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May 12, 22
スライド概要
UE4 札幌Meetupで喋った時の内容のスライドです。
https://nfglabo.doorkeeper.jp/events/46882
Unreal Engine 4 札幌 Meetup #ue4studysap 絵心がなくてもわかる UE4絵作りのコツ By alwei
自己紹介 HN : alwei(アルウェイと読みます) 関西アンリアルの人。 普段Twitterをよくやってます。→ @aizen76 元々はゲームプログラマーで、3DアクションゲームやMMORPGなど、 幅広いゲームジャンルのあらゆる部分を作ったりしていました。 今はフリーでゲーム開発の先生をやったり、テクニカルライターやったり、 イベント活動をやったりと割りと何でも屋。
自己紹介 最近はイラストを描くのが趣味。 3Dモデリングもやってます!(Maya派なので仲間少ない…) ぶっちゃけ一人でなんでも作れるようになりたい。 テクニカルアーティストにも憧れる。 まぁ面白ければ何でもよし! うちの子可愛い(*´∀`)
著書 Unreal Engine 4 ブループリント逆引きリファレンス 翔泳社様より発売中。 ブループリントとは何ぞや? ビジュアルスクリプトってどう使うの? というような人向けの内容です。
さて…
札幌に大阪から 乗り込んできたものの…
関西人アウェイ!
緊張Big!
面白いこと言わないと きっと刺される!!
まぁそんなことより 誰か札幌の美味しい 食べ物紹介してください
いいから本題
UE4の絵作りについて
絵を描いてみる
モデリングしてみる
おいっ!!
私、絵心ないし… プログラマー(エンジニア)の方は、厳しいかもしれません。 じゃあUE4で魅力のある絵を出すのは難しいの? いえ、そんなことはありません。 しっかりと基礎を理解していればUE4で魅力のある絵を出すことは そんなに難しいことではありません。 今回はそんな人達向けの内容です。
ポストエフェクト
ポストエフェクト UE4に限らず、After Effectsなどの合成ソフトと同じようなことが可能。 一度レンダリングしたモノに対してかける後処理のエフェクトです。 イマドキの綺麗で魅力ある絵を表現するにはここをこだわる必要があり。 UE4にはデフォルトで様々なポストエフェクトが用意されています。 使い方は以下を参照してください。 https://docs.unrealengine.com/latest/JPN/Engine/Rendering/PostProcess Effects/index.html
ブルーム
ブルーム 現実世界における発光現象を再現するエフェクト。 いわゆるHDR(High Dynamic Range)映像のシミュレート。 あくまでもシミュレートなのでガウスブラーアルゴリズムで実装されています。 イマドキのゲームはブルームにメッチャこだわってます。 UE4はこのブルームエフェクトの質もとても高い。 ブルームにこだわるゲームはとても綺麗です!
ブルームなし
ブルームあり
更に少し調整
ブルームを使おう! ブルームは豪華な映像には必須! ブルームプロパティの、”Intensity”や”Threshold”の調整だけでも かなりの違いを見せることが可能。 光らせたいマテリアルを”エミッシブカラー”に接続するだけで光る!※値要調整 またはメタリック要素が強いものは反射によって光る。
ブルームを使おう!! 恒常的に光るものはエミッシブカラーに。 光の反射によって光る場合はライトの強さと置き方と、 メタリック、ラフネスのバランスで反射の光り方は変化します。 極端な設定にすると目に痛くなるので、やりすぎに注意。 バランスよく設定すると柔らかな表現が可能になります。
カラーグレーディング (トーンマッピング)
カラーグレーディング HDR(ハイダイナミックレンジ)をLDR(ローダイナミックレンジ)に カラー情報をマッピング仕直すことをトーンマッピングと呼びます。 これでHDR映像の高輝度を表現することができます。 UE4では更にこれの色変換を行うところまでサポートしており、 この変換処理のことをカラーグレーディングと呼んでいます。
アニメちっくな色づかい カラーグレーディングを調整することで、 普段皆さんの観ているセルアニメのような雰囲気に近い表現ができます。 セルアニメのような表現でキーワードとして重要なのは、 『彩度』『ハイコントラスト』『ガンマ値』などなど… ここから1枚ずつ変化を見ていきましょう!
完全未調整状態
Scene Color Tint(0.5,0.5,0.5)
Saturation(2.5,1.5,1.5)
Contrast (4.0,4.0,4.0)
Gamma (3.0,3.0,3.0)
High Contrast LUT挿入
独自セルシェーダー導入
独自ディフュージョン導入
最初と最終の比較 ※モデル本体のマテリアルは 一切弄っておりません。
解説
Scene Color(シーン全体の色) 最初にScene Color全体を暗く落としました。 高輝度に調整していく場合、暗い状態からの方が幅効かせて 調整がしやすいからです。
Saturation(彩度) 魅力あるアニメキャラは全体的に彩度が高い。 彩りのあるキャラは魅力的に見える。 肌の色を強くするためにR成分だけを強めにしています。
Contrast(ハイコントラスト) ハイコントラストは線の力強さを引き上げます。 白いところは白く、黒いところはより黒くなります。 アニメキャラも全体的にハイコントラストでメリハリをつけています。
Gamma(ガンマ値) ガンマ値はモニターによる色補正のことです。 モニターによって違う値になるのでここではベースのガンマ値を設定します。 今回は高い値による補正で全体的な輝度を高めました。
ルックアップテーブル ルックアップテーブルテクスチャーを挿入して、更に色変化を与えます。 今回はハイコントラストなLUTテクスチャーを挿入しました。 これでより色と線が引き立つように。 今回使用したLUT。 LUTテクスチャーは 探すと色々出てきます。
セルシェーディング 独自セルシェーディングを導入。アウトライン機能もつけています。 簡単な作り方ならブログで紹介しています。 http://unrealengine.hatenablog.com/entry/2016/05/29/204545 ぶっちゃけこの辺の 詳しいことはこの後の おぎまふさんが解説 してくれるはずなので 後は任せた!!
ディフュージョンフィルター もんしょさんが作られてたディフュージョンフィルターを参考にして、 導入しています。アニメ系の絵作りにはかなり効果あり。 https://twitter.com/monsho1977/status/670633405634248705
色づかいについてまとめ 色づかいというのは本当に重要です。 絵描きさんの絵が魅力的に見えるのは必然的に 色の選択が上手いというのも大きいはずです。 絵心がない!という人も一度色塗りをやってみるとその気持ちがわかります。 描くというのと塗るというのはまた別の技術です。 一度何かを塗ってみてから、どういう色が綺麗に見えるのか わかってくるとUE4上でも同様のことが再現できるようになります。
被写界深度 (Depth of Field)
被写界深度(DoF) カメラの焦点が合っていない時にブラーを発生させて、 見せたい対象にフォーカスし、視線を誘導させる手法です。 現実のカメラに発生するエフェクトですが、それをシミュレートします。 プロの映像の世界では間違いなく利用されており、 これが使いこなせるかでプロとアマチュアの差が出るくらいです。 UE4では3種類の被写界深度が実装されています。
被写界深度(DoF) 被写界深度の考え方は3つのレイヤーに分かれています。 Near(近距離)、Far(遠距離)、Focal Region(焦点領域) これらのレイヤーのうちNearとFarがブラーによりぼやけて、 Focal Regionとブレンドされた結果がDoFとなって画像になります。 [Show(表示)]→[Visualize(可視化)]→[Depth of Field Layers]で それぞれのレイヤーが緑、青、黒でデバッグ表示されます。
Gaussian DoF
Bokeh DoF
Circle DoF
Gaussian DoF 最も標準の被写界深度。実際にゲームで使うのには 丁度良いパフォーマンスになります。品質的にはBokeh DoFに劣ります。
Bokeh DoF 映画の映像のようなクオリティを実現するDoFです。 パフォーマンスよりもクオリティ重視なため、かなり重いです。
Circle DoF 最近追加されたDoF。クオリティとパフォーマンスのバランスは良いです。 ただし設定が貧弱で、3種類のDoFの中で最も使いこなすのが難しいところ。
まとめ マテリアルが上手く作れなくても、ポストエフェクトだけで UE4はかなりお手軽に綺麗で魅力ある絵作りができます。 もちろん絵が描けたり、モデリングできるともっと有利です。 絵心ないけど…という人も一度挑戦してみるのもいかがでしょうか? ポストエフェクトを弄る際にもそれらが相乗効果になり、 よりクオリティの高い表現ができるようになります。