%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%81%AF/ 5

なぜアジャイル内製化なのか フィードバックを継続的に反映する体制 アジャイル内製化チーム 研究 営業 企画 受入テスト 要件定義 スプリント ベンダー スプリント スプリント スプリント スプリント 基本設計 スプリント 結合テスト 現場からのフィードバック 詳細設計 単体テスト 事業部門 営業 スプリント ベンダー 保守運用 実装 顧客 Citation: amazon.com 6

開発チーム設立の戦略 アジャイル内製化体制をつくる • ボトムアップにおいて重要なこと • コア事業を狙う • ステークホルダーの信頼を得る • 経営層に価値を示す コア事業を担う部門の業務効率化に着手 7

開発チーム設立の戦略 エネルギーマネジメント事業の業務効率化 • 業務自動化システムを内製 • 業務工数90%削減 • 新商材としての収益性を発見 • サブスクリプション型商材化 商材を軸に継続的に開発・運用できる体制を確立 Citation: https://www.daikincc.com/fcs/service/ene_focus_a/ 8

開発チーム設立の戦略 継続的に開発・運用できる体制で何をしたいか • チームの文化を形成する • アジリティーをもって価値を届け続ける • 自己組織化（フルサイクル開発） • 失敗や負債を次に活かす 長期的な事業価値に向けてチームを成長させる Photo by Morinobu 9

アジャイル開発チームとして 10

アジャイル開発チームとして アジャイル開発チームの成長のために • 成長の戦略 • スクラムの徹底的順守 • テックブログから吸収 ビジョンは製造業で一位、メガベンチャーに並ぶ影響力 Citation: amazon.com 11

アジャイル開発チームとして 成長の検査のため、Four Keysに注目 • 成長の検査と適応 • 改善取り組みが効果的だったのか • 社外と比べ何が不足しているのか（Findy Team+） Next→ Four Keysをどのように活用して成長の検査をしてきたか Citation: amazon.com 12

選手交代 気が滅入る？ 君の生活にユーモアがたりないのかも。 Photo by Morinobu: 休憩猫 Citation: peanuts 13

自己紹介 ダイキン工業株式会社 Speaker：谷尾 虎之介 Quality Control Engineer Scrum Master @アジャイル内製化チーム • ダイキン情報技術大学４期生として入社 • 現在入社3年目 ダイキン情報技術大学 不足するデジタル人材を 育成するための社内大学 広い分野でDXを推進 ✓データ分析 ✓AI技術開発/活用 ✓システム開発 • 好きなこと：CI/CDの高度・最適化 Citation: https://toyokeizai.net/articles/-/271400 14

チームにおける開発生産性のウィークポイント もしかしてアジャイルなチームになっていない・・・？ 黎明期 デプロイ頻度 不明 リードタイム 不明 変更失敗率 不明 MTTR 不明 - - - 機能要望に対して漫然と開発する日々 アジャイル開発チームなのにアジリティの低下を体感 しかし本当に低下しているかどうかも分からない 15

✖︎ ✖︎ ソフトウェア組織としての第一歩 作るのは遅い、不具合も多い、修正するのも遅い 黎明期 計測開始 デプロイ頻度 不明 リードタイム 不明 ▲ ▲ 変更失敗率 不明 MTTR 不明 - - メトリクスにより現状の課題が鮮明化 頻発する不具合対応によりリードタイムが長期化 品質に不安があるからリリースに慎重になる 16

✖︎✔︎ 高速なデリバリーを実現するために・・・② テスト戦略の見直し 詳細は来年の JaSST Tokyoにて！ 保守性が低くて開発に支障がでている 意図しないテストの失敗 テストコードの意図が不明瞭 ビジネス アジャイルテストの４限限で必要な観点の理解と導入 Q1. 機能テスト(単体/統合テスト)の拡充・修正 Q2. 受け入れ条件に対する例示やテストの記述 Q3. 探索的テストの導入と継続的な実施 Citation: Agile Testing: A Practical Guide for Testers and Agile Teams チ ム を 支 援 Q2 Q3 製 Q1 Q4 品 を 批 評 技術 17

✖︎ 品質面の見直しと強化を図る 作るのは速い、不具合も減った、でも障害は・・・ 黎明期 計測開始 中間期 デプロイ頻度 不明 リードタイム 不明 ▲ ▲ 変更失敗率 不明 ○ ○ ▲ MTTR 不明 - 品質を高めることで自信を持って開発に従事 変更失敗率が低下し、リードタイムも向上 一方で、発生してしまった障害をすぐに修正できなかった 18

✔︎ ✖︎ 大規模障害は突然やってくる 「障害を防ぐ」から「障害に耐える」へ 大規模なシステム障害の発生 レガシーシステムの改修実施 想定したリカバリー方法のみでは復旧に失敗 ビジネス 復旧テスト・カオスエンジニアリングの導入 障害を擬似的/意図的に引き起こす Q4. 「回復性」を高める活動に貢献 チ ム を 支 援 Q2 Q3 製 Q1 Q4 品 を 批 評 技術 19

アジャイルテストの四象限の確立 高速なデリバリー能力・障害復旧能力の獲得 黎明期 計測開始 中間期 現在 デプロイ頻度 不明 リードタイム 不明 ▲ ▲ 変更失敗率 不明 ○ ○ ▲ MTTR 不明 ◎ ○ ▲ ○ 設計/開発/テスト/運用の全てのフェーズで品質を保証 たとえ障害が起こったとしても迅速に対応できる自信 品質を適切に抑えることで、最小単位でのリリースを実現 20

スクラムチームを超えた開発者の連携 「質とスピード」とトレードオフになる「育成と成長」 「未来」の開発生産性は「投資」がなければ生まれない 技術を身につけるための時間を作ることが重要 週に一度の開発者のためのミーティングを実施 チーム共通の技術課題をリストアップ マイルストーンの作成 新技術獲得を目的に実際に手を動かす ✔︎ ✔︎ 21 ✔︎ ✔︎ 将来の技術領域に対する積極的な投資

開発生産性に対する我々の見解 「意味のないもの」を高速で作り上げても意味がない Q2 Q3 生産性スコア を元に検査 プロダクト価値 を元に検査 Q1 Q4 開発生産性の両翼が重要 Citation: Agile-Testing-Condensed-Brief-Introduction Citation: https://2024.scrumgatheringtokyo.org/ 22

開発生産性 Conference ご清聴 た し ま い ざ ご う と ありが Photo by Morinobu 〜After Findy Team+ Award 2023〜