A13 Microsoft 365 のドキュメント管理徹底詳解 - フル機能を使った高度な管理

19.2K Views

November 29, 24

スライド概要

Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 の「A13: Microsoft 365 のドキュメント管理徹底詳解 ~フル機能を使った高度な管理~」セッションで使用したスライドです。
https://japan-m365-community-conference-2024.connpass.com/event/332074/

Microsoft 365のドキュメント管理に関する詳細な解説書。SharePoint、Microsoft Teams、OneDrive for Businessの使い方や管理方法、Microsoft Syntex(現在はSharePoint Premium)の機能について説明。特に、メタデータ管理、ドキュメントのライフサイクル管理、機密情報保護、データ損失防止ポリシーなどの高度な管理機能に焦点を当てている。

profile-image

オフィスアイ株式会社 | 代表取締役 (https://www.office-i-corp.jp/) IT Trainer, Consultant, Author Microsoft MVP for M365 Apps & Services (July 2022 - ) Microsoft MVP for Office Apps & Services (July 2018 - June 2022) Microsoft MVP for Office Servers and Services (Oct 2015 – June 2018) Microsoft MVP for SharePoint Server (Oct 2011 – Sep 2015) Microsoft MVP for SharePoint Services (Oct 2004 – Sep 2010)

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

関連スライド

各ページのテキスト
1.

Nov, 28. -30. 2024 #A13 Microsoft 365 のドキュメント管理徹底詳解 ~フル機能を使った高度な管理~ 平野 愛 オフィスアイ株式会社 代表取締役 Microsoft MVP for SharePoint & Microsoft MVP for Microsoft 365 @ai_yamasaki #JapanM365CC2024

2.

自己紹介 – 平野愛 (ひらの あい) ▪ ITトレーナー、ITコンサルタント、執筆 • SharePoint、Microsoft Teams, Power Platform に関する研修や コンサルティングと書籍の執筆をときどき ▪ Microsoft MVP for SharePoint & Microsoft MVP for Microsoft 365 • 2004年に国内で初めて SharePoint の分野で Microsoft MVP を受賞し 現在まで連続受賞 ( ▪ 20年連続) Microsoft 認定トレーナー • Windows Server や Active Directory, IIS, .NET Framework など ※資格自体は今も実は有効だったり、、、 ひと目でわかる Microsoft 365 SharePoint 運用管理編 日経BP社より 2021年12月2日発売 https://amzn.to/3kEzSKX 2 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 https://www.office-i-corp.jp/ SharePoint Technical Notes https://shanqiai.lekumo.biz #JapanM365CC2024

3.

https://shanqiai.lekumo.biz/ 2008年から開設している個人 ブログでも SharePoint のドキュメント管理 関連の記事は 常に人気 3 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 3 #JapanM365CC2024

4.

<参考> SharePoint, OneDrive for Business, Microsoft Teams における情報の共有の在り方を俯瞰したイメージ図 情報の 重要度 ユーザー の自由度 SharePoint 単独サイト 低い Microsoft 365 コンプライアンス 高い 組織として重要な情報とし て永続的に情報を共有し管 理する ※メタデータ付与なども必 要に応じて行う 移動やコピー 機密情報保護 (情報漏えい防止など) Teams 内のチーム チームで個々に管理し、 永続的に 情報を共有する 移動やコピー OneDrive for Business 玉石混交 高い ※厳密にいえば OneDriveも SharePointがベースだが、ここでは区別する ユーザーごとに データを自由に持てるため 全体としてかなりの容量が必要 ユーザーが思考を 練ってファイルを作っ たり、自分に必要な 保存する場所 ファイルの共有場所 思考段階にある途中成果物 も多いので、社員が辞めたら、 容量や管理負荷を考えて 基本的にクリーンアップ 低い

5.

OneDrive for Business を使いこなす ▪ SharePoint がベースとなっている個人用の SharePoint サイトが OneDrive for Business ▪ Windows に搭載されているのは OneDrive の同期アプリであり、実体はあくまでも Web版の OneDrive 昨年 OneDrive v 3.0 時代に突入し、個人のドキュメント管理の中心となる 現在 OneDrive アプリは様々な場所に登場している ▪ ▪ • Microsoft Teams • Microsoft 365 ホーム • Outlook for the web など #JapanM365CC2024

6.

OneDrive for Business を使いこなす ▪ 検索ウィンドウ • 全サイトを横断的にドキュメント検索できる • 自分がアクセス権限を持っているドキュメントのみが対象 ▪ ホーム • 自分が最近、作成・編集・表示したドキュメントが一覧表示できる • フィルターによる絞り込み • ファイル名による検索 保存場所の確認 #JapanM365CC2024

7.

OneDrive for Business を使いこなす ▪ よく使うファイルは次の方法で固定する お気に入りの追加 ショートカットの追加 クイックアクセスにピン留 SharePoint サイトや OneDrive 内の任意のファイルやフォルダー をお気に入りに追加できる SharePoint サイトや OneDrive 内の任意のライブラリ/フォルダー/ファ イルをショートカットで追加できる。自 分だけの階層化もできる。 よく使う SharePoint の ライブラリを OneDrive にピン留め できる。ファイルのコピーや移動時に 便利 #JapanM365CC2024

8.

OneDrive for Business を使いこなす ▪ 同期アプリである Windows 上の OneDrive について • 階層化などがファイルサーバーと同じようにできるからという理由だけで使わない • メタデータに対応していない よく使うファイルをオフラインもできるようにするのがもともとは主たる目的 ▪ SharePoint のドキュメント ライブラリは直接同期せず、OneDriveにショート カットを作成する方が望ましい ▪ • 不用意に大量データを同期してしまうことになりかねない #JapanM365CC2024

9.

OneDrive からチームへ共有 作りかけのファイルがTeamsに共有されると 利用しているSharePointサイトの容量を圧迫し、 不要な情報も検索結果に表示されてしまう 9 作成途中のファイルは OneDrive上で 編集を続ける Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 完成したら Microsoft Teams 内の チーム内に移動またはコピー #JapanM365CC2024

10.

SharePoint 上でのドキュメント管理 SharePoint サイトはOneDrive と異なりユーザーが退職しても消えることは ないため、長期保存される ▪ 大量のドキュメントをいかに効率よく探しやすくするのかが焦点 ▪ • メタデータ管理が重要 • ※特にSharePoint Server 2010 以降、メタデータ管理は年々強化されている ▪ サイトの設計が重要であり、サイト内のライブラリをファイルの種類ごとに 作成していくようにすること • 1つのライブラリに様々な種類のファイルがフォルダー階層を使って複数入り混じって しまうのはNG ▪ ドキュメントのライフサイクル管理や機密情報保護も考慮する • 古い情報が残り続けると検索性も悪くなる • Microsoft Purview と組み合わせたライフサイクル管理や情報保護も重要 10 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 #JapanM365CC2024

11.

[Tips] ファイルを不用意に上書きさせない ▪ 昔からある機能で、もっとも手っ取り早いのは、デスクトップ版の Officeア プリでファイルを開いてファイル保存する前に「常に読み取りで開く」を きちんと設定しておくこと 11 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 #JapanM365CC2024

12.

OneDrive からチームへ共有 チーム単位の作業場所 全社的なファイルの公開または保管場所 社内規程集など 移動や コピーにより 保管庫へ チームメンバーは全員編集者 12 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 長期間保管が必 要なドキュメントの 保管庫 一部のユーザーのみが編集し、 基本的には全社員は閲覧のみ #JapanM365CC2024

13.

より高度なドキュメント管理 SharePoint / OneDrive / Microsoft Teams SharePoint Premium 13 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 Microsoft Purview #JapanM365CC2024

14.

SharePoint Premium ▪ 2023年11月の Ignite で SharePoint Premium が発表された • 以前は Microsoft Syntex と呼んでいた (いまだに表記は残っている) ▪ 従量課金制のサービス • Microsoft Azure でコスト管理を行う • 2025年6月までは従量課金サービス をセットアップすると、上限はあるもの 無料で利用できる。ただし、 アーカイブとバックアップの容量は 含まれない。 Pay-as-you-go services and pricing for Microsoft Syntex - Microsoft Syntex | Microsoft Learn 14 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 #JapanM365CC2024

15.

SharePoint Premium ▪ 利用可能な機能 Microsoft Syntexドキュメント - Microsoft Syntex | Microsoft Learn その他の機能 ドキュメントと画像 動画 • eSignature ※日本は未サポート • • • • • • オートフィル列 コンテンツ アセンブリ ドキュメントの翻訳 画像のタグ付け 光学式文字認識 構造化ドキュメント処理および 自由形式ドキュメント処理 • 事前構築済みドキュメント処理 • 非構造化ドキュメント処理 • 分類のタグ付け 15 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 • • • • 注釈 コンテンツ クエリ PDF のマージと抽出 処理ルール • エンタープライズ コンテン ツ タイプハブのハブサイト へのプッシュ • 用語ストアレポート • トランスクリプトの翻訳 ストレージ • アーカイブ • バックアップ アプリ • SharePoint Embedded #JapanM365CC2024

16.

オートフィル: AutoFill ▪ LLMを使って、SharePoint ドキュメント ライブラリ にアップロードされたファイルからコンテンツを自 動的に抽出、集計、または生成 ▪ サポートされるファイルの種類 • .doc、.docx、.eml、.heic、.heif、.htm、.html、.jpeg、.jpg、. md、.msg、.pdf、.png、.ppt、.pptx、.rtf、.tif、.tiff、.txt、.xls、 .xlsx ▪ サポートされる列のデータ型 • テキスト、複数行のテキスト、数値、はい/いいえ、日時、選 択肢、ハイパーリンク、通貨 オートフィル列の概要 Microsoft Syntex - Microsoft Syntex | Microsoft Learn 16 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 #JapanM365CC2024

17.

コンテンツ アセンブリ ▪ 契約、作業明細書、サービス契約、同意書、販売ピッチ、 連絡文書などの標準的な繰り返しビジネス ドキュメント を自動的に生成するのを支援する ▪ Word がベースであり、Word および PDFファイルを生成 できる ▪ リストのデータの再利用も可能 Power Automate とも連動している ▪ ▪ 昔話 • 昔は Word にドキュメント情報パネル(DIP)というのがあり、 Word 内から直接ファイルのプロパティを編集できた • InfoPath でカスタマイズすると任意のデータソースとの 連携も可能だった • しかし、あまり使われず、機能はなくなったのだけれど、コンテンツア センブリのコンセプトは DIP と似たものを感じる • また類似機能でWordテンプレートがあるが、事前設定が面倒なの と Web版のWordによる編集で一部制限がかかる。現在は、レガ シー。 17 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 Microsoft Syntexのコンテンツ アセンブリの概要 Microsoft Syntex | Microsoft Learn #JapanM365CC2024

18.

ドキュメントの翻訳 ▪ ライブラリ内で複数の言語に翻訳したファ イルを生成できる ▪ 翻訳対象のファイル • .csv、.docx、.htm、.html、.markdown、.md、.msg、 .pdf、.pptx、.txt、.xlsx ▪ サイズ制限 • 40MB ▪ 昔話 • オンプレミスの SharePoint では Machine Translation Service というのが提供されていた。 これを利用するにはコーディングが必要だったた め現在のように手軽ではなかった 18 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 Microsoft Syntexでのドキュメント翻訳の概要 Microsoft Syntex | Microsoft Learn #JapanM365CC2024

19.

処理ルール ▪ ライブラリの処理ルールに次の機能 が加わる • ファイルを次の場所にコピーする • ファイルを次の場所に移動する • 翻訳されたコピーを作成する場所(を指 定する) 移動先やコピー先にユーザーがアク セス権限を持っていないも処理され る ▪ Power Automate 不要 ▪ 19 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 #JapanM365CC2024

20.

画像のタグ付け イメージタガーを有効化することで、画 像タグ列が追加される ▪ AIよりタグが生成されるだけでなく、手 動で編集できる ▪ • 画像が検索しやすくなる 20 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 ★Tips★ 画像列を追加するときに “Thumbnail” という名前を指定すると 画像のプレビューが表示される #JapanM365CC2024

21.

光学式文字認識 画像やドキュメントから印刷または手書 きのテキストを抽出できる ▪ 画像をキーワード検索できるようになる ▪ Microsoft Purview のデータ損失防止 機能でもこの機能が使える ▪ • 機密情報が含まれるような画像データの漏 洩も防げる Microsoft Syntexにおける光学文字認識の概 要 - Microsoft Syntex | Microsoft Learn 21 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 #JapanM365CC2024

22.

秘密度ラベルによるデータ保護 ▪ ファイル単位での暗号化 • ファイルにアクセスできるユーザーに対する操作制限を行える • 社外に持ち出されたとしても暗号化されているので開けない • ファイルの有効期限を指定できる (※古い情報にアクセスさせない) • Microsoft 365 Copilot を使って機密情報が含まれるファイルをもとに新しいファイル を生成しようとすると同等のラベルが自動適用される ▪ サイト単位での適用 • サイトの共有リンクのオプション設定を動的に変更できる • Entra ID の条件付きアクセスポリシーと連携させて、特定の秘密度ラベルが適用さ れているサイトのみ認証方法を変えるといったことも可能 22 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 #JapanM365CC2024

23.

データ損失防止ポリシー ▪ 機密情報が含まれているファイルを うっかり共有できないように制限で きる • 共有リンク作成時 • Outlook でのファイル添付時 23 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 #JapanM365CC2024

24.

まとめ ▪ ドキュメントは蓄積され続ける一方であるため、いかにデータを素早く見つけ出し、再利 用していくかが重要 • Microsoft 365 Copilot はそうしたデータの検出や再利用性を強力に高めているという側面がある ▪ SharePoint の高度なドキュメント管理機能やガバナンス機能を支えていくアドオンが SharePoint Premium • 高度なドキュメント管理機能を使うとことで様々な利点が得られる • サイト単位でのライフサイクル管理やバックアップやアーカイブなどは SharePoint Premium - SharePoint Advanced Management による管理が強化されていく ▪ 組織レベルでの強固な管理対応 • Microsoft Purview が提供する保持ラベルや保持ポリシーは、ドキュメントに寿命を与えてライフサイク ル管理をするための仕組み • Microsoft Purview が提供する秘密度ラベルやデータ損失防止(DLP)の仕組みは情報漏洩を防ぐた めの仕組み • これらを SharePoint 環境で組み合わせて利用していくことが、Copilot の登場も含めて今後ますます 重要になっていく 24 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 #JapanM365CC2024

25.

参考情報 SharePoint Premium – Microsoft Adoption ▪ Microsoft Purview の詳細 | Microsoft Learn ▪ 25 Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024 #JapanM365CC2024

26.

コースID: OH-M365-208 Microsoft 365 の ドキュメント管理と検索 実施日数: 2日間 Microsoft 365 環境でのドキュメント管理の中核は SharePoint です。OneDrive for Business もベースは SharePointです。 この研修では、ファイルサーバーとは異なり SharePoint の利点を生かしたドキュメント管理の基本的な利 用方法から応用的な利用方法までを学びます。 Teams, SharePoint, OneDrive の使い分けのポイントも解説します。 さらに、Microsoft 365 の検索機能を活用して、情報を素早く 見つける方法も学びます。 #JapanM365CC2024

27.

コースID: OH-M365-302 Microsoft 365 SharePoint の構成と管理 ~Microsoft 365 Copilot 対応~ 実施日数: 2日間 情報システム部門の方などで全社レベルでのSharePointの運 用管理をする方向けの研修です。 SharePoint 管理センターの 各設定についての詳細や SharePoint Premium SharePoint Advanced Management の機能を活用した情 報ガバナンスの方法を学びます。 Microsoft 365 Copilot を 活用するために必要な設定についても解説します。 運用上のベ ストプラクティスなども交えながら参加者からの質疑応答をベー スとしたディスカッションや アドバイスなども行います。 #JapanM365CC2024

28.

ご視聴をありがとうございました! フィードバックにご協力ください 次回の開催は未定ですが、フィードバックの内容によっては次回の開催も検討いたします。 28 本セッションに対するアンケート イベント全体に対するアンケート 本セッションついて参考になった点や 感銘を受けた点、もっと知りたかったことなどをお寄せください。 運営チームメンバー、登壇者、サポートメンバーに対する 暖かいフィードバックをお待ちしております。 #JapanM365CC2024