【Ltech#13】大規模サイト開発と新規事業開発の経験から見たそれぞれの違い

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January 18, 21

スライド概要

2021/01/18 Ltech#13 事業開発エンジニアとは?~実装は甘え~
中 佳博

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各ページのテキスト
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大規模サイト開発と新規事業開発の経験か ら見たそれぞれの違い 中佳博 © LIFULL Co.,Ltd. 本書の無断転載、複製を固く禁じます。

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自己紹介 名前:中佳博(あたり よしひろ) 趣味:湯船で を読むこと 好きな言語: 経歴: を 年新卒入社し、 の開発 年ほど経験。その後、新規事業開発の部署で 年ほど経験 今日はそこで得た知見の話が できればと思います。

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まず最初に 本日は「 実装は甘え 」という サブタイトルですが 私は実装する場面においての、大規模開発と新規事業開発の違 いについて話そうと思います。

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目次 大規模開発と新規事業開発の違い 1. 開発の優先度 2. エンジニアの裁量 3. エンジニアとしての担当領域 4. メンバーとしての担当領域 5. 求められる姿勢やスキル 6. それぞれの良いところ 7. それぞれのちょっとつらいところ

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開発の優先度の違い

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開発の優先度(新規の場合) ・ (品質:汎用性・高可用性・高機能) ・ (コスト:料金・人的リソース) ・ (納期:開発期間) 場面においていろんな意味を持つと思いすが どれが一番、優先度が高いでしょうか

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開発の優先度(新規の場合) 個人的には 1. 2. 3. (納期:開発期間) (コスト:料金・人的リソース) (品質:汎用性・高可用性・高機能) だと思います。※ただし条件付きで

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開発の優先度(新規の場合) なぜか

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開発の優先度(新規の場合) 少し極端な話をします。

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開発の優先度(新規の場合) エンジニア視点で ・とても綺麗な設計 ・とても読みやすいコード ・とても汎用性のあるコード を、時間をかけて作り上げたとしても もし ヶ月後に事業が撤退してしまったら 意味がありません。

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開発の優先度(新規の場合) もしくは 綺麗に作ることに時間をかけている間に 競合他社に差をつけられてしまうかもしれません

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開発の優先度(新規の場合) そんな状況になるより ・多少コードが汚くても ・多少バグがあっても(致命的でない) ・多少仕様を満たしていなくても それなりに動く状態でリリースするほうが意味 があります。

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開発の優先度(新規の場合) 早くリリースすることで ・ユーザ検証ができる ・他の優先度高いタスクに取り掛かれる ・事業にスピード感を出すことができる というメリットがあります。

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開発の優先度(新規の場合) 素材

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開発の優先度(新規の場合) ただし、 品質を完全に忘れて良いという訳ではない バグだらけで使い物にならない機能を生み出しても それはそれで意味がない。 だが、ある程度さじかげんが必要 も も両立できるならそれが一番良い。

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開発の優先度(大規模の場合) 逆に、大規模開発だと な場面が多いと思う。(状況によるが)

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開発の優先度(大規模の場合) 大規模開発だと ある程度サービスが育っていて 来月潰れるかもという可能性が低い

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開発の優先度(大規模の場合) コードを綺麗に書くことに初めは時間がかかるかもしれないが 次回以降の改修にかかる時間が短くなるなどのことを考えると 長期的に見るとコードを綺麗に書くほうがメリットが多い

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開発の優先度(大規模の場合) また、大規模サイトは信頼もある しょっちゅうバグを出していたら 事業の信頼にも関わる

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開発の優先度 大事な考え方として プロダクトは事業の上で成り立っているということ 事業のフェーズによって、プロダクトに求める優先度も変わる

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エンジニアの裁量の違い

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エンジニアの裁量の違い(新規の場合) 新規事業開発の場合は 裁量(権限や決定権)を与えられます というよりは、裁量を持って やらなければいけないことが多いです。

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エンジニアの裁量の違い(新規の場合) ・システムアカウントの権限 ・技術選定、開発方針の決定権 ・開発権限(デプロイ権限など) ・案件に対する責任(これは裁量じゃないかもだけど)

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エンジニアの裁量の違い(新規の場合) 理由としては 単純に人がいなくてなんでもやらないといけないから なので、やりたいことは自分で判断していかなければならない

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エンジニアの裁量の違い(新規の場合) 逆に 大きな裁量を持っているので ・意思決定する力 ・判断力 ・慎重さ が必要になる また つのことに専念するというのが難しい

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エンジニアの裁量の違い(大規模の場合) 対して大規模開発だと 裁量は分割されている

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エンジニアの裁量の違い(大規模の場合) 自分一人でできることの幅は少ないが その分、一つのことに専念できる

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エンジニアとしての担当領域の違い

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エンジニアとしての担当領域の違い(新規の場合) 私の関わった事業の場合は エンジニアが潤沢にいませんでした。 ( 人 人) そのため、 人でなんでもしなければいけません。 フロント サーバーサイド インフラ

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エンジニアとしての担当領域の違い(新規の場合) そのため 幅広い知識が必要 知らないことによくでくわす

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エンジニアとしての担当領域の違い(新規の場合) 広く深い知識があると良いが それが厳しい場合は 広く浅くでも知っていると良い

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エンジニアとしての担当領域の違い(大規模の場合) 逆に大規模開発の場合は 担当領域が分割されている フロント担当・サーバーサイド担当・インフラ担当

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エンジニアとしての担当領域の違い(大規模の場合) 担当が分割されている場合は 狭くても深い知識が必要 (ある程度周辺領域の知識は必要だが) ・言語に対する深い知識 ・ドメイン知識 ・ハイパフォーマンスな設計

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メンバーとしての担当領域の違い

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メンバーとしての担当領域の違い(新規の場合) 開発領域の話と似ていますが 新規事業の場合は人が足りないので システム開発以外の業務もしなくてはなりません。

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メンバーとしての担当領域の違い(新規の場合) ・事業オーナーとサービスの方向性の相談 ・企画案出し ・機能仕様作成 ・全体スケジュール管理 ・部署間調整 ・外注管理 ・会議体の改善

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メンバーとしての担当領域の違い(新規の場合) しなければならないことや やれてないこと、 整備されていないことも山ほどあるので 自ら動いて改善したり、担当したり しなくてはならない

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メンバーとしての担当領域の違い(新規の場合) そのため、コードを書く以外の知識が 必要になってくる ・スタートアップの知識 ・数字を見る知識 ・企画を考える知識 ・運用改善の知識

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メンバーとしての担当領域の違い(新規の場合) 加えて、なんでもやる姿勢も大事

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メンバーとしての担当領域の違い(大規模の場合) 大規模開発(人がいる現場)の場合は 役割が分担されている

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メンバーとしての担当領域の違い(大規模の場合) そのため、自分の専門領域に専念できる

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求められる姿勢やスキルの違い

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求められる姿勢やスキルの違い(新規の場合) 新規事業の場合の姿勢 ・事業のためになることならなんでもやる ・事業の成長のためにできることが、自分のやりたいこと ※個人的な見解

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求められる姿勢やスキルの違い(新規の場合) 求められるスキル ・事業の成長に必要なこと全て (もちろん、その中でもエンジニアに注力したいなどはある) ※個人的な見解

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求められる姿勢やスキルの違い(大規模の場合) 大規模開発(人がいる現場)での姿勢 ・自分の担当範囲で最高のパフォーマンスを出す ※個人的な見解

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求められる姿勢やスキルの違い(大規模の場合) 求められるスキル ・特定の領域に特化したプロフェッショナル性 ※個人的な見解

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それぞれの良いところ

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それぞれの良いところ(新規の場合) 新規事業の場合 ・やりたいと思ったことはなんでもやれる ・いろんな仕事ができるので、飽きない ・ のフェーズを担当できる ・役職に関係なく人同士が近い ・スピード感

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それぞれの良いところ(大規模の場合) 大規模開発の場合 ・その領域に特化、専念して仕事ができる ・環境が整備されている ・大規模ならではの仕事ができる(負荷対策など) ・専門知識の高い人がいるので相談しやすい

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それぞれのちょっと辛いところ

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それぞれのちょっと辛いところ(新規の場合) 新規事業開発の場合 ・一つのことに専念しずらい ・良い意味でのこだわりを貫き通せない場合が多い※ ・少ない情報で意思決定しなければいけない ・足下に意識がいってしまいがち

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それぞれのちょっと辛いところ(大規模の場合) 大規模開発の場合 ・担当が細分化されていて全体が見えづらい ・調整事や情報共有に時間かかりがち ・思い切ったことしづらい ・ドメイン知識ばかり増えてしまう

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目次 大規模開発と新規事業開発の違い 1. 開発の優先度 2. エンジニアの裁量 3. エンジニアとしての担当領域 4. メンバーとしての担当領域 5. 求められる姿勢やスキル 6. それぞれの良いところ 7. それぞれのちょっとつらいところ

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最後に ※補足 今回お話したことは 全てにおいて、こうだという訳ではなくて あくまで私が経験したなかで こういう傾向が強いと思うという話でした。 それぞれの現場や社風などによってまた変わってくると思います。

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大規模サイト開発と新規事業開発の経験か ら見たそれぞれの違い 中佳博 © LIFULL Co.,Ltd. 本書の無断転載、複製を固く禁じます。